今週は京都競馬場でエリザベス女王杯(芝2200m)が行われる。幾多の波乱を生んできた秋の最強女王決定戦。特殊な舞台でどんな結末が待ち受けているのだろうか。
ここでは、2011年以降の京都で開催された10年データからホールネスとサリエラにフォーカスしたデータを取り上げる。
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目次
ホールネスに【2.1.0.1】のプラスデータ
デビューからいまだ馬券外なし。抜群の安定感を武器にGIの舞台まで駆け上がったのがホールネスだ。前走新潟牝馬Sはハイペースをものともせず、抜群のタイミングで抜け出し完勝。今年のメンバーレベルなら通用の可能性を示すなか、データが下したジャッジは?
・前走芝2200mのOPクラスから臨む4歳馬【2.1.0.1】
該当馬4頭中3頭が馬券内を確保。集計期間内において4歳馬が6勝を挙げる本レース、そこに前走距離&クラスが付加されることで好走率は一気に跳ね上がる。
ホールネスについて補足すると、前述の新潟牝馬Sは鞍上の仕掛けどころが完璧。できれば西塚洸二の手綱のままで臨んでほしかったが……こればかりは馬主の考えなので致し方ないか。芝2200mは【3.1.0.0】連対外なし。時計がかかってきた今の京都なら侮れない。
■サリエラにのしかかる【0.0.0.14】
その一方で、良血馬サリエラには不穏なデータが重くのしかかる。昨年参戦した本レースは上がり3F最速の脚で6着。ダイヤモンドS2着、目黒記念3着と牡馬相手でも互角に戦えるポテンシャルの持ち主だが、叩き一変の難しさを実感するデータとは?
・前走10着以下のGI未勝利馬【0.0.0.14】
このなかには前年3着馬のタッチングスピーチも該当。変わり身をみせたのは牝馬三冠に輝いた名牝・アパパネに限定されており、惨敗から巻き返すことのハードルがいかに高い設定にあるかを証明するデータだ。
良血馬である背景から、常に一定の支持を集める本馬。それでも近2走はまったく見せ場なく敗れており、中間の調教も当初美浦ウッドで追い切る予定から、坂路に変更となった点も気がかりだ。世界を股にかける名手・R.ムーアの手綱をもってしても変わり身は容易ではないだろう。
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。