ヤンキースのゲリット・コール投手がオプトアウト(契約破棄)の権利を行使した模様だ。11月2日(日本時間3日)、『ESPN』や『ニューヨーク・ポスト』など米複数メディアが伝えた。フリーエージェント(FA)になるフアン・ソト外野手の動向も不透明の中、ワールドシリーズ敗退から3日後、エースの下した決断に名門が揺れている。
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■オプトアウトの権利を行使
コールは2019年12月に9年総額3億2400万ドルで、アストロズからヤンキースに加入。今季が9年契約の5年目で、あと4年1億4400万ドルの契約が残っている中でオプトアウトの権利を行使した。
ただ、ヤンキースは1年3600万ドルの契約を新たに追加すれば、このオプトアウトを無効にできる契約になっているという。つまり、5年総額1億8000万ドルで契約を結び直せば、エースを引き留めることが可能になるという仕組みだ。
現時点では、ヤンキースが1年3600万ドルを追加し、流出阻止に動くとの見方が大勢を占めている。しかし、『ニューヨーク・ポスト』のジョン・ヘイマン記者は同日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、「ヤンキースがコールに対して下す決断は、ソトにも関係してくる。引き留めるのではなく、彼をFAにさせると財務の柔軟性は高まるだろう。しかし、チームの戦力が落ちることにつながる。そして、ソトは『勝利が最も重要』と語っている」とつづった。
■難しい決断を迫られる名門
同記者の投稿を補足すると、FA市場の超目玉ソトとの新契約には大谷翔平級の契約規模(総額7億ドル)が必要とされており、争奪戦に参加しているヤンキースも財布のひもを緩めるしかない。しかし、財政面における負荷があまりにも高いため、代わりに高給取りのコールを手放すことも1つの案となる。ただ、エースの流出はチームの弱体化につながる。すると、新天地の条件として「勝利」を求めているソトは、コールの放出を見てどう思うか。同記者は、ソトとの再契約に悪影響が出ることを懸念した形だ。
しかも、いくらソトのために好条件を用意したとしても、争奪戦に勝てる保証はどこにもない。ソトとコールを一気に失いかねず、ヤンキースは難しい決断を迫られているのかもしれない。
コールは現在34歳で、今季は神経の炎症と浮腫で離脱もあった。年齢と健康状態を考慮すれば、ヤンキースが長期契約に二の足を踏んでも不思議ではない。引き留めるのか、FAを容認するのか、注目が集まっている。
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