今季のワールドシリーズで、世界一をかけて戦った大谷翔平投手(ドジャース)とアーロン・ジャッジ外野手(ヤンキース)。現役最高の打者として比較されるふたりは、「総合的な打撃力」を示す指標でもトップを争った。
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■「OPS」よりも出塁を重視する「wOBA」
ベースボールでは、近年「OPS(On-base Plus Slugging)」と呼ばれる指標が頻繁に使われる。打者の「出塁率」と1打数あたりの塁打数を示す「長打率」を合計した成績で、総合的な打撃力を評価できる。一方で、出塁よりも長打に特化した選手が高くなりがちな側面も抑えておきたい。
そこで、この問題点を修正した「wOBA(Weighted On-Base Average)」という指標が考案された。安打や四球など、出塁を伴うプレーにそれぞれ得点価値を加えて、打者が打席あたりに「どれだけチームの得点増加に貢献したか」を表している。今季のメジャー全体平均が「.310」で、目安のひとつにするといいだろう。
MLBの公式データページ『Baseball Savant』によると、今季のメジャーリーグでもっとも高いwOBAを記録したのがジャッジの「.476」で、2位が大谷の「.431」、3位がフアン・ソト外野手(メッツ)の「.421」と続く。昨季は大谷が「.433」で、2位のロナルド・アクーニャJr.外野手を抑えて全打者トップだった。
今季wOBAで.400を超えたのがジャッジと大谷、ソトに加えて、カイル・タッカー外野手(カブス)、ボビー・ウィットJr.内野手(ロイヤルズ)、ヨルダン・アルバレス外野手(アストロズ)のわずか6人のみ。今季の打撃において、もっとも得点を生み出す力に優れていたスラッガーたちだ。
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