【東京HJ/レース展望】10歳馬・オジュウチョウサンは衰えたのか 王者復権への可能性と高配当を呼ぶ穴馬の考察

今週は東京競馬場で第23回・東京ハイジャンプ(J・GII、障3110m直線芝)が行われる。

東京ハイジャンプは2016・17年にオジュウチョウサンが連覇したほか、2019年には後に中山大障害を制したシングンマイケル、20年には昨年の最優秀障害馬・メイショウダッサイが制するなど、主力ジャンパーが集う一戦。

今年は3連勝で小倉サマージャンプを制したアサクサゲンキ、中山グランドジャンプで2着好走のシンキングダンサー、東京ジャンプS2着のホッコーメヴィウスなどが出走し、とりわけ、4年ぶりの参戦となるオジュウチョウサンに注目が集まる。

絶対王者として君臨し続けたオジュウチョウサンは前走・中山グランドジャンプでまさかの5着に敗れ、メイショウダッサイに王者の座を奪われた。平地競走にも果敢に挑戦し有馬記念に出走するなどファンの多い馬だが、再び輝きを取り戻せるのか。

ここではオジュウチョウサンの近4走を振り返りつつ、東京ハイジャンプのレース展開と買い目を紹介する。

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■J・GI7勝を誇る最強ジャンパー

まずは、オジュウチョウサンの近4走について考察する。平地に挑戦するも結果が出ず、再び障害に戻った4走前の阪神スプリングJ(J・GII)では、久々の障害戦ながらも巧みな飛越と持ち前のスタミナでレースを操り、トラストやシングンマイケルらの新興勢力を問題にせず、9馬身差の圧勝劇を飾った。

JRA史上初の同一重賞5連覇をかけて挑んだ3走前の中山グランドジャンプ(J・GI)は不良馬場という悪条件の中、これまでどおり道中は逃げ馬を見るかたちで先行。3コーナー付近で先頭に立つと、迫るメイショウダッサイを寄せ付けず、見事に5連覇を達成した。

王者に陰りが見え始めたのは、2走前の京都ジャンプS(J・GIII)。単勝オッズ1.1倍と圧倒的人気に推されたが、レースでは逃げるタガノエスプレッソを直線で捕らえられず、最終障害でも失速。後方から迫るブライトクォーツにもかわされ3着に敗れ、2016年4月の中山グランドジャンプから続いた障害重賞連勝記録は「13」でストップした。

そして前走の中山グランドジャンプ(J・GI)でも、これまでの巧みな飛越は見られず、スタミナも集中力も切れてしまい万事休す。メイショウダッサイから2秒5離された5着に敗れ、6年ぶりの馬券外に凡走してしまった。

近走のレース内容や飛越からも、王者の衰えを指摘する声は多いだろう。しかし、メイショウダッサイが不在の今回は大幅にメンバーレベルは落ち、加えて展開のマギレが少ない東京に戻るここは、復権へのプラス材料が揃っている。

■馬券の妙味を考えるとアサクサゲンキは「消し」

今回、出走メンバーを見渡すとオジュウチョウサンのライバルとなりそうなジャンパーはアサクサゲンキヒロシゲセブンシンキングダンサーくらいだろう。アサクサゲンキは小倉で逃げて3連勝したが、好走しているのは直線が短いコースであり、直線が長い東京コースでは一抹の不安が残る。そもそもJ・GIの一流ジャンパーとは対戦したことがなく、実績面では劣ると言っていい。

ヒロシゲセブンは東京コースで1着1回、2着1回、4着1回と掲示板を外したことがなく、シンキングダンサーは東京コースのオープン以上で3勝と、2頭は東京巧者。しかし、実績面ではオジュウチョウサンよりはるかに劣り、他の出走馬と比べても大差はない。

オッズ的にはアサクサゲンキとオジュウチョウサンが人気を分け合うかたちとなりそう。しかし、実績面を考えれば「2強」というほどの存在ではなく、馬券の妙味を考えれば、アサクサゲンキは「消し」の評価でもいい。

■消耗戦で浮上する高配当の使者

オジュウチョウサンはすでに10歳になったが、前走も終いは伸びようとしており、闘志はまだ衰えていない。骨折明けとなるがこの中間の調整も順調そのもので、人気が割れる今回は狙い目であり、ここは本命オジュウチョウサンから入る。

対抗はホッコーメヴィウス。東京向きのストライド走法をする典型的なサウスポーで、前走、1番人気8着の新潟ジャンプS(J・GIII)は使い詰めのローテと前残りの展開に泣いた。間隔をあけて立て直され、マギレの少ない東京コースのここは、人気落ちを加味すれば絶好の狙い目となる。

以下、押さえでマイティウェイヒロシゲセブンコウユーヌレエフとする。マイティウェイはタフな展開でしぶとく伸びる終いの脚を武器がある。オジュウチョウサンとアサクサゲンキが繰り広げる消耗戦で各馬が脱落する中、後方でじっくりと構える同馬が末脚一閃。人気馬に一泡吹かせると同時に、高配当を演出する。

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文・西舘洸希(SPREAD編集部)


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