ロッテや巨人などでプレーし、40歳となった今も母国メキシコで現役を続けているルイス・クルーズ内野手が、史上6人目となる「40-40」を達成したドジャースの大谷翔平投手について電話インタビューに応じた。
米地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』の取材では、日本時代の大谷とのエピソードも語り、「彼が打者としてこれほど優れているとは思わなかった」と昨今の大谷の活躍ぶりに驚きを語った。
◆大谷翔平「40-40」達成もMVPは安泰じゃない? ライバルに奪われる可能性を米メディアが激論
■日本時代の冗談や思い出話も披露
クルーズは日本時代に、ルイス・メンドーサ氏の紹介で日本ハムに所属して2年目の、当時19歳の大谷と出会った。10代の大谷は現在よりもかなり細身だったが、当時でも大谷の打撃練習は「信じられないほど素晴らしかった」と言う。
当時の大谷は「打とうと思えば打つことができた」とし、「彼のバットは鞭のようだった。イチローのバットに似ている」と、イチローの面影を重ねた。
一方で、メジャーでも二刀流として活躍するのは厳しいと考えたクルーズは「彼は良い投手になるだろうと思っていた」とし、「彼は速球、スプリット、スライダーの3つの良い球種を持っていて、時速100マイルを投げていた」と当時を振り返った。
クルーズは、大谷との対戦で打席に立つ度に、日本語で「まっすぐ、まっすぐ」と冗談を言い、大谷は礼儀正しくお辞儀をしてそれに応じないという思い出話も明かした。
また、ある試合のイニングの合間には、「クルーズさん!クルーズさん!」と呼びかけられ、笑顔の大谷から「Today, you, no chance.(今日、あなたにチャンスはないよ)」と言われたという。
大谷は2016年当時、NPB史上最速の時速163キロを投げるなど、投手として10勝4敗、防御率1.86、打者としては打率.322、22本塁打の成績を収め、パ・リーグのMVPを受賞、日本ハムの10年ぶりの日本シリーズ優勝にも貢献した。
それでもクルーズ氏はここまで大谷がメジャーで活躍するとは想像していなかったようで、「彼にとってはフィールドが狭すぎるようだ」「まるでスローモーションでボールを見ているようだね」と絶賛した。
また、大谷が2度のヒジの手術を受けて以来、ブルペンで初めて投球したことを聞くと「彼は機械(マシーン)だね」と脱帽。さらに、「今、彼の活躍を目の当たりにすると、自分はこの男と対戦したのかな?という感じだ」と、信じられない気持ちもあるようだ。
◆大谷翔平の三冠ライバルが好調維持 オズナが打点「96」で再び単独首位、打撃三部門&MVP争いが熾烈極める
◆大谷翔平、今シーズンの活躍を米敏腕記者が絶賛 “今後の可能性”も展望「彼はその感覚を味わった」か」
◆リンドーアが満塁弾含む両打席アーチ、今季“勝利貢献度”でも大谷翔平を凌ぐ 米メディア「日本の超人がいなければMVPだ」