【バスケW杯】「目標は終わっていない」日本代表、一次敗退も順位決定戦へ前を向く 渡邊「1分1秒…走り続ける」

 

【バスケW杯】「目標は終わっていない」日本代表、一次敗退も順位決定戦へ前を向く 渡邊「1分1秒…走り続ける」
強豪オーストラリアに24得点7リバウンドと奮闘した渡邊雄太(C)Getty Images

25日に開幕したFIBAバスケットボールワールドカップ2023は大会5日目を迎えた。

27日に行われたフィンランド戦で歴史的一勝をあげたバスケットボール男子日本代表(FIBAランキング36位)は、一次ラウンドの突破をかけ、29日、オーストラリア(同3位)と対戦した。

◆【実際の映像】渡邊雄太、強豪オーストラリアのディフェンスを気迫で押し切りガッツポーズ

■強豪相手に89得点は成長の証

NBAプレーヤー9人を擁するオーストラリアの巧みな攻守を前に徐々に点差が開き、35-57とオーストラリアがリードし前半を終えた。

後半に入り、点の取り合いが続く。3クォーター、ジョシュ・ホーキンソンがダンクなどで一矢報いようと挑む日本は35得点。このクォーターだけでホーキンソンは15得点、渡邊雄太は9得点と意地を見せ、70-87と17点差で最終クォーターを迎えた。

4クォーターに、一時は13点差までオーストラリアに迫った日本だったが、最終的には89-109で残念ながら敗戦。

オーストラリアは、NBAで活躍するジョシュ・ギディー26得点、ザビエル・クックス 24得点16リバウンドなど日本を苦しめた。またBリーグの島根スサノオマジックでプレーするニック・ケイも13得点と活躍した。

Advertisement


フィンランド戦で爆発し期待された河村勇輝富永啓生のスリーポイントシュートは、鳴りを潜めた。

この日は、河村が1本沈めたのみだった。富永は、10本のスリーポイントシュートを放つも決めることができず、フローターなどで獲得した8得点のみにとどまってしまった。富永は、「後半のバスケットに加えて自分のスリーポイントシュートも入ってくれば、100パーセントの形だった。すごくチームに迷惑をかけたが、自分の役割は打っていくしかない。打つのをやめてしまっては、自分がいる意味がない」と、前を向いていた。

そんな中でもフィンランド戦に続き、世界の強豪相手に互角に攻守にわたって活躍したホーキンソンは、33得点7リバウンド、渡邊も24得点7リバウンドと続きチームを牽引し続けた。東京オリンピックでも銅メダルを獲得した相手に、89得点を記録したことは日本バスケットボールの成長と言えるだろう。

■チーム一丸で前を向き、順位決定戦へ

NBAでプレーするギティーが30分、パティ・ミルズは32分など長い時間コートに立っていた。それだけ日本戦に本気で挑んでいた証ではないか。

渡邊は「勝ちに来ているメンバーに対して後半あれだけやれた。後半の20分で僕たちのバスケは通用すると示せたと思う。でもこういうチームを本気で倒すなら20分では足りない。前半(の差)を10点以内で終わることができたら、日本は練習量が多いので相手の体力が落ちた時にチャンスがある」と示した。

さらに自身とともに36分間コートに立ち続けたホーキンソンについては、「とにかくゴール下で体を張り、リバウンドも全部もぎ取ってくれてチームみんな感謝している。これだけ長い時間をあの強度でやっていると大変だが、一切弱音を吐かない。お互い助け合っていかないと。僕ら二人とも40分間出るつもりでいる。本当に勝たなければいけないので1分1秒も無駄にできない。体を張って走り続ける」と力強く覚悟を見せた。

初の1次リーグ突破を目指し挑んだ日本であったが、残念ながら突破することはできなかった。日本は17~32位決定戦に回り、グループFの3位、4位と戦う。

トム・ホーバスヘッドコーチは会見で、「このチームは自信がある。今日も勝つと思っていた。相手も強い。ステップバイステップ。今日は悔しい、でも目標は終わっていない。長い間このチームでプレーしたい」と語った。

日本は31日、順位決定戦に挑む。対戦国は30日に行われるグループFの試合結果によって決まる。

◆【実際の映像】渡邊雄太、強豪オーストラリアのディフェンスを気迫で押し切りガッツポーズ

◆大金星バスケ日本、スラムダンク山王戦と一致した超名場面をFIBA投稿 渡邊×富永が「Slam Dunk vibes」

◆バスケ日本代表は「残り2戦必勝」 豪州に敗戦で順位決定戦へ、渡辺雄太「ここからが本当の勝負」

■著者プロフィール

木村英里(きむら・えり)
●フリーアナウンサー、バスケットボール専門のWEBマガジン『balltrip MAGAZINE』副編集長

テレビ静岡・WOWOWを経てフリーアナウンサーに。現在は、ラジオDJ、司会、ナレーション、ライターとしても活動中。WOWOWアナウンサー時代、2014年には錦織圭選手全米オープン準優勝を現地から生中継。他NBA、リーガエスパニョーラ、EURO2012、全英オープンテニス、全米オープンテニスなどを担当。