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たまさぶろが独断と偏見で選ぶ2019年のスポーツ10大ニュース

たまさぶろが独断と偏見で選ぶ2019年のスポーツ10大ニュース
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2012年、Yahoo!ニュース個人に掲出して来た「スポーツ10大ニュース」も2019年で8年目。Yahoo!の契約が終了し、2016年以前のニュースはすべて消滅してしまったが、だからと言って中断するのも憚られる。

実はMSN時代も同様の企画を掲載していたのだが、それも今となってはどこにも存在しない。デジタル・コンテンツというのは、儚いものだ。

2019年のスポーツニュースと言えば、ラグビーW杯日本開催に決まっているとみなさんはお思いだろう。しかし、この記事のタイトルにもあるよう、私が独断と偏見で選ぶ。天の邪鬼の本領発揮。よって1位はラグビーW杯ではない点、あらかじめ明言しておく。

次点は2つ。

≪文:たまさぶろ●スポーツ・プロデューサー、エッセイスト、BAR評論家≫

次点 ケニアのエリウド・キプチョゲ、フルマラソン人類初2時間切り

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男子マラソンのエリウド・キプチョゲ選手(ケニア)が10月12日、ウィーンで開催されたマラソンレースにおいて、自身が持つ公認世界記録(2時間1分39秒)を上回る1時間59分40秒を記録

レースは国際陸上競技連盟(IAAF)非公認のために公式記録とならないが、フルマラソンを2時間以内で走りきった最初の人間となった

昨年の10大ニュースにて「1時間台」の可能性を示唆したが、よもやこうも簡単に実現するとは……。20キロを1時間以内で走破……もはや人間業とも思われないが、人類はいったいどこまで速くなるのか。壮大なテーマも含まれる。

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次点 PGAツアー日本初開催でタイガー・ウッズが優勝、通算最多勝記録に並ぶ

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日本初開催となったPGAツアー「ZOZO CHAMPIONSHIP」は台風18号により順延となった最終ラウンドが10月28日に続行され、タイガー・ウッズ選手が通算19アンダーで優勝。

ウッズ選手は同ツアーでの通算勝利数を82へと延ばし、サム・スニードさん(1912−2002年)に並び歴代1位タイとなった。

日本初開催の大会でウッズ選手が伝説的記録に並ぶとは、日本人としてなかなか感慨深い。個人的にはスポンサー活動の可能性も、また運営側に周る可能性があった大会でもあり、この成功に少しばかり酔った。

以下、10位からカウントダウン。

第10位 サニブラウン・ハキームが9秒97、100m走日本新記録

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陸上の全米大学選手権100メートル決勝が6月7日、米テキサス州オースティンで行われ、サニブラウン・アブデル・ハキーム選手が9秒97で3位入賞。2017年9月に桐生祥秀選手がマークした記録を0.01秒更新。日本新記録を打ち立てた。

桐生選手による「初の10秒切り」よりもインパクトに欠けるので、順位としてはこの辺りで。

第9位 渋野日向子、初メジャーで全英オープン初制覇

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ゴルフの全英女子オープンは最終ラウンドが8月4日、ウォーバーンGCで行われ、3日目に首位に立った渋野日向子選手が通算18アンダーで優勝。国外メジャー初挑戦で初優勝を達成する快挙を成し遂げた

日本人女子選手がメジャー大会を制覇したのは1977年、全米女子プロゴルフ選手権の樋口久子さん以来42年ぶり2人目

大した偉業だと感心したものの、この日を境に日本のゴルフ報道は「シブコ」一辺倒に。ご本人とは無関係ながら、メディアの取り上げ方にうんざりなので、この位置に。

第8位 霊長類最強女子・レスリングの吉田沙保里が引退

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五輪3大会連続金メダル世界選手権13連覇を果たすなど「霊長類最強女子」の異名を持つレスリングの吉田沙保里さんが1月8日、自身のSNSで引退を発表。33年の競技生活に幕を下ろした。

吉田さんは2012年、国民栄誉賞を受賞。16年のリオ五輪では金メダルを逃し、号泣する姿が日本人の心を打った。これが2019年の出来事であることを失念しがちなので、今一度取り上げたい。

第7位 ル・マン24時間トヨタが連覇、中嶋一貴は日本人初WEC総合王者に

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ル・マン24時間耐久レースは6月15、16日とフランスのサルト・サーキットで第87回大会が行われ、中嶋一貴選手、フェルナンド・アロンソ選手、セバスチャン・ブエミ選手がドライブしたトヨタTS050 HYBRID8号車優勝を飾った

世界耐久選手権(WEC)日本人初となる総合王者に。FIA主催のサーキットレースにおいても日本人が総合王者に輝くのは初。この偉業が、日本では大きなニュースとならない点は非常に残念。昨年の優勝を9位としたので、連覇は7位に格上げ。

小林可夢偉選手らを擁した7号車も2位となり、結果だけ見れば昨年とまったく同様、トヨタ1−2フィニッシュの快勝。しかし7号車は、残り1時間まで首位をキープ。タイヤトラブルにより2位に甘んじるというレースの光と影も垣間見られた。

第6位 競泳の池江璃花子が白血病で入院

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競泳の池江璃花子選手が2月12日、自身のSNSで白血病と診断されたことを公表。2月以降の競技会をすべて欠場すると明らかにし、入院治療へ。

また、12月17日にはSNSを更新、退院を報告した。血幹細胞移植により病状に改善が見られるためとされ、本人も2024年パリ五輪出場に意欲を見せている

東京五輪の主役と目されていただけに、心を痛めたファンも多かっただろう。今はご本人の全快を祈念したい。

第5位 ラグビー日本代表、自国開催W杯で初のベスト8

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2019年のスポーツニュースは年末の総集編となってもこの話題でもちきり。2015年大会で南アフリカ代表を相手に大金星を挙げて以来、ベスト8は悲願でもあった

しかし個人的には次のベスト4までたどり着けるのではないかと踏んでいただけに、少しだけ「残念」という気分があり、この位置に。

それにしても、優勝国・南アフリカにしか負けなかった日本代表に拍手を贈るべき点で満足。

第4位 ラグビーW杯日本大会、予想を覆す大成功

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2014年より日本開催に関わりを持つようになって以来、とにかく大会の成功に疑問を抱いていただけに、成功裏に終えたことは喜ばしい限り。

メディアに取りざたされるような人気面のみならず、大会の収支においても「赤字確実」と囁かれていたものが、チケットは99.3%を売上、収入は678億円。当初よりも48億円増となり、収支面でもトントンとなる見込みという。

180万枚のチケットに対し、述べ観客数は170万人超。台風によるキャンセル試合が出た事実を踏まえると、確かにほぼ完売として良い。

W杯を1位に置かない代わりと言ってはなんだが、日本代表の活躍と大会の成功……10大ニュースに2項目ランクインとした。

第3位 大坂なおみ、テニス四大大会連覇

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テニスの全豪オープンは1月26日、メルボルンのロッド・レーバー・アリーナで女子シングルスの決勝が行われ、大坂なおみ選手がチェコのペトラ・クビトバ選手を下し、2018年の全米オープンに続き、グランドスラム大会で2連勝を挙げた。

それまで男女を通じ、日本選手が四大大会を制した過去はなく、連勝するなど驚愕。ひとつ勝つだけでも快挙だが、フロックではない大坂選手の実力を如実に物語っている。

錦織圭選手のコーチとして知られるマイケル・チャンさんが四大大会を制したのは1989年の全仏。17歳3か月での優勝は四大大会を通じ男子史上最年少。今もこの記録は破られていないが、チャンさんのグランドスラム制覇はこの1回のみ(準優勝3回)。そのハードルの高さが窺える。

また、大坂選手は1月28日に発表された女子テニス協会(WTA)ランキングで日本選手として初となる1位にも踊り出た。

第2位 八村塁、ドラフト一巡目全体9位でNBA入り

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全米バスケットボール協会(NBA)のドラフト会議は6月20日、ブルックリンのバークリーセンターで行われ、ゴンザガ大学の八村塁選手がワシントン・ウィザーズより1巡目全体9位で指名された。日本選手がNBAのドラフト一巡目で指名されたのは初めて。日本バスケットボール界に新たな歴史が刻まれた。

また、八村選手は10月23日、ダラス・マーベリックスとの開幕戦に先発出場田臥勇太選手(フェニックス・サンズ)、渡邊雄太選手(メンフィス・グリズリーズ)に続き、日本人3人目のNBAプレーヤーとなった。

その活躍は、まだまだこれから……というステージながら、今後の活躍に期待を寄せ2位に。

第1位 決まっていた、イチローの引退

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たまさぶろにとって2019年の1位は、このニュース。MLB.comの日本語公式サイトに携わっていたため、MLBの開幕戦が行われる際は、招待されるケースが多い。そしてそれはこれまで常に「開幕戦」と決まっていた。

しかし今年、マリナーズ戦の案内が届いた際、そのチケットを確認すると3月21日。つまり開幕戦ではなく、開幕第2戦のものだった。最近は正面からMLBと業務に取り組むことも少なく、「そうか、優先順位が下がって第2戦になったんだな」と、勝手にそう解釈した。

ところがその日、東京ドームに到着すると、指定席はマリナーズのダッグアウトの真後ろイチロー選手がライトから走って帰ってくれば正面に、左打席に立てば、その一挙一投足を目の当たりすることができるシートだった。ほどなく共同通信から試合前に速報が届いた。「イチロー引退!」。関係者は一様に「びっくりした」と口を揃えた。しかしその時、私は悟った。

イチローの引退は、この日に決まっていたんだ」と。

MLB関係者、メディア関係者を含め、これを認める者はただのひとりもいない。だが、周辺事情を振り返る限り、そうでなければ説明がつかないことばかり。引退記者会見がその後、東京ドームホテルで行われるが、突然、ホテルのバンケットが「予約できる」など、ありえないもの。

イチロー選手の実績や記録などについては、世の中にいくらでも溢れているのでここでは触れない。しかし四半世紀に渡り日米で一時代を築き上げた打者の引退……2019年のトップニュースとして終止符を打つに相応しい。

著者プロフィール

たまさぶろ●エッセイスト、BAR評論家、スポーツ・プロデューサー

『週刊宝石』『FMステーション』などにて編集者を務めた後、渡米。ニューヨークで創作、ジャーナリズムを学び、この頃からフリーランスとして活動。Berlitz Translation Services Inc.、CNN Inc.本社勤務などを経て帰国。

MSNスポーツと『Number』の協業サイト運営、MLB日本語公式サイトをマネジメントするなど、スポーツ・プロデューサーとしても活躍。

推定市場価格1000万円超のコレクションを有する雑誌創刊号マニアでもある。

リトルリーグ時代に神宮球場を行進して以来、チームの勝率が若松勉の打率よりも低い頃からの東京ヤクルトスワローズ・ファン。MLBはその流れで、クイーンズ区住民だったこともあり、ニューヨーク・メッツ推し。

著書に『My Lost New York ~ BAR評論家がつづる九・一一前夜と現在(いま)』、『麗しきバーテンダーたち』など。

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