FIFAロシア・ワールドカップ(W杯)で過去最高成績となる3位に輝いたベルギー代表。
大会前のFIFAランキングではドイツ、ブラジルに次ぐ3位につけていたタレント軍団はそのFIFAランキング通りの強さを見せつけた。
そんなベルギー代表の中でも3ゴール2アシストという活躍を見せ、注目を集めたのがベルギー代表主将のエデン・アザール選手だ。
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1991年1月7日にベルギーのラ・ルヴィエールで生まれたアザール選手は、幼いころから才能を高く評価され、フランスのリールでプレーした後にイングランドのチェルシーへ移籍した。
(c)Getty Images
身長173センチと小柄なアザール選手だが当たりの激しさで知られるプレミアリーグにも適応を見せ、倒されるときは子供のころ習っていた柔道の受け身が役に立っていると話す。
選手として最大の特徴は世界屈指のドリブル。ボールと相手選手との間に身体を入れる技術も高く、2017年2月のアーセナル戦ではハーフウェーラインからドリブルを開始して、約50メートルを単独で走りきりゴールも決めた。
今回はそんなアザール選手の経歴や私生活についてまとめた。
目次
サッカー一家の長男、弟・トルガンもベルギー代表
アザール選手の両親はともにプロサッカー選手で、父親のティエリさんはベルギー2部やセミプロチームでプレーし、母親のカリーヌさんはベルギーの女子1部リーグでプレーした。
両親の影響と教育を受けたアザール家の4兄弟は長男のエデンを筆頭に全員がサッカーをしており、次男のトルガンもボルシア・メンヘングラードバッハに所属するプロ選手で、今回のロシアW杯ではグループステージのパナマ戦とイングランド戦に出場している。
プレースタイルは高速ドリブルでサイドからのカットインを得意とする兄に対し、弟のトルガン選手はより中央でのプレーを好む。
右がトルガン・アザール選手 (c)Getty Images
ティエリさんもカリーヌさんも決してサッカーを無理強いしなかったというが、「練習場から3メートルの距離に住んでいた」という環境や、週末ともなれば兄弟の試合をはしごする両親の応援を受けて自然に子供たちもサッカーをするようになった。
このころを振り返ってティエリさんは「カリーヌが一番熱心で献身的だった」と、兄弟の進路に果たした母親の働きを語る。
天才と呼ばれた幼少期からリーグ・アン
アザール選手の才能は幼いころから周囲を圧倒していた。4歳でロイヤル・スタッド・ブレーヌというクラブの加入するが、ここでは当時のコーチが「彼はすべてを知っていた」と驚き、周りからは「才能ある選手」と賞賛されていた。
12歳のときにテュビズのユースチームに移籍したあと、アザール選手はリールからのスカウトを受けフランスでプレーすることになる。
14歳でリールの下部組織に入団したアザール選手は2年間ここで鍛えられ、16歳でフランス1部リーグ(リーグ・アン)にデビューしている。翌2008-09シーズンには、ベルギー人として初めてリーグ・アンの最優秀若手選手賞を受賞した。
リールに5シーズン在籍し、最後の2シーズンはリーグMVPを連続受賞する活躍を見せ、2010-11シーズンにはチームを優勝させている。
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チェルシーで世界トップクラスの選手に成長
リーグ・アン最高の選手に成長したアザール選手にステップアップの時期がやってくる。
彼の才能に目を着けたイングランド・プレミアリーグの強豪クラブから複数のオファーが舞い込み、アザール選手は次の所属先を決めることになった。
マンチェスターの両クラブも参加した争奪戦を制したのは、昔から追いかけ続けてきたというチェルシーだった。
2012-13シーズンにデビューすると加入当初から主力として活躍し、初年度から期待に違わぬプレーを見せ続けた。
そして2014-15シーズンにはリーグMVPを獲得する活躍で、チェルシーに5年ぶりのリーグ優勝をもたらした。
プレミアリーグでは6シーズンで208試合に出場して69ゴールを挙げ、ベストイレブンに4度選出される活躍でトッププレイヤーの仲間入りを果たした。
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名監督たちからも称賛を受ける
サッカー界で大成功を収めた名監督たちもアザール選手を称賛している。
チェルシーを率いてともにプレミアリーグを制したジョゼ・モウリーニョ監督は、2015年に「アザールはイングランドでも最高の選手だ。プレミアリーグは世界最高レベルの競争が行われているリーグだが、そこでも私は彼がトップの選手だと思う」と高い評価を与えた。
また、その能力は「リオネル・メッシ、クリスティアーノ・ロナウドとともにTOP3を形成する域にある」とも話している。
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アザール選手が少年時代に憧れたと話すジネディーヌ・ジダン監督も、「彼の振る舞いや試合を決める力など、フィールドで見せるすべてのことが好きだ」と絶賛した。
14歳で出会った女性と結婚、夜遊びより家族で行くディズニーランドを好む
私生活では2012年に21歳でナターシャさんと結婚している。2人の出会いは同じ学校に通っていた14歳のときで、2010年には長男も生まれていた。
この年はアザール選手がフランスを離れイングランドでの挑戦を開始した年でもあり、キャリア上の大きな変化がきっかけになったのかもしれない。
2015年に英国のタブロイド紙『The Sun』は、少年時代からの恋人と結婚したアザール選手について、「ほかのプレミアリーグの選手のように彼をナイトクラブで発見することはできない。週給17万5000ポンド(約2550万円)を得て女性ファンの人気も高いが、彼は妻や子供たちとディズニーランドに行くことのほうを好む」と紹介した。
夫妻の間には3人の子供も生まれ家族仲は良好だが、ナターシャさんと子供たちは一般人であるため、プライバシーに配慮してかSNSに登場させることはない。
サッカー以外ではNBAの熱狂的なファン
サッカー以外でアザール選手が愛するスポーツはバスケットボールだ。特にニューヨーク・ニックスのファンとして知られ、お気に入りの選手はカーメロ・アンソニー選手。
NBAの試合がロンドンで開催されたときは会場に足を運んで観戦した。
2018年1月には、ヒューストン・ロケッツのクリント・カペラ選手をオールスターゲームに出場させようと、インスタグラムでファンに投票を呼びかける行動も見せた。
岡田准一さん似?日本のファンからもイケメンとの声
ベルギー代表のキャプテンを務めるアザール選手には、日本のファンからもイケメン選手との声が多く寄せられている。
端整な顔立ちで海外でも人気の高いアザール選手だが、過去に日本のファンからはタレントの岡田准一さんに似ていると言われていた。
眉毛の形や何かを力強く見るときの目の鋭さが似た印象を与えるのかも知れない。
4年後のカタールW杯で悲願の初優勝を目指す
卓越した才能をチェルシーで伸ばし、世界トップクラスのアタッカーに成長したアザール選手は、大会を通じて長所である鋭いドリブルと加速力でアタックを仕掛け続けた。
惜しくも3位という結果に終わったが、ベルギー代表が見せた高速カウンターや試合展開に心を打たれた人も多い。
アザール選手自身も今夏にはかねてからファンだと公言していたスペインの名門レアル・マドリードへの移籍も噂され、ユベントスへ移籍したC.ロナウド選手の後釜として期待されている。
準決勝でフランスに敗れた悔しさをバネに、ケヴィン・デ・ブルイネ選手、ロメル・ルカク選手など4年後も楽しみなタレントが豊富なベルギー代表として、カタールの地で悲願の初優勝を目指す。
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