女子ゴルフの国内メジャー第2戦「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」（長崎県・パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ／6755ヤード、パー72）は10日、最終ラウンドが行われ、ルーキーの神谷そらが5バーディ、1ボギーの68で回り、通算12アンダーで逆転優勝した。神谷は今大会初出場初優勝。メジャー初制覇での通算2勝目となった。
1打差11アンダー2位に小祝さくら、4打差8アンダー3位タイに山下美夢有、西郷真央が入った。
◆【実際の映像】「ルーキーで2勝は夢みたい」逆転優勝の神谷そら、メジャー初制覇後の感謝のスピーチ
■前半は誰も抜け出せない硬直した展開
上位陣は序盤、静かな立ち上がりを見せた。チャンスホールの1番パー5、最終組の神谷、西郷、小祝のうち、バーディ発進できたのは神谷のみ。西郷、小祝はパースタートとなった。
3人は2番、3番とパーセーブし、迎えた4番。小祝は2打目をピン右奥3メートル、神谷は左奥4メートルにつける。先に打った神谷が今日2つ目のバーディ、小祝も入れ返し、首位を譲らない。
一人、パーを並べてきた西郷は6番、ピンハイ2メートル弱につけ、待望のバーディ。西郷は7番でも、2打目をピンハイに落とし、傾斜を使って1メートルに寄せる。これを難なく沈め、連続バーディ。首位の小祝を捕らえる。
前半最後の9番パー5、西郷は3打目を手前ワンピンにつける。神谷のアプローチは左奥4メートルと少し距離を残す。しかし、神谷はこのデリケートなパットを見事に決め、首位に並ぶ。一方、西郷のバーディパットは右縁をかすめオーバー。1.5メートルのパーパットも右を抜ける。ボギーパットもカップに蹴られ、痛恨のダボ。
前半を終わって、神谷・小祝11アンダー、西郷9アンダー、最終組の1つ前でプレーする山下、稲見萌寧8アンダーで、上位陣は勝負のサンデーバックナインへと向かった。
■小祝、17番バーディで1打差に詰め寄る
10番、神谷は2打目を奥ワンピンにつける。小祝、西郷はパーオンできず、アプローチも寄せ切れずボギー。神谷は落ち着いてバーディパットを決め、今大会初めて単独首位に立つ。
後がない西郷は11番の2打目でスーパーショット。左手前1メートルにつけ、7番以来のバーディ。続く13番パー3、小祝と西郷は3パットのボギー、神谷はパーセーブ。神谷が2位との差を3打に広げる。
15番パー5、小祝は2オンに成功。神谷の2打目はグリーン奥にこぼれる。小祝は2パットでバーディとするも、神谷も絶妙のアプローチで寄せバーディ。差が縮まらない。
神谷13アンダー、小祝10アンダーで最終組は上がり3ホールに臨む。16番、神谷は今日初めてと言っていいピンチを迎える。2打目でグリーン奥の段に届かず、バーディパットはきつい傾斜に持っていかれ、グリーンからこぼれる。パーパットで寄せてこの日初のボギー。小祝のバーディパットも傾斜に流され、同じくピンチ。だが、小祝はこのパーパットをねじ込み、起死回生のナイスパー。神谷に2打差と迫る。
17番バー3、小祝、神谷ともグリーン手前ぎりぎりに落とし、バーディチャンス。遠い方の神谷が先に打つもわずかに届かずパー。小祝は左手前3メートルのバーディパットを見事に決め、土壇場で1打差に詰め寄る。
最終18番、小祝のティーショットはフェアウェー、神谷は左ラフ。勝負の2打目、二人のショットはともにグリーン奥にこぼれる。入れなければ追いつけない小祝のアプローチは、惜しくもカップ際で右に切れる。神谷はパターで50センチに寄せる。小祝パーの後、神谷はウィニングパットをしっかり沈め、笑顔で一礼。グリーンサイドで待っていた同期の平岡瑠依を見つけると、駆け寄ってハグ、目からは涙があふれた。
神谷は優勝スピーチで、「1週間、すごく楽しくゴルフができて、結果的に目標にしていたメジャー優勝をすることができました。ルーキーシーズンのうちに2勝挙げられたことが夢みたいで、まだ実感はないんですけど、残りのシーズンももう1勝を目指して、また明日から一日一日努力していきたいなと思いました」と話した。
■主な上位選手最終成績
上位選手の主な最終成績は以下の通り。
優勝／12アンダー／神谷そら
2位／11アンダー／小祝さくら
3位タイ／8アンダー／山下美夢有、西郷真央
5位タイ／6アンダー／岩井明愛、ささきしょうこ、蛭田みな美
8位タイ／5アンダー／佐藤心結、山内日菜子、稲見萌寧
岩井千怜、申ジエ（韓国）は3アンダー13位タイ。鈴木愛、堀琴音、青木瀬令奈、菅沼菜々は2アンダー15位タイ。原英莉花、上田桃子、櫻井心那、竹田麗央は1アンダー20位タイに終わった。
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文●河野道久
