WBO世界スーパーフライ級チャンピオン、井岡一翔の3度目の防衛戦が9月1日、大田区総合体育館で開催される。挑戦者は同級2位のフランシスコ・ロドリゲス・ジュニア(メキシコ)。昨年大晦日の田中恒成戦以来となる指名試合を、ここでじっくりと展望してみたい。
◆「井岡一翔vs.ロドリゲスJr.」9月1日 両者の戦績、試合結果、中継情報一覧
■ロドリゲスは6年ぶりの世界挑戦
井岡の戦績は26勝(15KO)2敗。日本人唯一の4階級制覇王者で、世界戦17勝も自ら更新中の日本記録だ。井上尚弥と並ぶ、我が国を代表する現役チャンピオンといって間違いないだろう。
井岡のもっとも優れている点は、ボディバランスと防御技術。田中恒成との一戦は、ディフェンスの差が勝敗を分けたとしていい。きれいなオーソドックス・スタンスから放つ左フック、右ストレートに威力があり、世界トップレベルのボクサーといって過言ではない。
挑戦者のロドリゲスは、2014年3月にメルリト・サビーリョ(フィリピン)を10ラウンドTKOで下し、WBOミニマム級王者になった。日本のファンの記憶に残るのは、なんといっても同年8月に行われた高山勝成とのWBO、IBF統一戦だろう。敵地に乗り込んだ高山も果敢に戦ったが、最後はロドリゲスの手数に押し切られた。この試合は年間ベストマッチの候補になる激戦だった。
2本のベルトを巻いたロドリゲスだが、すぐにそれを返上、ライトフライ級へと階級を上げた。しかし、この階級では後に井岡にも勝ったドニー・ニエテスに挑戦するもベルトに手が届かなかった。
再び脚光を浴びるようになったのは、2017年にフライ級を飛び越えてスーパーフライ級で戦うようになってから。長井一、戸部洋平の日本人2選手を含む15連勝(11KO)と勢いに乗っている。
今年2月には、八重樫東が持っていたIBFライトフライ級に挑んだことのあるマルティン・テクアペトラに勝利、ついに6年ぶりの世界挑戦のチャンスを掴んだ。ミニマム級時代からラッシングパワーには定評があったが、パンチ力が格段についた印象だ。時折スイッチする変則ぶりも健在だ。