今シーズン限りでアトレティコ・マドリードを退団する、元スペイン代表FWフェルナンド・トーレス選手の移籍先に、Jリーグのサガン鳥栖が浮上している。
スペイン紙『マルカ』が報じたもので、ヴィッセル神戸入団が注目されるアンドレス・イニエスタ選手とともに、リーガ・エスパニョーラの大物選手が日本にやって来る可能性が出てきた。
トーレス選手はアトレティコの一員として、2015年にサガン鳥栖との親善試合に出場したことがある。
リーガ通算100得点も達成した元スペイン代表
アトレティコの下部組織出身のトーレス選手は、2001年にトップチームデビューを果たし、リーガで5年連続二桁得点をマークした。2000年代後半には活躍の場をイングランドに移してリバプール、チェルシーでプレーした。
2015年にアトレティコに復帰したトーレス選手は、2018年4月15日の試合でリーガ通算100得点を達成し、アトレティコで最後の試合になった最終節では2ゴールを奪う千両役者ぶりも発揮した。
“エル・ニーニョ”が止まらない👏#トーレス が #ディエゴ・コスタ の巧みなラストパスから勝ち越しゴールを決めた‼
🇪🇸ラ・リーガ最終節
🆚#アトレティコ・マドリード×#エイバル
📺https://t.co/u4BaoHbwDgでLIVE配信中#時代を変えろ #スポーツの新しい本拠地 pic.twitter.com/pKIbdXrYvI— DAZN ダゾーン (@DAZN_JPN) May 20, 2018
スペイン代表としても100試合以上に出場し、欧州選手権(EURO)やワールドカップ(W杯)制覇も経験している。
大物の来日はDAZNマネー効果?
まだトーレス選手のサガン鳥栖入りは決定したわけではなく、北米メジャーリーグサッカー(MLS)のシカゴ・ファイア入りが有力とする報道もあるが、争奪戦への参加でサガン鳥栖の名前は一躍世界に発信された。
人口7万3000人の小さな街をホームタウンとする日本の地方クラブに、世界中の注目が集まっている。
今回のオファーを実現させた背景としてサッカーファンからは、DAZNと放映契約を結んだことによる高額の分配金、いわゆるDAZNマネーの力とする声が出ている。
俺は村井チェアマン否定派だったし2ステージ制は良くなかったと思ってるけど、
DAZNマネー獲得→2100億円なんて絶対DAZNは回収できない→からのポドルスキ、イニエスタ(F・トーレスも?)とかさすがにすごいと言わざるを得ない
イニエスタ獲得はチェアマンの功績じゃないけど何かが変わり始めてる— SR (@sr2460) May 23, 2018
まだ噂段階とは言え、イニエスタが神戸にとか、トーレスが鳥栖にとか、久々にJリーグに景気のいい話が聞こえて来て嬉しい。
これもDAZNマネーにおかげなのかな、やっぱり。— そうた@鶯谷 (@optimism1121) May 23, 2018
Fトーレスも日本来るん?イニエスタも来てJリーグすごくなるな!やっぱDAZNマネーも関係あるんかな!
— matsu (@matttttttuunnn) May 23, 2018
その一方で多額の分配金を得たはずの昨シーズン上位チームに動きがなく、ヴィッセル神戸やサガン鳥栖といった中位クラブが大物の獲得に積極的なことから、親会社やスポンサーの資金力によるものという意見も多い。
トーレス師匠まじかー
DAZNマネーの影響もあるんだろうけど、楽天もサイゲームスも銭闘力がすごい— 黒いち (@kuno_ichi_ff14) May 23, 2018
イニエスタ、トーレスがJ来たらそりゃ盛り上がるけどDAZNマネーを獲得した上位陣は何しとるんや?
— Mr.T@浦和 ゼルビア 城ドラ (@dekataka48) May 23, 2018
正直daznマネーではイニエスタもトーレスも取れるレベルでは無いので、いかに金満な親会社の財布を刺激するか、ではないかと
— みよT (@Yu_197708) May 23, 2018
ポドルスキーにトーレス、イエニスタまで!やったぜDAZNマネー効果!と思ったけど、楽天とグラブルが金満なだけだった。
— えいがどろぼう (@eigadorobou) May 8, 2018
出身地のクラブへ積極的に出資
ヴィッセル神戸を運営するのは楽天ヴィッセル神戸株式会社。インターネット通販大手の楽天市場でも知られる同グループでは、野球の東北楽天ゴールデンイーグルスの運営、FCバルセロナとのスポンサー契約、ゴールデンステイト・ウォリアーズとのパートナーシップ契約などスポーツ事業へ積極的に投資している。
ヴィッセル神戸では、昨年元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキ選手のJリーグ入りを実現させ、サッカーファンを驚かせた。
中国スーパーリーグ入りが噂されていたイニエスタ選手を獲得するため、今回も巨額の年俸を用意したと伝えられている。

神戸加入が確定的なイニエスタ選手 (c)Getty Images
一方のサガン鳥栖は『グランブルーファンタジー』などを運営するゲーム会社、Cygamesと2015年7月にスポンサー契約を結んだことが追い風になっている。
楽天の三木谷浩史会長は神戸出身、Cygamesの渡邊耕一社長は佐賀出身。ともに地元のクラブへ多額の出資を行ってきた。
過去のインタビューで渡邊社長は、なぜサガン鳥栖のスポンサーになったのかと問われ、元気がなくなっていく地元を元気づけたかったと答えている。
もちろん選手を獲得するのは活躍してもらって、チーム成績を上向かせたいのが一番の理由だろう。しかし、地方の衰退が叫ばれる昨今、大物選手の獲得はJリーグが地方創生の一翼を担う方法なのかもしれない。
≪関連記事≫