【プロ野球】新人王候補のオリックス・宮城大弥、データで見る好調の要因と課題

オリックス・宮城大弥が、9日の巨人戦に先発し、7回二死まで“ノーノー”を続ける快投を披露。岡本和真にソロホームランを浴び、大記録達成とはならなかったが、打たれたのはこのヒット1本のみで、自己最多となる13奪三振で巨人打線を封じ、今季6勝目を飾った。今やオリックスの投手陣を引っ張る19歳の若きサウスポー。その好調の要因はどこにあるのか。データを元に紐解いていきたい。

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■最もヒットを打たれにくい投手

宮城はオリックスのみならず、すでにリーグを代表する投手に成長している。9日を終えた時点で、6勝1敗、防御率2.31の成績は、勝利数、防御率ともにリーグ2位。勝率.857、奪三振率9.90、WHIP(投球回あたりの与四球・被安打数の合計)0.84はそれぞれリーグ1位の成績で、このまま順調に試合を重ねれば、タイトル獲得も十分期待できる。

特筆すべきは被安打率の低さ。今季10試合の登板中、もっとも多くヒットを打たれたのが、5月18日ロッテ戦の6安打で、10試合中8試合が4安打以下に抑える好投。規定投球回数以上の投手の中で、宮城の被安打38はダントツの少なさでリーグ1位。投球回数に違いはあるものの、2位の上沢直之(53)より大幅に少ない。

そして、被安打率.164は、同じくリーグ2位の上沢(.204)を大きく引き離して1位、セ・リーグ1位の柳裕也(.179)の数字も上回っており、両リーグを通じて、最もヒットを打たれにくい投手なのだ。

また、宮城の投球スタイルは、全体の約45%を占めるストレートに、約30%のスライダーで組み立てるピッチング。そして、右打者には主にチェンジアップ、左打者にはカーブを織り交ぜてバッターを牛耳る。150キロを超える剛速球こそないものの、“魔球”と呼ばれる切れ味鋭いスライダーがバットの空を切らせる。どの球種でも被打率は2割を切っており、打者にとっては攻略するのに厄介なピッチャーだ。

■接戦、終盤で粘り強い投球ができるかがカギ

そんな宮城にも、課題は残されている。得点圏被打率の悪さだ。ランナーなしの場面では、.101と抑え込めているのに対し、得点圏では.308と、ランナーがいる場面で痛打されるケースが目立つ。特に同点時での得点圏被打率は.417と、勝ち越し打を許す確率が高くなっており、接戦時のランナーがいる場面で、いかに踏ん張れるかがカギとなるだろう。

また、イニング別の被安打数と失点は以下の通り。

オリックス・宮城大弥のイニング別の被安打と失点

全体的に数字は低いので、内容は合格点なのだが、球数が多くなる終盤になるほど、安打を打たれて失点するケースが目立ってくる。特に、自身の最終イニング(5、6、7回など)での失点は、10試合中7試合と、最後に息切れして降板、というシーンが多い。これらを考えると、スタミナ強化と終盤での粘り強さが、さらなる精度を高めることになるはずだ。

チームトップの勝ち星で、エース・山本由伸とともに投手陣を引っ張る存在となった若き左腕。球界の盟主・巨人から白星を挙げ、あとは、今季2試合を投げて、いまだ勝ち星のないロッテ戦と、プロ入り後、まだ登板のないソフトバンク戦で勝利を得られれば、さらなる自信と飛躍へつながるはずだ。5月からチームの状態は上がってきており、61試合を消化して26勝27敗8分けで、勝率5割復帰が目前。オリックスの上位浮上へ、宮城の投球に寄せる期待は大きい。

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文・SPREAD編集部


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