【阪神ジュベナイルF/全頭診断】ソダシも該当の“100%データ”馬が本命候補 「0.0.0.9」のコートアリシアンは“消し”も

【阪神ジュベナイルF/全頭診断】ソダシも該当の“100%データ”馬が本命候補 「0.0.0.9」のコートアリシアンは“消し”も

今週は京都競馬場で、第76回阪神ジュベナイルフィリーズ(GI、芝1600m)が行われる。来年のクラシック戦線を占ううえで重要な一戦に素質馬が集まった。

ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬18頭の全頭診断を行う。

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■阪神ジュベナイルフィリーズ2024 出走予定馬全頭診断

・アルマヴェローチェ

札幌芝で道悪の近2走はいずれも連対圏を確保。時計のかかる馬場適性に秀でた馬であることは間違いないが、未経験の良馬場芝適性がゼロと言い切るには早計だろう。ナミュール、ペルシアンナイトと京都芝外回り1600mで好走が目立つハービンジャー産駒。押さえ候補に一考。

・カワキタマナレア

前走ファンタジーSは芝1200→1400mの距離延長だったが、それでも終始後方待機。GIのメンバー相手に大外一気はハードルが高く、巻き返しは難しいと言わざるを得ない。

・クリノメイ

デビューから2連勝中の馬だが、戦ってきた相手や走破時計は強調できるものではない。小回り適性が高く、次走フェアリーS出走なら見直したい1頭。

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・コートアリシアン

新馬戦、新潟2歳Sと上がり3F最速の脚で好走。父サートゥルナーリアというより、母父ハーツクライの良さをそのまま受け継いだような印象だ。とはいえ今回は初の右回りかつ、初の関西圏とクリアすべき課題が山積み。伊藤大士厩舎の関西圏の重賞成績【0.0.0.9】も含め、中心視するには躊躇してしまう。

・ジャルディニエ

この馬で注目すべきは2走前。未勝利戦を勝ち上がったレースだが、上がり3F37秒2とすさまじい消耗戦を制していたのだ。一転して前走アスター賞は上がり3F34秒0と開幕週のオール野芝で切れ味を発揮し勝利。思ったより奥が深く、逃げ馬多数で激流になった際に本馬の特性が活きるシーンは想定すべきだろう。

・スリールミニョン

一度使われた芝1600m戦は勝ち馬から1秒以上離される競馬。厳しい。

・ジューンエオス

初めての芝がGIの舞台。さすがに上位争いを望むのは難しい注文と言える。

・ショウナンザナドゥ

出走馬中最速の持ち時計を誇る馬が抽選突破。惜敗の前走は終始折り合いに気を遣いつつ外々を回らされたロスがあっただけに、決して悲観する内容ではないだろう。京都芝を使われた2戦はいずれも上がり3F最速と、平坦向きの切れ味を有する馬。侮れない。

・ダンツエラン

3着馬までタイム差なしの接戦を制した前走ファンタジーS。レースセンスの良さがストロングポイントで、その強みを最大限に活かした一戦だった。引き続き京都芝外回りで迎える点は魅力も、同レースから臨む組は前走東京組との比較で見劣りしてしまうのもまた事実。ファンタジーS組はバッサリ切るのも手か。

・テリオスララ

過去10年の阪神JFにおいて、前走1600m以上のOPクラスで2着に0秒3差以上勝利の馬は【2.1.0.1】。上級クラスでの楽勝はそのまま評価すべきとのデータだ。前走下したディアナザールは次走快勝。控える形になった際の脆さは考慮すべきだが、京都芝外回り経験馬でもありノーマークにはできない。

・ビップデイジー

京都芝外回りを制した前走紫菊賞は立派も、6頭立ての超スローかつお世辞にも強い相手とは言えなかった。よほど展開がハマッても3着が精いっぱいか。

・ブラウンラチェット

前走アルテミスSは3番手追走から抜け出し勝利。2着に0秒2差をつけたが、東京マイル重賞でこの着差は計り知れない価値がある。東京芝1600m重賞×4角3番手以内×2着に0秒2差以上の2歳馬はソダシやサリオス、ダノンプレミアムなど計8頭を数えるが、そのうち2歳GIに出走した馬の成績は【4.0.2.0】。芝1800mをこなせるスタミナも開催が進んだ京都向きと言えるし、極端に評価を下げる理由は見当たらない。

・ミーントゥビー

600m通過38秒4の超スローを逃げ切った前走。同型馬が揃ったここは600m通過33-34秒台が濃厚で、当時の再現を望むのは酷に映る。

・ミストレス

矢作厩舎の現2歳世代の重賞成績は【0.3.0.1】。馬券内馬3頭の内訳は4、7、10番人気と高配当メーカーぶりがうかがえる。初の右回り、同型馬多数の展開と分が悪い状況ではあるものの、勢いに乗る人馬を無視するわけにはいかないだろう。

・メイデイレディ

本レース史上初となる外国馬。マイルCSのチャリン、ジャパンCのオーギュストロダン、ゴリアットと続く一流馬参戦の流れを汲むかのようにBCジュベナイルFターフ2着馬が駒を進めてきた。当時の勝ち馬レイクヴィクトリアは5戦5勝、GI3連勝中の怪物。不利がありつつ同馬に迫ったレース内容は良く、本馬の母父であるモアザンレディがドゥレッツァ、ノーブルロジャーと京都芝外回り重賞勝ち馬を輩出している点も含めて軽くは扱えない。

・モズナナスター

前走はゴール前で不可解な動きもあったが、前に行って渋太さを発揮した。とはいえ当時は道悪で差しが利かない馬場コンディションを味方にしたレースでもあり、連続好走は至難の業か。

・ランフォーヴァウ

当舞台と同じ京都芝外回り1600mの重賞・デイリー杯2歳Sを制した馬。レース格を考えれば評価すべき1頭だが、今年の同レースは7頭立てかつオープン馬ゼロとレースレベルに疑問が残るものだった。舞台適性を考慮しつつも3着までと捉えたい。

・リリーフィールド

京都芝1400mの前走勝ち時計1分21秒2は一見すると悪くないが、当週の芝1800mで1分44秒0、芝2000mで1分57秒1が出た馬場コンディションを考えると標準とすら言い切れないレベル。未知のマイル戦でもあり、強調材料は乏しい。

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UMAJIN.netより一部編集・転載(2024年12月5日 18:00公開の記事

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。