松田瑞生がこらえきれずに流した涙 「気持ちの整理をつけて新しいチャレンジを」

撮影:山口和幸

東京五輪女子マラソン代表の座を逃したダイハツの松田瑞生選手(24)が3月12日に福島県で開催された「東京五輪マラソン代表選手記者会見」に出席。

補欠第2選手として準備を怠らないと語りつつも、「いまだに気持ちの整理がつかない」と言葉を詰まらせた。

最後の最後で逃した代表の座

非情なシーンだった。日本陸連は3月11日から2日間の日程で、東京五輪男女マラソンをワンチームで戦う組織作りのための研修を企画。男女各3人の五輪内定選手とともに、各2人の補欠選手も招へいした。

代表選手が故障などで出場できないことに備え、8月の東京五輪マラソンのために代表と同様のコンディショニングを求めた。今回は、この意思確認も目的にあったようだ。

MGCでは前田穂南選手(天満屋)が優勝している。2位に鈴木亜由子選手(日本郵政グループ)が入って、東京五輪女子マラソン代表に内定した。

優勝候補だった松田選手はまさかの4位。最後の3枠目を争うファイナルチャレンジにかけるしかなかった。

そして大阪国際女子マラソンで松田選手が2時間21分47秒の好記録で優勝。スタート直後からペースメーカーらに並びかけるようにハイペースで先頭集団のトップをひた走り、最後は独走で設定タイム超えを果たした。

3月の名古屋ウィメンズで松田選手の優勝タイムを上回る選手がいなければ代表だった

ところがワコールの一山麻緒選手が、3月8日に行われた名古屋ウイメンズマラソンで、日本女子歴代4位となる2時間20分29秒で優勝。松田選手を超えて五輪マラソン代表の最後の座をつかんだ。

「内定とはなりませんでしたが、内定した選手と同じ気持ちで最後まで戦っていきたいと思っています」と松田選手。

東京五輪のために調整していく

この日の記者会見では、一山選手の隣に席が用意された。インタビューを受けるマイクは同じものだった。

「これから監督と相談して、自分の身体と相談しながら」東京五輪のために調整していくと語る。その表情は痛々しかった。

「最後のひと枠、設定タイムを目指して頑張ったので、日本歴代10位に入るようないい記録が出たと思います」

東京五輪代表になりたくて、夏のマラソンを常に想定してきた。練習の過程の中でそれも体現できたという手応えもあった。女子マラソンの興味やレベルが上がったこともうれしかった。

涙で言葉を詰まらせた最後の質問

研修で訪れた福島県では、円谷幸吉氏のメモリアルホールを訪問。

「いまは厚底シューズが有名だけど、円谷さんがはいていたシューズがゾウリのように薄くて、あれでマラソンを走るのかと。今では考えられなくてすごいなあという大きな衝撃を受けました」

五輪に向けての気持ちを聞かれた最後の質問に、ついに松田選手はこらえきれなくなった。

「正直なところ、まだ気持ちの整理がついていないので……」と、涙で言葉が詰まってしまう

ちゃんとスタートを。精一杯気持ちの整理をつけて新しいチャレンジを」と言葉を終わらせるのが精一杯だった。

≪山口和幸≫

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