カンテってどんな人?生い立ちや人柄に迫る…ゴミ拾いの仕事からはじまった人生

カンテってどんな人?生い立ちや人柄に迫る…ゴミ拾いの仕事からはじまった人生

1991年生まれのエンゴロ・カンテ選手は、プレミアリーグのチェルシーFCに所属するフランス代表選手だ。

169cmと小柄ながら「フィールドに2人いるんじゃないか」と称されるような運動量でチームを支え、そのプレーぶりから”小さな巨人”という異名がついている。

今回はそんなカンテ選手の人柄や経歴等に迫った。

(Photo by Mao Jianjun/China News Service/VCG)

貧しかった少年時代

カンテ選手の両親はマリからの移民。1980年にこの国へ移住した。カンテ選手が生まれ育ったのはリュエイユ・マルメゾン、パリに近い郊外の街だ。総面積のうち約1/3が緑地である。

この街に住む人は都市部に向かい、肉体労働など含め奉公人として仕事をすることが多かった。カンテ選手も、幼少期はゴミ拾いとして働いていた。

様々な種類のまだ使えそうなゴミを何キロも歩きながら拾い集め、リサイクルセンターに運ぶ作業を日々行った。

しかし、カンテ選手は、この仕事を続けていては貧困から家族が抜け出せないことを知っていた。貧困サイクルから抜け出すためには、何か別の道で成功することが必要だった。

サッカーを始めたきっかけは1998年フランスW杯

1998年フランスW杯の後、カンテは「フランス」という国が変わっていくさまを目の当たりにした。98年大会でフランスが優勝できたのは、移民の力が大きかった。

ゴミ拾いの仕事をしていた7歳のカンテ少年の耳にも、ティエリ・アンリ選手やジネディーヌ・ジダン選手、パトリック・ヴィエラ選手など、移民選手の活躍が届いていた。

移民の立場が、フランスではサッカーを通して変わってきていたのだ。

(c)Getty Images

カンテ選手はそれまでサッカーの試合を一度として見たことがなかったが、サッカー選手としてのキャリアを意識した途端、家の近くにもいくつかのサッカークラブがあることに気づいた。

8歳のころカンテ選手は地元の「JSサレネス」で、サッカープレーヤーとしてのキャリアをスタートさせた。最も小柄な選手だったが、チームメイトはその小さな体のどこに1試合を走りきることのできる体力があるのか、不思議に思っていたという。

カンテ選手の謙虚なプレー、ハードワークは、すぐにチームを高みへと導いた。「誰よりも、チームのために」。そのスタイルは、当時から全く変化はなかった。

(c)Getty Images

1年、2年と経つごとにチームメイトの身長はメキメキと伸びて行ったが、カンテ選手の身長はそのままだった。

だからこそ、頭を使う工夫をしなければいけなかった。ポジショニング感覚が培われたのもこの時代の経験があってからこそだろう。

4年間の年月が経つと、カンテ選手はチームに所属する子供たちの練習を給料を受け取って教えることになった。ここでの収入のおかげで、父親が若くして亡くなった後もサッカーを続けることができた。

当時のカンテ選手を振り返る

以前よりカンテ選手は、求められることを全て忠実にこなそうとするプレイヤーであった。

子供時代に所属していたチームのコーチは、「休暇の前、カンテに、ジョークとしてリフティングの課題を出したんです。2ヶ月で、左足で50回、次に右足で50回、次に頭で50回のリフティングを成功させろ、って。2ヶ月後、彼は本当にやってのけたんです。私はショックを受けました。それから、彼に何かをさせることはありませんでした。何をすべきかを、彼自身に任せました」と明かす。

冗談として与えられた課題も愚直にこなす。メキメキと実力を伸ばしたカンテ選手の存在は、地元でも知られるようになっていった。

カンテ選手の夢は、イングランドで叶った。2015年8月3日にレスター・シティへ移籍が決定し、4年契約を結んだ。その際の契約金額は800万ユーロと報じられていた。

(c)Getty Images

家族

カンテ選手の家族は父親、母親、そして自身も含めて4人兄弟という家族構成だったが、11歳の頃に父親が亡くなり、そこから長男として家族を支える責任があった。

手本とするプレーヤー

カンテ選手はそのプレースタイルや役割から、元フランス代表クロード・マケレレ氏と比較されることが多かった。

カンテ選手自身は、マケレレ氏の後継者としても期待されたことのあるラッサナ・ディアッラ選手の名前を自身の手本とするプレーヤーとしてあげている。

マケレレ氏は「カンテはそのエネルギーや抜群のボール奪取能力だけではなく、リーダーシップをとる力を身につけ、より例外的な代わりのきかない選手になるべく注力した方がいい」とアドバイスを送っている。

クロード・マケレレ氏 (c)Getty Images

週給約1500万円でも大衆車を乗り続ける

カンテ選手は世界的なサッカー選手となった今も、決して高級車を買ったり、高級な服を着ることはない。

2016年からチェルシーでのキャリアをスタートしてからも、大衆車である「ミニ・クーパー」を運転しているという。

参考画像:ミニ・クーパー (c)Getty Images

チェルシーとの契約金額は3200万ポンド。そして週給約1500万円を稼いでいると言われている今も、大衆車を乗りこなすその姿に、謙虚な性格がうかがえる。

ちなみに、「ミニ・クーパー」の市場価格は2万ポンドほど(2018年7月時点のレートだと、約300万円)だという。週給の1/5、月給の1/20ほどの価格。

国税庁による平成27年分の「民間給与実態統計調査」によると、日本人サラリーマンの平均給与は「420万円」。

月給35万円と計算すると、日本の平均サラリーマンの感覚としては、約1万7500円で買える車を大事に乗りこなしている感覚となる。

報道によるとカンテは2018年1月10日、EFLカップ準決勝のアーセナル戦が行われたスタンフォード・ブリッジに向かう途中、衝突事故に遭ったことがある。

事故によりカンテ選手の車の両ミラーは壊れ、前輪のアーチはすべて窪んでしまったのだとか。

しかし、カンテ選手は車を買い替えることなく、事故以降もボロボロの車を乗り続けたという。左前輪のアーチは車から完全に引き裂かれたままだという話だ。

感覚的に1万7500円で買えるものならば、買い直したくなるものではないだろうか。

しかし、本人は「僕は車に興味がない。若いころに乗りたいと思った車なんてないよ」と、車への興味がないことを明かしている。

地球上の3割はカンテによってカバーされている?

その卓越した運動量に、「地球上の7割は水で、残りはカンテによってカバーされている」という言説すら囁かれている。

専属美容師がいる

カンテ選手にはレスター・シティに所属していた時代から専属の美容師がいる。

専属の美容師はカンテ選手がチェルシーに移籍してからも、「130マイル(1マイルは約1.6km)の距離を移動して髪を切りに行っている」という。

「カンテは僕にとってはただのお客さんじゃなく、友達以上の存在なんだ。チェルシーに移籍してしまうと聞いた時は残念だったけれども、彼が髪を切りにいくための交通費を出してくれると言ってくれて、嬉しかったよ

参考:https://lifebogger.com/ngolo-kante-childhood-story-plus-untold-biography-facts/、https://informationcradle.com/france/ngolo-kante/

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