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ラブスカフニ、男泣きの稲垣啓太に笑顔で肩を貸す どんな時でも気配りと優しさを忘れない男

ラブスカフニ、男泣きの稲垣啓太に笑顔で肩を貸す どんな時でも気配りと優しさを忘れない男
(c)Getty Images

『ラグビーワールドカップ2019日本大会(W杯)』で日本がアイルランドを撃破。前回大会の南アフリカ戦に続く大物食いで再び世界を震撼させた。

自分たちの努力と信念が報われた勝利に稲垣啓太選手は涙。その稲垣選手に優しく肩を貸して笑いかけたのは、ゲームキャプテンを務めたピーター・ラピース・ラブスカフニ選手だった。

どんな時でも気配りと優しさを忘れない男

アイルランドのキックがタッチラインを割った瞬間、日本の選手たちがベンチから飛び出してグラウンドに駆け寄った。

世界ランク2位で優勝候補の呼び声も高かったアイルランドに勝利。自分たちの演じた大番狂わせに選手たちは喜びを爆発させる。

普段は感情を表に出さない稲垣選手も男泣き。過酷な合宿とテストマッチを潜り抜けてきた成果が最高の形で結実した。

感極まった稲垣選手に寄り添ったのはラブスカフニ選手だった。肩を貸しながら何ごとか笑顔でささやく。

その姿に「今大会でラピース選手のファンになりました!!」「ラピース選手、プレイはもちろん円陣での声かけでチームをまとめている姿が印象的でした」「ラピース、素晴らしいキャプテンシーでしたね」などの声が寄せられている。

ラブスカフニ選手が所属するクボタスピアーズも、公式ツイッターで「ラピース選手はどんな時でもチームメイトに気を配り、声をかける優しさとリーダーシップに溢れた男です」とその人柄を絶賛した。

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アイルランド相手でも真っ向勝負で一歩も退かず

試合では1999年大会のアンドリュー・マコーミックさん、現代表のリーチ・マイケル選手に次ぐ外国出身選手3人目のW杯日本代表キャプテンに指名され、攻守に豊富な運動量と献身が求められる7番(フランカー)で先発した。

日本の蒸し暑さに不慣れなアイルランドに対し、キックでの展開を封印してフォワード(FW)戦に持ち込んだジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)の戦略を、体を張って実行し続けた。そのことが大方の予想を裏切る試合展開に繋がった。

(c)Getty Images

日本が用意した対アイルランドの二刀流

エディ・ジョーンズ前HCの下で南アフリカを破った前回大会からの4年間で、日本代表は方針を大きく転換して別のチームを作り上げた。

前回大会の日本は自分たちがボールを保持し、相手に渡さないことで守勢に回る時間を減らすポゼッションのチームだった。

それに対してジョセフHCは相手ディフェンスラインの裏にキックを蹴る戦術に取り組んだ。これは『ストラクチャーからアンストラクチャーへの転換』と言われる。

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相手のディフェンスラインが準備万端で待ち構えているところを抜くのは難しい。それならディフェンスラインの裏にキックを蹴り、意図的な混乱状態(アンストラクチャー)を作り出して、前線の混沌を自分たちのチャンスに変えてしまおうというのが狙いだ。

この戦術で重要になってくるのは2点。相手の人数が少なく逆に自分たちは人数をかけられる場所へ正確にキックすること、キックするということはボールを手放すことなので素速く奪い返せるか。ボール奪取できなければ、ただただ相手に攻撃権を譲渡しただけで終わってしまうリスクもある。

(c)Getty Images

一方のアイルランドはストラクチャーの国だ。4年前の日本とアイルランドの違いは、相手の攻撃時間を減らすためにポゼッションした日本に対して、フィジカルが強いアイルランドはオーソドックスなラグビーで相手を征圧して得点できてしまうことに尽きる。

そのため今大会の日本対アイルランド戦には、アンストラクチャー対ストラクチャーの戦いを予想する声が多かった。

ところが実際の試合が始まると、日本はあまりキックを使わない。フィジカルに絶対的な強みがあるアイルランドと真っ向から組み合い、互角に渡り合って35分のスクラムでは勝ってしまう。

ここで恐らくアイルランドは用意してきたゲームプランの多くが破綻した。日本が予想されたアンストラクチャーなスタイルで来ず、絶対的な自信を持つスクラムやモールでも圧倒できない。

日本は磨いてきたアンストラクチャーをチラつかせながら、スペシャルプランとの二刀流でアイルランドを混乱させた

このゲームプランはFW陣の奮戦あったればこそ実現可能だった。アンストラクチャーラグビーのために繰り返してきたボール奪取の練習、世界一のフィットネスを目指して嘔吐するまで鍛え上げてきた肉体が大一番で最高の結果を生んだ。

(c)Getty Images

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