【セントウルS/危険な人気馬】秋の短距離路線も「3歳世代」が躍動か サマーシリーズ最終戦で「買うべきではない」1頭とは

先週行われた新潟記念は伏兵馬マイネルファンロンが見事1着。新潟記念の騎乗成績が【1.3.0.1】の連対率80%と驚異的な成績を記録していたM.デムーロ騎手の「さすが」と言える好騎乗だった。2着には危険な人気馬として取り上げていたトーセンスーリヤが入線。こちらも想像以上に成長しており更に一皮剝けた印象で、秋のGI戦線でも活躍に期待がかかるだろう。

さて、今週は中京競馬場で第35回・セントウルS(GII、芝1200m)が行われる。

レシステンシアは前走のヴィクトリアマイルで6着に敗れるも、高松宮記念2着、NHKマイルC2着、桜花賞2着の実績があるようにスピード能力は現役屈指で、同条件の高松宮記念を好走しているように中京への適性も抜群。秋の飛躍に向けここは落とせない一戦となる。函館スプリントS2着のカレンモエは「ロードカナロア×カレンチャン」というTHE短距離の血統で、デビューから一度も掲示板を外したことがない実績も持ち合わせていることからも、初のGIIとなるここでも大崩れはなさそうだ。その他、中京1200mに良績のあるクリノガウディー、CBC賞2着ピクシーナイトなども虎視眈々だ。

ここでは現3歳馬のスプリント路線での活躍から導いた「世代交代」の傾向を基に、馬券のヒントとなる「危険な人気馬」としてレシステンシアを取り上げたい。

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■現役屈指のスピードを持つレシステンシアの明と暗

まずは、レシステンシアの近4走について考察する。

4走前のマイルチャンピオンSは、好スタートから先頭に立ち、スピードを生かす逃げの手を打ったが、プラス24キロの馬体重も影響したのか直線ではすでに力は残っておらず、後続馬に飲まれ8着に敗れた。

1番人気に推された3走前の阪急杯ではキャリア初の距離短縮ながらも、逃げて2着以下に影を踏ませない競馬を披露し、1分19秒2の好タイムで快勝した。さらに距離短縮となった前々走高松宮記念は外枠から本来の「逃げ」の戦法はとらず、道中6~7番手に構え脚をためる競馬をした。重馬場ながらも上がりはメンバー中3位となる「34秒5」を計測し、競馬の幅の広さを利かせたレースとなった。そして前走のヴィクトリアマイルは番手につけ、クリスティ、スマイルカナを早々に交わしにかかるもグランアレグリアの鬼脚に屈し、ランブリングアレーやマジックキャッスルにも交わされて6着に惨敗した。

戦歴からも「非凡なスピードセンスがあり、先行力を武器に好走している」と評価することもできる。だが惨敗したレースはいずれも「逃げ」「先行」の手を打ち、後続馬に脚を使わせない競馬をするものの、後ろから差され馬群に飲まれるケースが多いことから悪く言ってしまえば「差しが利くペースで先行し後続馬に目標にされやすい」のだ。

■懸念される「マンマーク」と「鞍上不安」

また、高松宮記念2着、20年NHKマイルC2着など一見、左回りにも良績が集まっているようにも見えるが、惨敗している左回りを分析すると4コーナー過ぎに「1~2馬身後ろでマーク」され脚が鈍ったところで交わされており、高松宮記念では後ろでマンマークしていたダノンファンタジーが優勝、NHKマイルCでは終始真横でマークしていたラヴダシオンが優勝するなど左回りでは常に「マンマーク」に苦しみ惨敗しているのだ。

恐らく今回は「実績」「調教」「鞍上」からも圧倒的な1番人気に推されそうだが、NHKマイルCでマークされ敗れている強敵ラヴダシオンや先行力に定評がある良血馬カレンモエ、勢い急な3歳馬ピクシーナイトの他、気性が荒いものの先行気質が強いクリノガウディーなど「4頭のマンマーク」に気を使いながらレースを進めなければならない可能性があり、その馬たちに足元をすくわれる公算が高いのだ。

また鞍上のルメール騎手も、近1年「中京芝1200m」で【1-0-0-6】とリーディングトップの名手でも1つしか勝ち星を挙げられてないのも気になる点だ。

■ラーゴムが惨敗も短距離路線では外せない「3歳馬」

先週の新潟記念で本命視したラーゴムは馬群に飲まれ12着と大敗してしまったが、短距離路線では無視することができない「若い世代の台頭」というキーワードもレシステンシアの不安材料となる。

今回出走するピクシーナイトが古馬混合重賞のCBC賞でいきなり2着に好走し、オールアットワンスがアイビスサマーダッシュを制覇、北九州記念で勝利したヨカヨカ、4着シゲルピンクルビー、キーンランドCを勝利したレイハリアなどこの夏のスプリント路線で旋風を巻き起こしたことは記憶に新しいが、GIIに上がってもこの勢いは止まることはなさそう。

しかし、そんな勢い十分な「3歳世代」にも課題がある。これまで3歳馬は「斤量減」というプラス材料があったが、今回有力視されるレシステンシアやカレンモエらは牝馬(斤量54キロ)なのだ。つまりこれまであった斤量差が有力牡馬とは異なり「2キロ差」となってしまうため、実力差がある場合斤量差の恩恵が受けられない可能性もある。だが、ここでもそれを相殺できるような素質のある3歳馬が出走しているため、「ソダシ世代」の勢いは継続するだろう。

つまり、ラヴダシオンやクリノガウディー、カレンモエなどの強力先行陣の厳しいマークを意識してしまい、その上で後ろからきた3歳馬のフレッシュな末脚にあっさり惨敗。というケースも頭に入れておきたいところだ。

■馬券の妙味を考えると最終結論は「消し」

ここまでレシステンシアに関する不安要素を紹介したが、現役屈指のスピードを誇るGI馬が秋の飛躍に向けここに出走してくれたことに敬意を表したい。

ただ、馬券の妙味を考えると、ここは「消し」の評価。

本命はピクシーナイト。前走CBC賞では逃げたファストフォースを差し切れなかったが、シンザン記念などを快勝した得意の左回りに戻り、中京リーディング上位の福永騎手と共に古馬を一蹴して欲しいところだ。対抗はラヴダシオン。前走こそ大敗してしまったが、戦歴の通り「凡走→好走」を繰り返す馬。今回は好走の順番となるが、跨るのは新潟記念を勝利し勢いに乗るM.デムーロ騎手ということもあり恐らくレシステンシアをマークするだろう。メンバーの中で唯一レシステンシアをかわしたことのある馬なだけに警戒が必要だ。

以下、押さえでタイセイビジョンラヴィングアンサーカレンモエとする。ラヴィングアンサーは昨年のセントウルSで0.6秒差の8着馬だが、注目すべきは「末脚の堅実さ」だ。デビュー以来(全31戦)、負けたとしても1着馬から「0.0秒~0.8秒差」で走っており、必ず勝ち馬の「4~5馬身差以内」にこの馬がいるという計算になる。この馬の堅実さが夏の終わりを告げる「波乱の使者」となるだろう。

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文・西舘洸希(SPREAD編集部)


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