今週は札幌競馬場で札幌記念(芝2000m)が行われる。夏の札幌を舞台に行われる一戦。フルゲート割れは残念だが、粒ぞろいのメンバーたちが真夏のスーパーGII制覇を狙う。
ここでは、過去10年からシャフリヤールとトップナイフにフォーカスしたデータを取り上げる。
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シャフリヤールに【4.1.1.2】の高好走率データ
3歳時には日本ダービーを制し、世代の頂点に立ったシャフリヤール。その後は海外を中心に良績を積み重ねてきたが、国内レースでの勝ち星はその日本ダービーが最後となってしまっている。昨年惨敗のレースでもあり過信禁物では……そんな声に待ったをかけるデータをお伝えしたい。
・年内に重賞連対歴のあるディープインパクト産駒【4.1.1.2】
過去10年の該当馬8頭中6頭が馬券内を確保。ディープ産駒と好相性のレース傾向に、年内重賞連対実績というファクターを加えたことで出現した高好走率データだ。
もうひとつ、シャフリヤールにとって追い風となるのは札幌芝の馬場コンディションだ。例年と比べて時計・上がりともに速く、先週の芝1200mでは1分8秒0を記録。連続開催の札幌芝1200mで1分8秒0以内は2012年までさかのぼるが、その年の札幌記念勝ち時計は1分58秒7と歴代2位にランクされるものだった。毎日杯、日本ダービーで示した世代NO.1の高速馬場適性を見くびってはいけない。
■トップナイフに【0.0.0.9】の“消し”データ
その一方で、“消しデータ”が浮上してしまうのがトップナイフだ。昨年の本レースはプログノーシスの2着と大健闘。戦績が示すとおりの洋芝適性で再度の好走を狙う伏兵だが、2年連続好走の壁は高いと判断せざるを得ないデータがこちら。
・前走函館記念で10着以下【0.0.0.9】
このなかには前年3着馬ダービーフィズやGI連対歴を持つユニコーンライオンも該当したが、巻き返しはならず。どんな理由があろうとも、ローカルGIIIで惨敗を喫しているようでは一変は厳しいとの傾向が見え隠れする。
ドゥラエレーデに迫ったホープフルSに前述の札幌記念2着と、芝2000mのパフォーマンスは優秀なトップナイフ。それでも直近の戦績とデータを加味したとき、今回に限っては“消し”の選択肢が妥当なのかもしれない。
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。