ワールドシリーズ(WS)が終了し、すでに米メディアの話題はオフの補強関連に移っている。最大の注目はフリーエージェント(FA)となるヤンキースのフアン・ソト外野手で、地元紙『ニューヨーク・ポスト』は早速、「WS第5戦が終了してから2時間以内に8球団がソト陣営に接触」と報道した。
若き天才打者の新契約を巡っては、大谷翔平投手と同規模の7億ドルが視野に入るとされている。
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■契約規模は大谷と並ぶ7億ドルか
『ニューヨーク・ポスト』の看板記者、ジョン・ヘイマン氏はWS終了後、「フアン・ソト、FAで歴史的な7億ドル契約を視野」と題して記事を公開した。7億ドル(約1063億円)という数字は大谷がドジャースと結んだ「10年総額7億ドル」と同規模だが、大谷が7億ドルのうち97%を後払いにしたのに対し、ソトは契約年数に関わらずその方法は取らないという。
また、同記者によると「ヤンキースがWS第5戦に敗れてから2時間以内に8球団がソト陣営に連絡を入れた。そして、木曜日(10月31日=日本時間11月1日)の朝までに、その球団数は11になった」と伝えた。
そして、その11球団の中にはメッツも含まれているという。ヤンキースはメジャー屈指の収益力を誇るが、メッツを率いるスティーブ・コーエン氏は、最も裕福なオーナーとして知られている。米メディアによると、ソトの代理人であるスコット・ボラス氏が「(同オーナーは)コーエンではなく、コング。スティーブ・コング」と呼ぶほどで、その財政的なパワーは突出している。
■ジャイアンツやブルージェイズも
ソト自身は「全30球団に門戸を開いている。どのチームも等しく、どのチームが優位とかは言えない」と話しているが、現実的に考えれば、ソト陣営を納得させる条件を提示できる球団は自ずと限定される。
そのため、同記者はヤンキースとメッツのニューヨーク2球団と「利益を生むオオタニとの契約で財政状態が改善し、良い経営をしているドジャースにも資金力がある」とし、この3球団が争奪戦の中心になると予想。そのほか、ジャイアンツ、ブルージェイズ、レッドソックスなど大都市圏のチームも新天地候補になるとした。また、すでに2球団ほど市場規模の小さいチームも獲得レースに名乗りを挙げているという。
火ぶたが切られたソト争奪戦。26歳の若き天才打者を巡る攻防が、しばらく世間の耳目を集めそうだ。
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