ヤンキースからフリーエージェント(FA)になったフアン・ソト外野手の争奪戦に関して、ドジャースの撤退情報が連日伝えられている。すでに米スポーツ専門局『ESPN』のジェフ・パッサン記者が「ドジャースはソトを追いかけない」と報じたが、ドジャース専門メディアもソトを獲得する予算があるのなら、それを先発投手陣などの補強に振り分けるように促した。
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■ソトの能力を生かし切れない可能性
FA市場の超目玉であるソトの新天地に関しては、ヤンキース、メッツというニューヨーク2球団が有力視される中、世界一軍団ドジャースも対抗馬として挙がっていた。しかし、ここに来て撤退報道が相次いでいる。
11日(同12日)には『ESPN』のパッサン記者が「ドジャースはソトを追いかけることはしないだろう」と指摘。同記者が理由の一つとして挙げたのは、ソトの守備面。ゴールドグラブ賞にノミネートされたとはいえ、守備能力が高いとは言えず、もし問題が起きた場合、他球団であれば攻撃力を生かすためにDHに配置することも可能。しかし、ドジャースの場合、そこには大谷翔平投手が君臨。外野手として不安、DHにも入れないとなった場合、獲得しても生かし切れない可能性があるため、二の足を踏むだろうと予測した。
■外野手不足を補いつつ投手陣強化
ドジャースの専門メディア『ドジャース・ネーション』も13日(同14日)、このパッサン記者の主張に“同意”する記事を掲載。「(ソトが加入すれば)ロサンゼルスにさらなるタイトルをもたらす可能性が高いとは分かっている。しかし、チームはその資金を分散させ、外野手不足を補いながら投手陣の強化もできると考えているようだ」とし、ドジャースがソト獲得には向かわないと記した。
ソト獲得資金の行方については「別の外野手のFA選手、例えばテオスカー・へルナンデスのために使う可能性が高く、今季負傷者が続出し、疲弊した投手陣を補強するために使うだろう」と重ねて強調した。
■金銭面の負担が膨大になるか
また、米スポーツメディア『CLUTCH POINTS』は「表面的にロサンゼルスはソトにとって最適な選択だ」としつつ、「ソト陣営が総年俸の多くを後払いにしたショウヘイ・オオタニのような契約を認めないため、彼が加入した場合、西海岸の巨人は多大な経済的犠牲を払うことになり、そこまでの余裕はない」と説明。
大谷は「10年総額7億ドル」という契約のうち、総年俸の97%が後払いという形をとっているため、現時点で球団の金銭的負担は軽微。しかし、ソト陣営は大谷のような後払いを認めていないため、獲得した場合、即来年から多額な給与支払いが何年も続くことになる。同メディアは、いかに資金力のあるドジャースであっても、これは避けると見立てた形だ。
ソト争奪戦からのドジャース撤退が、いよいよ鮮明になってきたようだ。
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