【東京五輪/ソフトボール】日本代表、13年越しの連覇なるか 最大の障壁は“二枚看板”擁する米国

今大会でも大車輪の活躍が期待されるベテラン・上野由岐子(C)Getty Images

23日、いよいよ東京五輪が開幕を迎える。全競技に先駆けて開会式2日前の21日に、福島県福島市のあづま球場で始まるのが、3大会ぶりに追加種目として実施されるソフトボールだ。

2008年の北京五輪で金メダルを獲得した日本は、当時のエース上野由岐子や、キャプテンの山田恵里らがチームをけん引し、自国開催で再び頂点を狙う。ここでは、ソフトボールの見どころ、日本代表、ライバル国について紹介していきたい。

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■バッターの体感速度は160キロ超え

まずはソフトボールについて簡単におさらいしていこう。野球から派生したソフトボールは、基本的なルールは野球と同じ。だが、塁間の距離は野球(27.431メートル)よりも短い18.29メートルで、野球のマウンドにあたるピッチャーズサークルの中心にある投手板からホームまでの距離は、野球(18.44メートル)より約5メートル短い13.11メートルとなっている。

ボールは円周約30センチと野球よりかなり大きい。投手は下手投げだが、世界のトップ選手は時速100キロを優に超え、野球に換算すると、体感速度は約160キロに達するとも言われている。

イニングは7回までで、延長8回以降は無死二塁から始まるタイブレーカーを採用。スタメンで出場した選手は一度交代しても再出場できたり、投手が投げるまで走者は離塁できないなど、独自のルールも存在する。

チームは15名の選手で構成。今回の東京五輪では6チームが出場し、予選ラウンドは総当たり戦で順位を決定。その後、1、2位チームが決勝、3、4位チームが3位決定戦に進みメダルを争う。

■日本はエース上野、キャプテン山田が中心

1996年のアトランタ五輪から正式競技として採用されたソフトボール。日本はこれまでに、96年アトランタ4位、00年シドニー銀、04年アテネ銅と、あと一歩のところで苦汁をなめてきたが、08年北京で悲願の金メダルを獲得。今回は13年の時を経て、2大会連続の金メダル獲得を目指す。

注目はエースの上野。08年北京では、準決勝の米国戦、決勝進出決定戦の豪州戦とダブルヘッダーを1人で投げ抜き、翌日、米国との決勝戦も完投して、金メダルに大きく貢献。2日間で3試合計413球を投げ抜き、“上野の413球”と語り継がれる熱投は、この年の新語・流行語大賞審査員特別賞を受賞した。

開会式前日に39歳の誕生日を迎える大ベテランだが、まだまだその投球にかかる期待は大きい。19年4月に打球を顎に受け、下顎骨骨折も8月には代表に復帰。19、20年と、所属するビックカメラ高崎を日本リーグ優勝へ導く活躍を見せ、世界に通用する速球と多彩な変化球は健在だ。

チームを精神面で支えるのは、“ソフトボール界のイチロー”とも言われるキャプテン山田。08年北京では、決勝の米国戦でホームランを放つなど、攻守でチームを金メダルに導いた。その経験を、今回は若い選手の見本となり、チームを引っ張る役目を果たしたい。

そのほか、大谷翔平ばりの投打二刀流での活躍が期待される藤田倭や、北京経験者の捕手、峰幸代など、投手3人、捕手3人、内野手5人、外野手4人の布陣で戦う日本代表。18年の世界選手権では銀メダルを獲得し、その後も、国際試合や強化合宿を重ねて、13年ぶりの頂点を目指す。

■米国の投手二枚看板は脅威

最大のライバルは、北京以前の3大会全てで金メダルを獲得している米国。注目は、キャット・オスターマンモニカ・アボットの投手二枚看板。オスターマンは15年に一度引退している金メダリストだが、08年北京、日本戦で敗戦投手になっており、今回はそのリベンジを果たすべくカムバックしてきた。

長身左腕アボットは、09年に来日して、日本リーグ・トヨタ自動車でプレー。日本リーグ3連覇を含む6回の優勝に貢献し、数々の個人タイトルも獲得した絶対的エース。そんな彼女も、世界選手権では3度の優勝を経験しているが、唯一手にしていないのが五輪の金メダル。今回の東京五輪では並々ならぬ意欲を持って臨むはずだ。

打線もバレリエ・アリオトを中心に強打者がズラリと並ぶ。18年の世界選手権で日本は決勝で対戦し、延長戦の末に上野が打ち崩されて敗れており、米国撃破=金メダル獲得といっても過言ではない。

■侮れない豪州、余裕をもって決勝進出を決められるか

21日の初戦、オーストラリア戦が最初の関門。過去4大会全ての大会でメダルを獲得している強豪で、日本リーグ・2部でプレーしているステーシー・ポーターカーヤ・パーナビーが投打の中心だ。

過去全ての大会で、日本のメダル獲得に大きな壁となって向かってきたのがオーストラリアで、96年アトランタは3位決定戦で敗戦、04年アテネでは敗者復活戦で対戦し、決勝進出を阻まれるなど、何かと因縁のある相手。今回で3大会連続初戦で対戦することになり、過去2回は1勝1敗。まずは、初戦に勝利し波に乗りたいところだ。

日本は予選の総当たり戦で、米国とは26日に対戦する。翌27日が決勝戦とあって、順当に決勝まで駒を進めれば、2日連続で米国と戦うことが予想される。そこまでの4試合で決勝進出を決めておき、予選の米国戦で体力を温存、翌決勝戦を全力で立ち向かう、という展開に持ち込めれば、2大会連続の金メダル獲得にグッと近づくはずだ。

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文・SPREAD編集部


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