【マイルCS/血統展望】波乱の使者候補は“コントレイル似”配合 差し有利馬場で「淀の達人」の妙技炸裂も

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今週末は、第41回マイルチャンピオンシップ(GI、京都芝1600m)が行われる。

連覇を目指すハービンジャー産駒ナミュール、初のマイル戦に挑むロードカナロア産駒ブレイディヴェーグ、前哨戦の富士Sを制したワールドエース産駒ジュンブロッサムをはじめ、多彩な血統構成の馬が集結。

ここでは、馬券検討のヒントとなる「血統」で本競走を攻略する。

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■前より後ろで検討すべきレース

京都開催過去10回分のマイルCSを振り返ると、中団以降でレースを進めた馬が8勝を誇る。2着馬、3着馬についても同様で中団以降の馬が多数を占める。10月からの連続開催で芝のコンディションが悪化するため、だんだんと外差し傾向になるのがこの結果に表れているのだろう。

久々に京都が舞台となった昨年も道中ほぼ最後方にいたナミュールが豪脚を見せつけ勝利。リニューアルを挟んでも傾向としては変わっていないものと考えたい。

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思考回路としては「前より後ろ」で検討すべきレースと言える。

■オオバンブルマイはオッズ的にも妙味抜群

差し馬で今回注目したいのは、カロ内包馬。ここでは該当馬のオオバンブルマイをピックアップする。

父がストームキャット系のディスクリートキャットで、母父はディープインパクト。そして3代母アジアンミーティアがアンブライドルズソングの全妹なので、配合のパーツ自体はコントレイルと似たような組み合わせ。

サクラバクシンオーが入る分だけ、中距離ベストだったコントレイルより距離適性は短めに寄っているが、それでもさすがにここ2走の1200mは適性外だろう。

ダノンプラチナ・ラウダシオン・レッドベルオーブなどがそうだったように、ディープとアンブライドルズソングの組み合わせからは、広いコースのマイル戦で結果を残した馬が多いことを考えると、オオバンブルマイも本質的にはそういったタイプなのでは?

ならば中山芝1200m→京都外1600mに替わるのはオオバンブルマイにとって好材料と見る。

しかもスプリンターズSのオオバンブルマイは直線でモズメイメイが外に寄ってきた影響を受け、進路をカットされ内に切り替える不利があった。

鞍上としては、オオバンブルマイが大箱向きなので、コーナーを敢えてタイトに回らず勢いに乗ったまま直線に向く意図だったのだろうが、それが完全に裏目に出た格好。適性外の1200mかつ、捌き捌きな直線の進路取りにも関わらず、勝ったルガルと0秒6差なら力を見せた内容と言える。

また、以前触れたようにリニューアル後の京都外マイルはカロ内包馬と好相性。今年のマイラーズCではソウルラッシュが勝ったし、米子Sは該当馬のワンツーだった。オオバンブルマイは4代母の父がカロ。お守り程度かもしれないがこの点でも評価を上げたい。

そのうえ鞍上は”淀の達人”武豊。ここも後ろで脚を溜めて外に出す競馬になるだろうが、その戦法がハマるのが京都のマイルCS。想定されるオッズ的にも妙味はバツグンだ。

あとは枠と週末の馬場コンディションを見つつ、最終結論に至りたい。

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著者プロフィール

ドクトル井上
【重賞深掘りプロジェクト】血統サイエンティスト。在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。