今週は、3歳クラシック戦線を占う上で重要な一戦、第59回共同通信杯(GIII、芝1800m)が東京競馬場で行われる。
今年は、東スポ杯2歳S3着のレッドキングリーや、アイビーSを制したマスカレードボール、リスグラシューの半弟ネブラディスクに、函館2歳S覇者のサトノカルナバル、加えてカラマティアノス、リトルジャイアンツ、ショウナンマクベスといった2勝馬がしのぎを削り、春のビッグレースへ向けてどの馬が名乗りを上げるか注目だ。
そんな中、ホープフルS大敗からの巻き返しを期すマスカレードボールが今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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目次
■前走大敗は大きな減点材料
デビューから2連勝でアイビーSを制し、ホープフルSでGI勝ちを期待されたマスカレードボールだったが、大外枠や気性面での難しさを見せてしまい、後方のまま見せ場なく11着に大敗。年明け初戦は、鞍上に全国リーディングトップを走る坂井を鞍上に迎え、2戦2勝と得意の左回りで、クラシックへ向けて巻き返しを期す舞台となる。
実はマスカレードボールは、ホープフルSでも危険な人気馬に指名しており、人気ほどの高い評価を与えていなかった。アイビーSは2歳戦のコースレコード2位となる好時計で勝利していたが、メンバーに恵まれていた面がある。2着ピコチャンブラックは、続くホープフルSでマスカレードボールよりも支持され、3番人気に推されながら13着に大敗。3着シルバーレイン以下も、全馬がその後に出走しているが、1勝クラスでさえ勝ち星を挙げることができていない。
また、過去10年の共同通信杯では、複勝圏内の30頭中26頭が、前走で4着以内だった馬が占めており、前走で5着以下だった馬は【0.2.2.33】と優勝例はなく連対率も5.4%止まり。2桁着順に敗れていた馬は【0.0.2.9】と連対すらなく、基本的には前走で好走してきた馬が上位を賑わせるレース。この点は、マスカレードボールにとって懸念材料だ。
血統面では、ドゥラメンテ産駒ということもあり、東京芝1800mとは相性が良く、期待値は高いようにも思えるが、意外にもこのコースでの重賞は勝っておらず【0.2.1.11】と信頼度は今ひとつ。オープン(リステッド)でも、アイビーSでのマスカレードボールが初勝利だったように、上級クラスになると取りこぼす危険性をはらんでいる。
過去10年の共同通信杯では、1番人気が【0.4.2.4】、2番人気が【1.0.2.7】と、2番人気以内の馬がわずかに1勝で、前評判の高い馬が勝てていない。むしろ、3番人気以降の隠れた素質馬がここで開花しクラシックへ、というのが近年のトレンドだ。マスカレードボールも鞍上や血統背景、東京芝1800mでの実績など、まだまだ前評判の高い1頭。しかし、人気ほどの能力は感じられず、妙味を考慮すると、今回は思い切って「消し」でいってみたい。
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◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。