【ヴィクトリアマイル/追い切りジャッジ】グランアレグリアとレシステンシアを上回る「S」評価、好勝負の可能性十分

NHKマイルCは理想的な調整過程。出来の良さがヒシヒシと伝わってくる。文句なしの状態」と【S】評価したシュネルマイスターが接戦を制して優勝。僅差の2着が「状態は申し分なしだ。反撃必至」と「穴馬プラスワン!」にピックアップした7番人気のソングラインと好結果でした。

さて今週は東京GIシリーズの第2戦、古馬牝馬のマイル女王決定戦・ヴィクトリアマイル。このレースで有力視される馬の中間調整と最終追い切りのジャッジをお届けします。

穴馬プラスワン!」として調整面から狙える伏兵馬もご紹介。どうぞご参考になさってください。

◆【穴馬プラスワン!】ラストの仕掛けには“待ってました”の反応、器の大きさは底知れないと絶賛する「A」評価の大穴馬とは……

■グランアレグリア

【中間調整】“3階級制覇”を狙って出走した前走・大阪杯は5番手で流れに乗るも、直線で伸びあぐね4着まで。距離不適もあったが、それ以上に極端に悪い馬場に泣いた部分が大きかっただろう。負けて強しだった。その後短期放牧を挟み、4月28日に美浦へ帰厩。ヴィクトリアマイル一本に目標を置き、調整されてきた。しばらくは坂路とコースで15-15を消化し、1週前追いにあたる5月5日のウッドコース併せ馬が中間初めての速い時計。杉原騎手を背に古馬2勝クラスを追走すると、仕掛けを遅らす余裕を見せながら最後はあっさり取り付いて併入に持ち込んだ。

【最終追い切り】1週前の動きは申し分なく、C.ルメール騎手が騎乗した最終追いは操縦性と反応の確認程度。気負いなく先行相手との差を詰め、残り1Fあたりでまだ2馬身ほど後ろにいたが、そこからさらにギアを上げ最後は半馬身先着。全体時計はそこまで派手ではないが、直線の雰囲気は上々と言えた。

【見解】結局速い時計は1週前とレース当週だけだった。今年2回使われており、イチからの鍛え直しは不要。放牧での緩みがないことさえ確認できれば、あとは微調整に徹すればOKということだろう。実際、息遣いや反応面は過去2走と比べれても遜色ないものがある。しかし、併せ馬での気迫は微妙に物足りなさを感じるところ。この状態でも今回の相手関係なら勝ち負けして当然だが、万全というにはあとひと息か。

総合評価「B」

■レシステンシア

【中間調整】阪神JF、阪急杯をレコード勝ちするなど高速決着向きのタイプだが、重馬場で行われた前走・高松宮記念ではクビ差の2着に入れたのは高い地力ゆえだろう。その後は放牧で疲れを癒していたが、当初予定していた4月25日の香港・チャンピオンマイルは回復の遅れからパス。ヴィクトリアマイルに目標をスライドし、4月23日に栗東へ戻っている。初時計だった25日の坂路15-15で素軽く動けており、28日は馬なりで坂路4F52秒2をマーク。大事を取って香港は見送ったが、疲れからは順調に回復したようだ。1週前追いは桜花賞以来のコンビ結成となる武豊騎手が騎乗し、反応を確認。“マイル仕様”ということか序盤はセーブし、ラストはさすがの迫力で溜めた脚を弾けさせた。

【最終追い切り】まったくの馬任せながら高回転のフットワークで序盤からスピードに乗っていくと、ラストは自分からギアを数枚パパッと上げ、、迫力ある切れで駆け抜けた。常に坂路追いで速い時計を出してきた馬だが、序盤は絶妙に行きたい気持ちを抑え、ラスト1Fは自己最速の11秒7(馬なり)。4F全体52秒9はこの馬としては平凡だが、ラップにメリハリをつけられたことが大きい。

【見解】疲れが抜けず香港を見送ったが、そんなことをまったく感じさせない帰厩後の動き。極端に速い時計はないものの、今年の2戦で体は仕上がっているし、距離延長のレースを走るにあたっては不要ということだろう。最終追いは前向きさと控える気持ちとか、しっかり馬自身のなかで折り合えていたような雰囲気。ちょうどマイルで走りやすい精神状態にまとまっている。好態勢。

総合評価「A」

■テルツェット

【中間調整】前走は自身重賞初挑戦だったダービー卿CT。出遅れて後方からとなったが、大外から長くいい脚を使ってあっさり差し切りオープン初戦で勝利を収めた。その後は放牧。華奢でダメージが残りやすいタイプだが、4月中旬の時点で問題なしと判断され30日に美浦へ戻っている。5月2日にウッド15-15で帰厩後の初時計。そして5日にウッドで1週前追いを行ったが、大きく先行させた準オープン馬へグイグイと伸びて食らい付き、併入に持ち込んでいる。そこまで数字面に派手さはないが、相手を射程圏内に入れてからの集中度合いは格別だった。

【最終追い切り】1週前と同じ相手を追い掛けるウッドコース併せ馬。相手は前週ほど負荷を掛けられておらず、相対的に楽なペースの追走となったが力みなどはなく、適度に抑えの効いた雰囲気で詰め寄ると促した程度で測ったように併入へ持ち込んだ。

【見解】帰厩後の本数、負荷は少ないが小型で仕上がりに手が掛からないタイプ。先週、今週と十分すぎる気迫を見せており気持ちの面は相当良好なようだ。くわえて、これまではポリトラック追いを挟んでいた調整過程だが、今回はすべてウッドコース追い。身体面の充実も如実に感じられるところで、文句なしの状態と言える。前走からの斤量増がどうかだが、好勝負の可能性十分。

総合評価「S」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。


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