FIA世界耐久選手権(WEC)第3戦、第90回ル・マン24時間は12日、フランスはル・マンのサルト・サーキットで決勝レースが行われ、TOYOTA GAZOO Racing(以下TGR)のGR010 HYBRID 8号車が優勝、7号車とともに1-2フィニッシュを決め、トヨタは2018年の初優勝以来5連覇を達成した。
◆【実際のコメント】初優勝の平川亮、「夢が叶い嬉しく、ほっとしている」
今年のル・マン24時間はレース全体を通して好天に恵まれ、セーフティカー出動は1回のみと波乱の少ない、クリーンなレース展開。平川亮、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー組のGR010 HYBRID 8号車はポールポジション・スタートから完璧なレースで380周を走破、現地時間午後4時、スタンドを埋め尽くした熱狂的なファンが見守る中、トップでチェッカーを受けた。
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■電装系トラブルで首位争いに終止符
昨年の覇者・小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車も8号車から遅れること2分1秒222の2位フィニッシュ。TGRはル・マンで4度目の1-2フィニッシュを果たした。
ブエミはこの勝利で自身のル・マン通算優勝記録を4回へと伸ばし、スイス人ドライバーとしての最多勝記録を更新。ハートレーも自身3度目の勝利でニュージーランド人の最多勝ドライバーになりました。平川は3度目の挑戦、TGRのメンバーとしては初めてのル・マンで見事に総合優勝を勝ち取り、日本人ドライバーとして表彰台中央に上った5人目のドライバーとなった。
2台のハイパーカー GR010 HYBRIDは、コース上の混雑やスローゾーン、コース条件の変化などに見舞われる中、何度も互いの順位を入れ替えながら、僅差での首位争いを繰り広げた。2台による数秒差での首位争いは16時間にも及んだものの、256周目に首位を走行していたロペスの7号車がフロントモーター関連の電装系トラブルに見舞われ、このバトルには終止符が打たれた。
一旦はコース脇に車両を停めたロペスだが、システム再起動で走行を再開しピットイン。さらなる再起動作業などでこのトラブルを解決しコースに復帰。このタイムロスにより、首位に立ったハートレーの8号車からは約1周分の差となった。
TOYOTA Gazoo Racing 8号車(C)TGR
9日のハイパーポールで、最終盤にドラマティックな逆転アタックを見せてポールポジションを獲得したハートレーが、8号車の最終ドライバーを担当、第90回ル・マン24時間レースの栄光のチェッカーをトップで受けました。ロペスの7号車がこれに続き、計5,177kmもの長い戦いをTGRの2台は同一周回の1-2で走りきった。