大谷翔平投手(ロサンゼルス・エンゼルス)と本塁打王争いを繰り広げるトロント・ブルージェイズのブラディミール・ゲレーロJr.内野手が13日(日本時間14日)、本拠地でのタンパベイ・レイズ戦に「3番・一塁」で先発し、単独トップに躍り出る45号本塁打を放った。
試合はブルージェイズがレイズを8-1で退け、4連勝を飾った。ゲレーロJr.は前日12日のボルティモア・オリオールズ戦で大谷に並ぶ今季44号ソロをマークしていた。42本のサルバトール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)を含めて、本塁打王争いは三つ巴の大激戦となっている。なお、大谷はこの日試合がなく、14日(同15日)からのシカゴ・ホワイトソックス戦に臨む。
◆【実際の映像】この打球で本塁打…… ゲレーロJr.の弾丸アーチにファンも大興奮
■マシューズ、ディマジオと肩を並べる
3冠王を射程にとらえるゲレーロJr.の打球はエグかった。3打席ノーヒットで迎えた6回1死無走者、左腕コンリーの内角低め156キロをすくい上げると、打球は一直線に左翼ポール際に飛び込んだ。時速113.9マイル(約183.3キロ)で、角度はわずか15度という驚異の低弾道アーチだった。
6月27日(同6月28日)以来となる単独キングに返り咲いたゲレーロJr.。SNSも即座に反応し、カナダの放送局「Sportsnet」は「見て下さい。MLB本塁打王の誕生です」とツイート。米紙「ロサンゼルス・タイムズ」のジャック・ハリス記者は自身のTwitterに「ゲレーロJr.がショウヘイ・オオタニを抜いて本塁打王に躍り出た」とつづった。
また、「MLB stats」によれば、「ゲレーロJr.は22歳以下の選手で1シーズン143試合を通して45本塁打を打った3人目の選手になる(他にはマシューズ、ディマジオ)」と、22歳“神童”の偉業を紹介していた。さらに気を良くしたのか、ブルージェイズの地元紙「トロント・スター」は、「現在、あなたのア・リーグMVPは誰ですか?」と題し、大谷とゲレーロJr.の二択でアンケートを開始。世論の力を借りて、ゲレーロJr.を後押しする構えを見せた。
■ブルージェイズはPO進出へ打撃好調
9月に入り6本塁打と勢いが止まらないゲレーロJr.だが、ここに来てチームも好調。この日も含めて最近4試合で52点(1試合平均13点)と猛打爆発で、ゲレーロJr.もプレーオフ進出を狙うチームの上昇ムードに乗っている。
一方、大谷のエンゼルスは、ア・リーグ西地区4位でワイルドカードでのプレーオフ進出も絶望的。両チームのベンチのムードは明らかに違うだろうし、打撃好調のブルージェイズは誰もが当たっている状態なので、相手はゲレーロJr.だけに気を取られるわけにはいかない。だが、低調なエンゼルスにおいては、大谷はやはり徹底マークされる存在。勝負を避けられる場面は今後も続くはず。
シーズンも佳境を迎え、チームの立ち位置が、個人タイトルの行方にも影響を与えそうな雰囲気が出てきた。
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文・SPREAD編集部