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【WEC】第4戦ル・マン24時間 雨、大クラッシュ…トヨタ6連覇ならず2位、フェラーリが100周年記念大会を制す

【WEC】第4戦ル・マン24時間 雨、大クラッシュ…トヨタ6連覇ならず2位、フェラーリが100周年記念大会を制す
24時間を走り抜き祝福を受けるフェラーリ51号車 (C) Getty Images

2023年シーズンFIA世界耐久選手権WEC)第4戦、第91回ル・マン24時間レースは11日、サルテ・サーキット(1周13.626キロ)でフィニッシュを迎え、TOYOTA GAZOO RacingTGR)は6連覇を逃した。

平川亮ら駆るGR010 HYBRID 8号車が惜しくも2位。小林可夢偉らがドライブした同7号車は103周目にクラッシュに見舞われリタイヤ。優勝はフェラーリの51号車。2位トヨタとの差は、1分21秒793と接戦を制した。フェラーリは実に1965年以来の優勝。3位にはキャデラックが入った。

◆【実際の映像】ル・マン24時間100周年、雨ありクラッシュありとトヨタ6連覇を阻んだアクシデント

■TGRは100周年大会での6連覇逃す

世界3大レースのひとつとされる同レースは1923年に初開催。トヨタは100周年大会を飾ることはできなかった。

夜間、激走を見せるトヨタ車 (C) TGR

5年連続でル・マンを制してきたTGRは、キャデラック、フェラーリ、プジョー、そして、ポルシェといった、これまでで最多となる16台のハイパーカーが競い合う伝統あるレースで6連覇に挑んだ。だが32万5千人もの大観衆が見守る中、最後の最後までドラマティックなバトルが繰り広げられた。

昨年の勝者、平川、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレーの8号車は、サバイバル戦となった今年のル・マンで最後までトップ争いに生き残り、フェラーリとの一騎打ちを演じた。

2台体制で挑んだTGRだったが、小林、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの7号車は、スタート8時間後の深夜0時を過ぎたあたりで後続から追突され、修復不能なダメージを負ったため、ドライブしていた小林はそのままリタイアを余儀なくされた。

10日16時スタートのレースは、3番グリッドから出た8号車がすぐに首位に立ち、序盤1時間は上位10台ほどのハイパーカーによるホイール・トゥ・ホイールの激しい接近戦。しかしその後、2度にわたり豪雨に見舞われ、荒れたレース展開に。

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日付が変わった直後、首位を追走していた7号車がテルトル・ルージュでストップ。時速80キロ制限のスローゾーンへと向かう直前、小林が速度を落としたところ、後方から2台の下位カテゴリーの車両に追突され、激しい衝撃によりGR010 HYBRID 7号車は車両後部にダメージ、ピットへ戻ることができず、リタイヤに終わった。

■レースは敗れるもドライバーズタイトルは首位キープ

6連覇を逃したが2位表彰台 左から小林、平川、ハートレー、ブエミ (C) TGR

レース前半は上位を争っていたプジョー94号車とフェラーリ50号車が脱落すると、その後はトヨタの8号車とフェラーリ51号車との一騎打ちに。夜明け、首位に立っていた8号車はその後、フロントスプリッターにダメージを負い、またリアタイヤのパンクに見舞われピットへ。これで2位へと後退。だが、コースに復帰後も、トヨタとフェラーリの首位攻防戦は数時間にわたって続き、20時間を過ぎた時点でも、その差はわずか3秒。

最後の2時間、8号車は4スティント連続走行という大健闘を見せたハートレーから、平川へと最後のステアリングが託された。この時点で2位につける8号車とトップとの差は16秒。この差を詰めるべくアタックに入った平川は、アルナージュコーナーで痛恨のコースオフ。コース脇のバリアにヒットし、車両の前後にダメージを負った。

この修復のために8号車は緊急ピットインを強いられ、トップとの差は3分に。最後は約80秒差ほどに追いすがったが、2位でチェッカー。6連覇の夢は潰えた。

ただし8号車の3名は、リードするWECドライバーズタイトル争いで2位との差を25ポイントに拡げ、マニュファクチャラーズ・タイトル争いでは、TGRは2位フェラーリとの差は18ポイントと首位を堅持した。

シーズンは残り3戦。次戦は7月9日、イタリアのモンツァ6時間。

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■小林「もっと強くなって戻ってくる」

チーム代表でもある小林は「残念ながら、このル・マン100周年記念大会は我々のレースではありませんでした。7号車は私がドライブしているときに信じられないような不運に見舞われてしまいました。スローゾーンへ入る前の準備エリアで、前の車両が速度を落としたので、ペナルティを避けるためにこちらも速度を落としたところ、後方から追突されました。車両のダメージは大きく、ガレージに戻る術はありませんでした。それまで力強くレースが戦えていただけに、本当に厳しい結果となってしまいましたが、8号車は最後まで全力で戦い、2位でフィニッシュしてくれました。チームとしてできることはすべてやりましたし、クルマから最大限のパフォーマンスを引き出し、ドライバーもベストを尽くしてくれました。このル・マン100周年記念大会では、チームが今までに無いほど団結して、みんなで勝利を目指し、共にレースを楽しみました。この無念を晴らすためにも、もっと強くなって戻ってこなくてはなりません」と来年へのリベンジを誓った。

また平川は「まず本当に頑張ってくれたセバスチャンとブレンドンに感謝します。また、レース・ウィークを通して素晴らしい仕事で支えてくれたチームと、応援してくれたすべてのサポーターの皆様、ありがとうございました。フェラーリとのバトルは本当に大変でしたが、決して諦めることなく、またル・マンで勝つために全力で戦いました。今日のレースを分析し、改善すべき点を見出さなくてはなりません。個人的には、自分自身のミスから学び、さらに強くなって戻って来たいと思います。シーズンはまだ3戦残っているので、ここからは世界チャンピオン獲得に集中します」とシーズン・タイトル獲得へ前を向いた。

■ル・マン24時間決勝順位

1位フェラーリAFコルセ/フェラーリ499P 51号車 アレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームス・カラド/アントニオ・ジョビナッツィ 342周
2位TOYOTA GAZOO Racing/トヨタ GR010 HYBRID 8号車 セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮 +1分21秒793
3位キャデラック・レーシング/キャデラック V-Series.R 2号車 アール・バンバー/アレックス・リン/リチャード・ウェストブルック +1ラップ

◆プレビュー トヨタが改良型GR010 HYBRIDで挑む2023年シーズン、ル・マン100周年で6連覇なるか

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文●SPREAD編集部