【プロ野球】ヤクルトと巨人は“虎の尾”を掴めるか…OB広澤克実氏が考える両球団のキーマンとは

ヤクルト、巨人、阪神でのプレー経験を持つ広澤克実氏(写真:SPREAD編集部)

ペナントレースはいよいよ佳境に突入したが、セ・リーグの優勝争いは依然として阪神ヤクルト巨人による三つ巴の争いが続いている。3ゲーム差内での熾烈な戦いの行方は、まだまだ不透明だ。

SPREAD編集部では、現役時代に前述の3球団に所属し4度のリーグ優勝、そして日本一にも貢献した野球評論家・広澤克実氏へのインタビューを実施。これまでの経験や関連するデータを交えながら、各チームのキーマンと終盤戦の展望を占う。今回はまず、首位の阪神を追う2位ヤクルトと3位巨人について話を聞いた。

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■顔役揃い踏みでチャンス到来のヤクルト

両チームは17日から2連戦となっており、17日はヤクルトが8-2で勝利した。今季の対戦成績は、巨人が10勝6敗2分と勝ち越しているが、この原動力となっているのが打線だ。対ヤクルトのチーム打率は.274であり、セ・リーグ球団相手では最も高い数字を残している。しかし、対ヤクルトのチーム防御率は4.47といまひとつ。決してワンサイドということではなく、打ち合いを制した方が勝利に近づくというここまでの傾向が見えてくる。

では、両チームのキーマンは誰なのか。広澤氏はまず“キーマンの最前提条件”に言及したうえで、ヤクルトについて見解を語った。

「“渋い選手”をキーマンにあげる専門家もたくさんいますが、私はやはり中心打者こそがキーマンだと思っています。そういう意味で、ヤクルトのキーマンは山田村上しかいないですよね。彼らが活躍してこそ、脇を固める打者や投手陣も生かされてくる。両者が揃って結果を残しているからこそ、ヤクルトは首位争いができているのです。初めてじゃないのかな? 2人揃って調子が良いのは」。

今季の山田哲人村上宗隆の両選手は、本塁打や打点ランキングでリーグ上位に名を連ね、東京五輪でも存在感を発揮した。チームの顔役が揃って活躍を続けることが、阪神追走のためには必要不可欠。そのためにもまずは巨人をしっかり叩いておきたいところだが、村上は巨人相手に打率.353、8本塁打、20打点を記録しており、直接対決となるこの週末はより一層の期待がかかっている。

■総力戦状態の巨人をまとめる原監督の手腕

「中心打者こそがキーマン」という広澤氏の考えに基づけば、巨人のキーマン候補としては坂本勇人岡本和真の名前が頭に浮かぶはず。特に岡本は本塁打と打点でリーグトップの成績を残し、“二冠王”も射程に捉えている。広澤氏も岡本の活躍は評価しつつ、巨人に関しては異なる“中心人物”がカギを握ると付け加えた。

その存在とは原辰徳監督。タレント揃いのチームをまとめ、最適解を導く手腕に広澤氏は注目しているという。

「指導者には『人を育てるのが上手なタイプ』と『戦力を上手く使えるタイプ』があります。これらは完全に別の能力ですが、原監督の場合は現戦力でのやり繰りが非常に上手い。そしてデータに頼るだけでなく、勝負師としての勘もある。つまりは勝負強い」。

振り返れば今季の原監督と巨人はいくつもの不安要素をはねのけてきた。菅野智之や丸佳浩の不振、新外国人として期待されたテームズとスモークの離脱などがありながら、積極的な采配でカバー。直近でも新守護神であるビエイラの不在時には、投手陣をフル稼働させる文字通りの全員野球で穴を埋めてきた。

先発投手の不足による強行ローテや故障者が続出する外野陣の問題など、満身創痍の状態が続く巨人だが、まずはヤクルトの壁を越えないことには阪神への挑戦権を手にできない。広澤氏は原監督について「適材適所での選手起用やチームの雰囲気作りを通じて、選手のメンタル面を良い方向に持っていく能力に長けていると思います」と語り、この手腕が“総力戦状態”の巨人を結束させているとしたが、きっかけ次第では一気に調子を崩す可能性もあると一抹の不安も口にした。

19日には甲子園での阪神戦も予定されているが、原監督は“勝負師”として新たな一手を繰り出すのか。シーズン最終盤の行方を予想するうえでも、今週末の戦いから目が離せなくなりそうだ。

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文・SPREAD編集部


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