女子ゴルフの国内第26戦「ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント」(北海道・ゴルフ5カントリー美唄コース/6472ヤード、パー72)は3日、最終ラウンドが行われ、櫻井心那が4バーディ、1ボギーの69をマーク、通算10アンダーで逆転優勝を飾った。10代でのツアー3勝目は史上3人目の快挙となる。
1打差9アンダー2位タイに山下美夢有、小祝さくら、2打差8アンダー単独4位に鈴木愛が入った。
◆【実際の映像】櫻井心那、史上3人目の10代ツアー3勝 逆転優勝を飾った瞬間の様子
■櫻井、最終18番バーディで優勝決める
3日間の中で風が最も弱く、穏やかな好天に恵まれ、序盤から上位陣がバーディを奪い合う展開となった最終日。
小祝、櫻井、鈴木の最終組は、スタートホールから攻めの姿勢を貫いた。小祝と鈴木は前日に続いて1番バーディ発進。櫻井は2番パー5で2オン成功、2パットのバーディ。小祝は4番、約5メートルをジャストタッチで沈め、2つ目のバーディ。
5番パー5、櫻井は2オンを狙って2打目をグリーン手前カラーまで運ぶ。鈴木の3打目はグリーンをオーバー。アプローチもピンをオーバーし、パーパットはカップに蹴られボギー。櫻井はカラーから2パットでバーディ。ここで首位が入れ替わる。
6番で鈴木が魅せる。2打目がピン奥に着弾、スピンバックで50センチに寄せる。難なくバーディでバウンスバック。すぐに首位タイに戻ってくる。さらに8番パー3、鈴木はピン奥のバーディチャンスにつける。これを真ん中から沈め、単独首位を奪い返す。
最難関9番の2打目、櫻井はグリーン左ラフ、小祝は池へ。櫻井のアプローチはピンを大きくオーバー、パーセーブできずボギー。小祝は4打目でボギーが狙える位置につけたが、入れられず痛恨のダボ。前半を終え、鈴木10アンダー、櫻井8アンダー、小祝6アンダー。最終組は、勝負のサンデーバックナインへと向かった。
10番、鈴木の2打目はグリーン左ラフ。アプローチもショートするピンチ。小祝は左奥約7メートル、下りの難しいラインを読み切ってバーディ、優勝争いにカムバックする。鈴木のパーパットは外れ、この日2つ目のボギー。鈴木は11番も連続で落とし、鈴木と櫻井が8アンダーの首位に並ぶ。
12番、櫻井は2打目を手前1メートルに寄せバーディ。再び単独首位に立つ。小祝も約5メートルをねじ込み、1打差に迫る。
チャンスホールの14番パー5、鈴木は3打目をピンハイ1メートルにつけバーディ。櫻井を捕らえるも、15番パー3で痛すぎる3パットのボギー。三度、櫻井が単独首位に立ち、上がり3ホールに臨む。
難しい16番、3選手とも見事なセカンドでバーディチャンスにつける。最も距離のあった櫻井のパットは右を抜ける。ほぼ同じラインの鈴木のパットも右縁をなめて入らず。そして小祝が右奥1メートルをど真ん中から沈め、ついに首位を捕らえる。
この間、強烈なまくりをみせたのが、4打差4アンダー7位タイから出た山下。前半2つ伸ばして折り返すと、13番、17番、最終18番バーディ。土壇場で9アンダー首位に並んでホールアウト。クラブハウスリーダーとして最終組を待った。
山下、小祝、櫻井が9アンダー首位で並んで迎えた18番。最終組3人はいずれもパーオンするが、小祝は距離を残し、櫻井はワンピンに寄せる。小祝のバーディパットは右を抜ける。櫻井はバーディパットを落ち着いて決め、右手でガッツポーズ。最終ホールで決着する劇的な幕切れで、史上3人目の10代でのツアー3勝目を飾った。
■主な上位選手最終成績
上位選手の主な最終成績は以下の通り。
優勝/10アンダー/櫻井心那
2位タイ/9アンダー/山下美夢有、小祝さくら
4位/8アンダー/鈴木愛
5位タイ/7アンダー/石井理緒、金澤志奈、木下彩
8位タイ/6アンダー/尾関彩美悠、柏原明日架、神谷そら
佐藤心結は4アンダー13位タイ。永峰咲希、鶴岡果恋は3アンダー16位タイ。岩井明愛は2アンダー21位タイ。野澤真央、竹田麗央は1アンダー24位タイ。申ジエ(韓国)、佐久間朱莉、高橋彩華、阿部未悠、青木瀬令奈はイーブンパー29位タイに終わった。
◆【実際の映像】櫻井心那、史上3人目の10代ツアー3勝 逆転優勝を飾った瞬間の様子
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文●河野道久