2024年のメジャーリーグは、ナ・リーグ西地区のドジャースが4年ぶり8回目の世界一を奪還して幕を閉じた。大谷翔平投手を中心とした屈指の強力打線が日本でも度々話題となったが、球界全体では史上ワーストクラスの「低打率化」が進んでいる。
多少の三振には目を瞑り、起死回生の本塁打に勝負を委ねる――打撃成績を紐解くと、現代のメジャーリーグの特徴が浮き彫りになってくる。
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■エース級が炎上するケースも
米データサイト『Baseball Reference』によると、今季のメジャーリーグ平均打率は「.243(.2432)」で、1871年のプロリーグ発足以降ではワースト7位の低打率だ。2015年にデータ解析システム『スタットキャスト』が導入されると、打者たちはより強く角度のある打球を飛ばすことに注力し、フライボール革命と呼ばれる意識改革が進んだ。
長打で得点を狙うスタイルが定着し、2018年には平均打率が1969年以来の2割4分台に突入。以降は19年の.252を除き、毎年2割4分台を推移。22年には史上ワースト5位の「.243(.2427)」を記録、今季もほぼ変わらない水準に留まっている。
一方で、今季の「5453本塁打」とチーム1試合平均「1.12本塁打」は、現在の30球団162試合制になって以降で上位10位にランクイン。本塁打狙いが顕著で、チーム1試合平均「8.48三振」は昨季に次ぐ史上ワースト5位。現代のメジャーリーグが求める打者像が、色濃く反映された成績と言える。
わずかな失投が命取りに。各球団のエースクラスが突然炎上する姿を見るケースが増えたのは、決して気のせいではないのだろう。
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