キミは「スーパー・ドローン・チャンピオンシップ」を観たか…… 第2回SDCを14歳が制す

100km/hで飛び回るレース用ドローンの軌跡

いよいよ、日本でもドローン・レースが市民権を得る時代がやって来た。

そう考えたのは、私だけではなかったのではないか…。

3月21日(日)テレビ東京において「スーパー・ドローン・チャンピオンシップSDC)が地上波でオンエアされた。SDCは昨年に続き2回目の開催、日本最速のドローン・パイロットを決める大会を現地に足を運ぶことなく、地上波オンエアにて目撃できた……この点は、日本のドローン・レース界においてはターニングポイント足り得るからだ。

◆昨年の王者が初戦敗退、波乱の幕開けに

最年少でチャンピオンとなった上関風雅(中央)

撮影用、作業用としてすっかり市民権を得たドローンではあるものの、自由に飛び回る「レース」ともなると、規制大国・日本ではまだまだ市場整備の課題が山積みとなったままだ。アメリカ、ヨーロッパ、中国などでは「未来のスポーツ」として脚光を浴び、すでにレース・カテゴリーとして確立されつつある。

■ドローン・レース市場は欧米、中国が先行

アメリカでは「ドローン・レーシング・リーグ」(DRL)が確立され、米3大ネットワークのひとつNBCがオンエアを司り、BMWSWATCHTwitterなどがスポンサーとして名を連ね、驚くべきことに米空軍、はたまた戦闘機メーカーのロッキード・マーチンまでもがパートナーとなっている。ヨーロッパでは、「レッドブル」がメインスポンサーとなり、ドローン・チャンピオンズ・リーグDCL)を開催。日本初のプロ・ドローン・パイロット・チームRAIDEN」も参戦して来た。

残念なことに、昨年からの新型コロナウイルス蔓延により、こうした世界的なレースはほぼすべてと言ってよいほどキャンセルの憂き目に遭っているがしかし、ITCおよび通信網の発展により、シミュレーターを活用したオンラインによるレースが世界で繰り広げられている。

ドローン・パイロットはヘッドマウントのアイウェアを装着、ドローンに搭載されたカメラから送信される映像を観ながら操縦する。パイロットは自身がドローンに乗り込んでいるかのような疑似体験をもとに操作。これをFirst Person ViewFPV)と呼んでおり、モータースポーツの最高峰F1の中継で観られるオンボード・カメラを介し、操縦していると想像してもらえれば理解しやすいはずだ。

■欧米と比較し厳しい規制大国・日本

日本でもドローン・レースの機運は高まっているものの、日本的な規制が立ちはだかる。「どこでも手軽に」ドローンを飛ばすことは許されないため、練習場はそこかしこに点在するものではない。また、電波法の問題も大きい。電波を使用し映像を送信するFPVを実現するためには、電波法に則る必要があり、日本ではアマチュア無線の免許が必要となる。小学生でも操縦できるドローンながら「免許が必要」となれば、「誰もが参加できる」とはいかない。

ドローン・パイロット育成は難しい課題を抱えている。RIDENの母体DRONE SPORTS代表、小寺悠も「DCLでも通用するドローン・パイロットが日本ではなかなか育たない。競技人口を増やすためにも、規制緩和が必要」と吐露する。100km/h以上の飛翔体を無軌道にコントロールするドローン・レースでは、eスポーツ同様、鋭い反応速度が要求され、成人してからプロのパイロットを目指すのは厳しく、若年層からの英才教育が必要とされるからだ。

そんな事情の中でも昨年に引き続き、日本最高峰のレースSDCは第2回が開催され、そのレースが地上波でオンエアされた意義は大きい。

第2回SDCが開催され、地上波で放送された

NTTぷららNTTドコモは、ドローン・レースの可能性について数年前から本格的にビジネス化を想定しており、スポンサーとして支援、今回の地上波オンエアもまさにその延長線上にあると捉えてよいだろう。

日本チャンピオンを決める大会」に挑んだ戦士たちは8名。前回同様8名によるノックダウン、トーナメント方式で開催された。他のドローン・レースと異なり、本チャンピオンシップで用意されたコースは、素人にとってドローンを一周させるのも難しいとして過言ではない。

カメラ映像を覗きながら、時速100kmで飛び回るドローンを遠隔各操作する。しかも今回初めて気づいたのだが、パイロットに届けられる操作用のカメラ画像は、今流行りの4Kなどクリアなものではない。電波状況による乱れ、またはかすみなどノイズが混じったままの画像をもとに、100kmで飛び回る機体をコントロールしなければならない。生で目撃する機会があれば、驚くだろう。

今後5Gによる高速通信網が整備されれば、鮮明になったパイロットの視覚映像もテレビに届けることができる。それがドコモの狙いでもあり、大手ドローン・メーカーDJIもすでに5G対応のドローン制作に着手していると伝えられている。

欧米の大会、または普段の練習では、明るい昼間にコース設定されているのが常ながら、本大会では、コース上の照明に照らし出される真っ暗なアリーナ内を飛ばすという、普段とはまったく異なる環境ゆえ、レースの難易度は格段にアップ。それが日本最高峰のレースとされる所以でもある。


この記事が気に入ったらフォローしよう

最新情報をお届けします