【日本ダービー/騎手データ】エフフォーリアの横山武は東京芝2400mわずか1勝、連対率30.4%を誇る“府中の鬼”とは

 

【日本ダービー/騎手データ】エフフォーリアの横山武は東京芝2400mわずか1勝、連対率30.4%を誇る“府中の鬼”とは

5月30日は東京競馬場で日本ダービー(GI、芝2400m)が行われます。

昨年はコントレイルが15年ぶり、父ディープインパクト以来となる無敗で牡馬2冠の座に輝きました。今年は無敗で皐月賞を制したエフフォーリア(牡3、美浦・鹿戸)が、同じく無敗で戴冠を狙います。果たして2年連続で無敗の牡馬2冠馬が誕生するのでしょうか。

同馬に跨るのはデビュー5年目の横山武史騎手。先週のオークスでご紹介した吉田隼人騎手と重なる部分がありますが、過去の日本ダービーで人気馬に騎乗した経験はありません。

そのため先週と同様に東京芝2400m戦の過去データを交え、騎手データを細かく見ていきます。

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■日本ダービーでは戸崎、横山典、ルメールが好成績

まずは2000年以降の日本ダービーの成績データを基に、今年の日本ダービーに乗り鞍がある騎手の成績を表にまとめています。

[2000年以降]日本ダービーの騎手別成績

このデータを見ていくことで、日本ダービーを得意としている騎手がはっきり浮かんできますね。

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日本ダービーの過去データから着順と人気のバランスに加えて連対率も優れていると判断できるのが戸崎圭太騎手、横山典弘騎手、C.ルメール騎手の3名です。

戸崎圭太騎手は過去勝利こそありませんが、2018年のエポカドーロ(4番人気2着)、2019年のダノンキングリー(3番人気2着)と、実は騎乗機会連続連対中です。ダノンキングリーではロジャーバローズにクビ差まで迫っており、日本ダービーでの勝負強さに注目。今年はグレートマジシャン(牡3、美浦・宮田)に騎乗します。

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横山典弘騎手、C.ルメール騎手も優秀です。横山典弘騎手は2009年のロジユニヴァース(2番人気)、2014年のワンアンドオンリー(3番人気)の2頭をダービー馬に導きました。また、2017年は14番人気のマイスタイルで4着に逃げ粘り、人気薄に騎乗していても怖い存在です。

C.ルメール騎手は2017年のレイデオロ(2番人気)で日本ダービーを優勝。2015年のサトノクラウン(3番人気3着)、2016年のサトノダイヤモンド(2番人気2着)とあと一歩の競馬もありましたが、文字通り3度目の正直でビッグタイトルを獲得しています。C.ルメール騎手は、全ての騎手の中で最も高い連対率40%を誇ることから、これくらいの着順の落ち込みは許容範囲でしょう。なお、横山典弘騎手はレッドジェネシス(牡3、栗東・友道)、C.ルメール騎手はサトノレイナス(牝3、美浦・国枝)に騎乗します。

一方、過去データという括りでは判断不能なのが圧倒的な人気を背負うエフフォーリアに騎乗する横山武史騎手。過去の日本ダービー騎乗は2019年のリオンリオン(6番人気15着)1鞍のみです。サンプル数が少ないため、これだけで「乗れていない」と判断することはできません。

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■川田に警戒、横山武は買いづらい

ここからは2000年以降の東京芝2400m戦の成績データを基に、今年の日本ダービーに乗り鞍がある騎手の成績も見ていきましょう。このデータを見ていくことで横山武史騎手の東京芝2400m戦の良し悪しが分かるかもしれません。

[2000年以降]東京芝2400m戦の騎手別成績

先週のオークス時と重なることをご了承いただければと思いますが、着順と人気のバランスが優れ、連対率も優秀なことから、真っ先に取り上げるのが川田将雅騎手です。

同じような人気を背負う田辺騎手よりも6%以上連対率が高く、より人気馬に騎乗する機会が多い、横山典弘騎手や武豊騎手以上の連対率を残せているのは見逃せません。今年の日本ダービーではヨーホーレイク(牡3、栗東・友道)に騎乗します。

一方、横山武史騎手のデータは何とも微妙なものになってしまいました。人気馬に騎乗する機会が少ないこともありますが、このデータから着順と人気のバランスが優れていると判断することはできません。寧ろ東京芝2400m戦を苦手としている証拠かもしれませんね。

■東京芝2400mでは戸崎、ルメールに注視

そして日本ダービーのデータ紹介でも取り上げた戸崎圭太騎手、C.ルメール騎手はここでも上々のデータを確認できました。C.ルメール騎手はやや着順が落ち込む傾向にあるものの、48.3%という驚異的な連対率を思えば許容範囲と言えるでしょう。

さて、今回は2つの異なる騎手データを見ていきましたが、ともに優れた数値を示す戸崎圭太騎手をデータ注目騎手としてピックアップします。同騎手が跨る以上、前日14時段階で4番人気のグレートマジシャンを軽視するのは危険ですね

横山武史騎手は、東京芝2400mという舞台で本当に悩ましい存在です。昨年、今年と東京よりも中山の方が連対率が高い傾向もありますから、騎手データを重視する場合はバッサリと切ってしまうのが正解かもしれません。

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■日本ダービー2021予想コラム一覧

▼穴馬予想
◆【前編・有力馬】“1強ムード”がエフフォーリアを後押し、サトノレイナスと毎日杯組2頭は低評価

◆【後編・穴馬】10番人気以下に潜む“盲点”、皐月賞敗退組の巻き返しで「一角崩し」を狙う

▼データ予想
◆【前編・有力馬】エフフォーリアとサトノレイナス、人気馬2頭の明暗を分ける「100%データ」とは?

◆【後編・穴馬】前走上がり最速の脚も完敗の穴馬、強力データが示す「6-1-1-0」の“買い”要素

▼追い切り予想
◆【有力馬】エフフォーリアを上回る「S」評価、前走激走の反動皆無「心肺機能は文句なし」

◆【有力馬】サトノレイナスは辛口評価「B」、ゴーサインにギア上げず「精神面に一抹の不安」

◆【有力馬】エフフォーリアは2番手評価「A」、動き上々も回復に若干手間取ったか

◆【穴馬】前走完敗の伏兵に「A」評価、稽古駆けするOP馬を圧倒「「闘志満々」

▼その他、データ傾向
◆【過去10年データ/枠順傾向】エフフォーリアの1枠は最多3勝の“絶好枠”、サトノレイナスは連対率わずか3.3%の“鬼門”8枠

◆【過去10年データ/人気傾向】2番人気は勝率「10%」、1・2番人気ワンツーは過去10年で昨年のみ

◆【過去10年データ/前走ローテ】エフフォーリア、二冠達成の確率は「30%」 無敗でも過信は禁物

著者プロフィール

伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部

秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。