2018年、ソフトバンクの2年連続日本一という結果で幕を閉じたプロ野球。2019シーズンに向け、春季キャンプも始まっている。
各球団の新戦力が活躍を期待される中でも注目なのは、日本ハム新加入の台湾出身の王柏融(ワン・ボーロン)選手だ。
王選手は昨シーズンまでCPBL(台湾プロ野球)のLamigoモンキーズに所属し、2年連続で打率4割超えをマークするなど世界的に注目を集めている。
阪神、ロッテ、西武などのスカウトが視察に訪れるなど、複数の日本球団が獲得に興味を示し、王選手本人もポスティングでの日本球界移籍を希望。日本ハムが優先交渉権を獲得し、2019シーズンから日本ハムでプレーすることが正式に決定した。
ラミゴモンキーズは、王柏融(ワン・ボーロン)の海外移籍優先交渉権を北海道日本ハムファイターズに付与したことを発表します。 pic.twitter.com/DXHMGIXSTD
— ラミゴジャパン (@LamigoJapan) November 20, 2018
日本ハムは2018年に大砲候補として獲得したオズワルド・アルシア選手や、2016年のパ・リーグ本塁打王ブランドン・レアード選手が退団したことから王選手獲得に踏み切ったと考えられる。
今回は台湾野球史上最高の選手と言われる王選手の経歴についてまとめてみた。
大学野球を経てプロの世界へ
元々は投手出身で、負けず嫌いな少年だったという王選手。
2014年のアジア競技大会で大学在学時にチャイニーズタイペイ代表に選出されると、全試合で6番ライトで先発出場を果たす。4割を超える打率を残してチャイニーズタイペイ代表の銀メダル獲得に貢献。
当時の監督も王選手の打撃と守備の両面に太鼓判を押した。
プロの世界で才能が開花
2015年、CPBL(台湾プロ野球)のLamigoモンキーズに入団すると、ルーキーイヤーながら29試合に出場して9本塁打、29打点、打率.324をマーク。
すると翌年には、116試合で200安打、本塁打29本、打点105、打率.414という驚異的な成績を残し、シーズン最優秀選手・ゴールデングラブ賞など6つの個人タイトルを獲得した。
2年連続打率4割超えという偉業を達成
一躍スターダムに上り詰めた王選手は、2017年も好調を維持。
相手チームのマークも厳しくなる中、打率407、31本塁打、101打点と、2年連続打率4割をマークして三冠王を獲得した。
プロ入り後3年間の平均打率.402は日本球界では考えられない数字だ。
今年は打率.351、17本塁打、84打点とやや調子が落ちたが、4年連続打率3割超えを達成し、注目の的であることには変わりない。
2015年のプレミア12にも出場
王選手は2015年に行われた世界のトップ12ヵ国によって競われる国際大会「プレミア12」にチャイニーズタイペイ代表として出場した。
チャイニーズタイペイ代表はグループリーグ敗退となったが、王選手はここでも4割を超える打率をマーク。
国際舞台でも持ち前のバットコントロールを見せつけ、世界に通用することを証明した。
過去には日本相手にも本塁打
2017年のワールドベースボールクラシック(WBC)は所属チームがボイコットしたため出場は叶わなかったが、CPBL選抜として日本代表の壮行試合に出場。
そこで、楽天のエース・則本投手から特大のホームランを放つなど、この試合で3打数3安打の成績を残し、日本の野球ファンを震撼させた。
2018年11月には千葉ロッテと親善試合
2018年11月9日〜11日に所属するLamigoと千葉ロッテで親善試合を実施。「日台バトルカップ」と称され、台湾で3試合を戦った。
本日より、11月9日(金)~11日(日)台湾・桃園国際棒球場にて対戦するLamigoモンキーズ(@LamigoJapan)注目の4選手を紹介します!初回は、「2年連続打率4割を記録する台湾の大王」王柏融(ワン・ボーロン)選手です。
▼台湾遠征メンバーはこちらhttps://t.co/AphF4MUuUp#chibalotte pic.twitter.com/Q3hjGjlzQM
— 千葉ロッテマリーンズ (@Chiba_Lotte) November 1, 2018
2戦目まで無安打だった王選手だが、最終戦でマルチ安打を記録。チームの初勝利に貢献し、自身も日本球界入りへアピールした。
「桃園最強Power Series 2018」日台バトルカップは、1勝2敗で幕を閉じました。両軍選手の熱い戦いはもとより、マスコットキャラクターのパフォーマンス、両軍応援団による応援合戦等、チームもファンも交流をした3日間になりました。ご来場ありがとうございました!また来年お会いしましょう。再見! pic.twitter.com/0BRK18DESh
— ラミゴジャパン (@LamigoJapan) November 12, 2018
日本ハムでの活躍に期待
昨年、韓国リーグで2年連続3割30本100打点を達成したロサリオ選手が鳴り物入りで阪神に入団するも、日本の野球に適応できず成績が低迷してしまった。
このような前例もあるだけに、王選手にも過度な期待は禁物かもしれない。
しかし、WBC直前の日本の投手相手にも十分に戦えることを証明した上、キャンプ中の練習試合でも連続安打を記録するなど、日本にも適応した様子を見せるだけに、王選手にかかる期待は大きい。
過去のオフに観光で訪れるなど、日本に好意的な印象を持っているようだ。
“台湾の大王”の愛称で親しまれる王選手の日本ハムでの活躍に、注目が集まる。
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