南谷真鈴が抱く宗教観とは…愛に溢れる「幸せのメンタル」【#3】

「南谷真鈴」。日本人最年少で世界7大陸最高峰を制覇。「エクスプローラーズ・グランドスラム」達成の世界最年少記録を樹立。並の記録ではない。

どういった感覚で日々生きているのだろうか。本人の哲学にも迫った。(聞き手、撮影は大日方航)

【#1】はこちら⇒日本人最年少で世界7大陸最高峰を制覇した南谷真鈴、まだ登りかけの山がある?【#1】

【#2】はこちら⇒「マニアック」になれることを探して…南谷真鈴がレッテル貼りを好まない理由【#2】

「自分の絨毯を作る」

「自分の絨毯を作っていく、という感覚で生きています」

南谷さんがおもむろに発したその言葉は、私を引き付けた。

人生はストーリーであり、自分が塗っている作品である、と。どのようなストーリーにしたいのかは常に考えています。今のタイミングだったらこれがいいんじゃないかとか、これをやりたい、といったように。できるだけカラフルな作品に仕上げたいんです」

早稲田大学の現役の学生でもある南谷さん。一般の大学生は、「今、何かをやらないといけないという考えに染まり、ある枠の中で日々生活しているのではないか」と指摘する。

「大学に行って、勉強したら終わり。それ以外はバイトやサークル、就活の準備。でも、彼らにもやってみたいことはたくさんあって、でもそれをやってみようと思っていないように見えるので残念。色々なことにチャレンジしてもらいたいし、フォーカスすればなんでもできることを示したい

自身が抱く宗教観山で祈る対象は何?

「ミッション」この言葉を、南谷さんのインタビューなどで見かけることがある。

海外へキリスト教を布教するときもこの言葉が使われたことや、私が過去フィリピンに滞在していた時に、現地の友人がしばし「ミッション」と語っていたことから、ある種南谷さんもそうしたキリスト教の考え方の影響を受けているのではないかと感じていた。

「私自身は私のことを『クリスチャンではない』と言っているのですが、最近どんどん自分がクリスチャンなんじゃないかって思うようになってきました。やはり世界で2000年間ベストセラーである聖書だけあって、読めば読むほど、すごく響く、学ばされる普遍的な何かがある。(クリスチャンと)100パーセント言えるかはわからないですが、そのイデオロギーみたいなものに沿って生きている気はしますね

最初に聖書に触れたのは、奇しくもちょうど山を登り始めた時期だった。南米大陸最高峰の、「アコンカグア」に登る際、友人から「お守りに」とプレゼントされた。

アコンカグア (c)Getty Images

「その時は(聖書を)全く読まなかった。余計に重いものをただ持っている、みたいな感覚でした(笑)」

しかしながら、世界各地の山を登っていく過程で、「極限の状態になれば祈っている自分」に気づいたのだという。

「常に山では祈っている自分の姿があった。ベースキャンプでも天気が良くなりますようにと祈っているし、嵐が吹いたら嵐が止みますようにと祈る。『あれ、私こんな祈る人だったっけ』と思い、ふと聖書を手にしてみたら、『なんだ、この面白い本は』って思ったんです」

祈る、ということだが、登山時に祈っている対象は何なのだろう。それは、唯一神である何らかの存在に対してなのか、それともアニミズム的な信仰なのか。

「祈っている対象は、大自然というか、宇宙の働きみたいなものです。なんというか、すごく強く願っていると絶対に叶うんですよ。確実に、願いというもののパワーがあると思っています。願いを持っていれば、グーンと人は前に進むんだなあ、と

続けて、登山を通して聖書に触れてきた南谷さんなりの解釈を教えてくれた。

「現時点での私の解釈ですが、聖書に登場するイエス・キリストは本当に何も罪を犯さず生きた人の『シンボル』であって、キリスト教の教えは彼の足跡を追っていくことによって神に近づくことなのではないかと感じています」

「罪も犯さずにいいことだけしている人を真似て、その人の足跡を辿って生きていけば、どんどん自分もより良い人になるし、彼のように愛に溢れているような生き方ができれば自分も『幸せのメンタル』みたいなのものを持つことができる

正直に生きて、嘘はつかず、人を騙さず、悪口は言わない。そういう生き方は確実に正しいというか、私もそのように生きることを心がけています。とても当たり前のことですが」

【#4】に続く

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《大日方 航》

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