19日(日本時間20日)に右肘じん帯の手術を受けたロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平。
2024年は打者に専念し、投手としてマウンドに上がるのは25年からという青写真が示された。メスを入れた後もフリーエージェント(FA)市場での人気はナンバーワンとされるが、気になるのは新天地の本命とされてきたロサンゼルス・ドジャースの動き。球界きっての敏腕記者は「ドジャースの大谷翔平追求には大きな疑問が伴う」と題し、記事を公開した。
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■「ド軍のオフシーズンは複雑になる」
米紙『ニューヨーク・ポスト』の敏腕記者ジョン・ヘイマン氏は21日(同22日)、「ドジャースの大谷翔平追求には大きな疑問が伴う」と題して、記事を公開。「手術によりドジャースのオフシーズンが複雑になる可能性がある」とし、新天地の本命とされるチームの動きを注視した。
ヘイマン記者は冒頭、なぜドジャースが大谷獲得で優位なのか説明。「彼らは野球界で最も安定した勝者」「地理的に望ましい」「5億ドル(約740億円)の値札を買う余裕がある」と3つの理由を提示した。
大谷は以前から「勝てるチームでプレーしたい」と公言しており、ここ11年間で10回ナ・リーグ西地区を制覇している強豪は本人の希望に合致。さらに西海岸でのプレーを好むとされる大谷にとって、エンゼルスと同じロサンゼルスに本拠を構えるドジャースは場所的にも文句なし。そして、次期契約は5億ドルにのぼると言われるなか、それを支払うだけの財政的余裕も持ち合わせている球団ということで、新天地に求められる要素をすべて満たしているのがドジャースだと紹介した。
■「今冬は先発投手の獲得に集中する」
相思相愛に映る大谷とドジャースだが、右肘手術の影響が影を落とすかもしれないという。ヘイマン記者によると「(ドジャースの)ローテーションには多くの疑問が残されており、チームは今冬、先発投手の獲得に集中する」と指摘。そのため、来季は打者専念となる大谷の獲得については「以前ほど適切な選択肢とは見なされていない」と記した。
先発投手陣については、ドジャース専門メディア『Dodger Blue』も不安視しており、「チームは今季、先発ローテーションの不安定性に振り回された。そして、将来についても今季同様に不透明だ」とした上で、「たとえ大谷が加入しても、依然として先発投手獲得の必要性は残る」とし、投手陣の整備が最優先と訴えた。
ドジャースは投手補強に資金を投下しつつ、手術の影響により来季は打者に専念することが決まった大谷の獲得も目指すのか。それだけの財政的余裕があるのもドジャースだが…右肘手術の波紋は広がり始めており、大谷獲得レースの行方も予断を許さない状況となっている。
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文●SPREAD編集部