卓球の「WTTファイナルズ福岡2024」は20日、福岡県の北九州市立総合体育館にて女子シングルスの1回戦が行われ、世界ランキング5位の早田ひな(日本生命)は同17位のベルナデッテ・スッチ(ルーマニア)と対戦。ゲームカウント1ー3で敗れた。
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■左腕の負傷から復帰
パリ五輪で左腕に負傷を負った早田は、10月の「ITTFアジア卓球選手権2024」で再び同じ箇所を痛めシングルスを棄権。その後の大会を欠場し、地元の北九州開催のファイナルズはぶっつけ本番となった。
スッチ相手にした第1ゲーム、立ち上がりに4連続ポイントを奪われるなどスッチに押される展開に。それでも徐々に対応を見せて要所ではフォアドライブを見せるなど復調した。それでもデュースから最後は10-12で奪われると、第2ゲームは7-5でリードを奪ったが、連続ポイントを奪われ、流れを止められずに7-11で失った。
第3ゲームは要所でのフォアや巧みなレシーブも見せるなど、11-6で奪ったが、第4ゲームはスッチの流れを止めることはできず。1-3で敗れ、復帰戦となったファイナルズは初戦敗退となった。
■試合後に見せたのは晴れやかな表情
1回戦で姿を消した早田だったが、試合後に見せたのは今できることをやったという充実感と、地元開催となった北九州に駆けつけたファンへの感謝の想い。
早田は「地元というのもありましたし、トップ16に入っていて自動エントリーというのもあったので、そこに向けて自分が頑張る糧になっていた1つの大会だった。そこに向けて練習や入場まで、最後の最後まで注意していた。アジア選手権では叶わなかったけれど、コートに立ててよかった」とまずはコートに立ったということが完全復帰へ向けた進歩だと前を向く。
そのなかで、「まだまだできるとには限りがある」と不完全燃焼の想いも残しつつ、「でも、自分が逆にパリの前に思いつかなかったことだったり、頭の部分では使う時間がたくさんある。それが今日プレーとしてダイレクトに点数につながったこともありますし、あとはそれプラス戦術。これは自分がフルに(復帰しても)活きるところ」と怪我をしたことで見つかる新たな自分の可能性についても明かした。
初戦で敗退となった日本のエースだが、地元の大観衆を浴びながら戦った安堵感とともに、今後に向けて新たな一歩を踏み出した。
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