【MLB】「二刀流復活」大谷翔平は球速を取り戻せるか TJ手術後のフォーシームを公式データで振り返る

 

H.Ariga/SPREAD編集部

ドジャース・大谷翔平(C)Getty Images
ドジャース・大谷翔平(C)Getty Images

ドジャース大谷翔平投手は、今季レギュラーシーズン159試合に出場し打率.310、54本塁打、130打点、59盗塁、OPS1.036と圧巻の好成績。指名打者専念で本塁打と打点の二冠王を獲得し、メジャー史上初の「50本塁打、50盗塁」超えを果たすなど、新たな偉業を成し遂げた。

来季は待望の二刀流復活だが、過去同様のパフォーマンスを見せられるのか。先発投手としての大活躍も願いつつ、公式データで過去の「投球指標」を振り返ってみる。

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■2018年にトミー・ジョン手術

MLB公式のデータページ『Baseball Savant』で、まずは大谷が渡米してから昨季までの「フォーシーム」を見ていく。公式戦で最速を記録したのが、2022年9月10日(日本時間11日)の101.4マイル(約163.1キロ)。次いで、昨季4月27日(同28日)と7月22日(同23日)の101.2マイル(約162.8キロ)と続く。日本時代にはリリーフで165キロを出しているが、先発投手としては申し分ないスピードだ。

2018年、渡米直後のフォーシームは平均球速96.7マイル(約155.6キロ)。この年10月に、右肘内側側副靱帯再建手術(以下トミー・ジョン手術)を受けた。翌19年は登板なしで、パンデミックによる20年の短縮シーズンで復帰。2試合に登板して39球を投じ、平均93.8マイル(約150.9キロ)を計測した。本格復帰の21年は、キャリア最多892球のフォーシームを投げ、平均95.6マイル(約153.8キロ)。渡米直後の水準に近付きつつあった。

■術後4年間で最高球速をマーク

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2022年は、メジャー移籍後最高の平均97.3マイル(約156.5キロ)をマーク。この年から、球種割合で「スイーパー」がもっとも多くなり、フォーシームは重要な場面、要所でギアを上げる球種として使われた。

そして昨季は平均96.8マイル(約155.7キロ)。キャリア2番目の数字だが、再び故障で2度目の右ひじ手術へ。最終登板となった8月23日(同24日)は、フォーシーム7球を投げて平均93.2マイル(約149.9キロ)。極端な球速低下が見てとれた。

大谷は来季、2年ぶりのマウンドへ上がる。球速が全てではないものの、どの程度スピードを取り戻せるかは「復活」を位置づけるひとつの指標になるだろう。7球種以上を操る器用さも持ち合わせており、本格派投手以外の道も残されているかもしれない。1年でも長く、健康で二刀流を続けてほしいと願うばかりだ。

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