【新潟記念/危険な人気馬】現実味を帯びてきた「3歳馬最強説」 オール野芝の新潟で「買うべきではない」1頭とは

先週行われたキーンランドCは3歳牝馬レイハリアが数々の短距離有力馬を撃破し見事1着。札幌記念のソダシに続き、やはり3歳馬の勢いは無視することができない。同レースで「危険な人気馬」として指名したミッキーブリランテは10着と大敗したが、ここを叩いて秋の大一番に向けしっかりと調子を上げてくることだろう。

さて、今週は新潟競馬場で第57回・新潟記念(GIII、芝2000m)が行われる。サマー2000シリーズ制覇を目論む馬や秋に向け飛躍を狙う馬など各陣営の思惑が交錯する一戦で、非常に難解なレースとなりそう。

前走函館記念で快勝したトーセンスーリヤは、現在サマー2000シリーズ第3位で上位とのポイント差からも得意の地新潟で、是が非でも馬券内には好走したいところだろう。エプソムCで待望の重賞初制覇を果たしたザダルは、ここにきて本格化した印象で左回りにも実績がある。クラヴェルは重賞初挑戦の前々走から連続で馬券内に好走しており、牝馬特有の切れ味を武器に牡馬撃破となるか。その他、大器リアアメリアラインベックヤシャマルショウナンバルディなども秋に向け虎視眈々だ。

ここでは競馬界のトレンドとなりつつある現3歳馬の活躍から導いた「世代交代」の傾向を基に、馬券のヒントとなる「危険な人気馬」としてトーセンスーリヤを取り上げたい。

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■新潟特有の「オール野芝」から読み解くトーセンスーリヤの明と暗

まずは、トーセンスーリヤの近4走について考察する。

4走前の中山記念は、前を行ったバビット、ウインイクシードがハイペースで逃げる中、3番手から競馬を進め、坂のある直線で伸びきれず5着に敗れた。1番人気に推された3走前の福島民報杯(新潟開催)では大雨が降り頻る中、重たい馬場に脚をとられ10着に大敗、前々走の新潟大賞典は「4着に好走」したようにも見えるが中山記念と同様に3番手からダラっとした脚で「抜けず、抜かせず」の競馬をしてしまった。そして前走の函館記念は4戦連続となる「道中3番手」で競馬を運び、先行したマイネルファンロンやレッドジェニアルが早々に脱落していく中、4コーナーで先頭に立ち鞍上のゲキに応え2着馬に3馬身差をつける勝利となった。

戦歴からも「先行力があり相手なりに好走する」と評価することもできる。だが惨敗したレースはいずれも番手から35秒台後半の上がりの脚を使い先頭を抜かそうとするも、後ろから差され馬群に飲まれるケースが多いことから悪く言ってしまえば「相手なり」で走ってしまうことが定着してしまっているのだ。

また、20年の新潟大賞典を勝ち、翌年の21年新潟大賞典4着など一見、新潟に良績が集まっているようにも見えるが、新潟大賞典の開催時期はいずれも5月の1週目だった。新潟特有の「オール野芝」を分析すると野芝が生育していくのは例年5月下旬からで、1回新潟開催の芝丈はは「5~7センチ」となっていた。つまり芝が伸び切っていない「パワーが必要とされない馬場」での好走だった。

つまり、今年は福島競馬場が使用できなかった影響で約1カ月早く開催が始まってしまった為、例年より芝の傷みが進み「パワーが必要とされるタフな馬場」に変化している可能性が高い。3走前の福島民報杯並なタフな馬場とは言わないが、それに近い環境になっていると想定した場合、力のいる馬場が得意ではないトーセンスーリヤは番手から長くいい脚を使うことができない公算が高いのだ。

■先週もレイハリアが続き 際立つ“ソダシ世代”の強さ

先週に続いてしまうが、やはり無視することができない「若い世代の台頭」というキーワードも、トーセンスーリヤの不安要素となるだろう。ソダシに続き、キーンランドCでも3歳牝馬のレイハリアが古馬を撃破。短距離路線でも「ソダシの同級生」が活躍した。安田記念のシュネルマイスターから始まった「3歳馬」の勢いは、ピクシーナイト、オールアットワンス、ソングライン、ヨカヨカ、シゲルピンクルビー、ソダシ、そして先週のレイハリアが続き、いよいよ「世代交代」が現実味を帯びてきた。

つまり、「絶対的な末脚」や「他馬に負けない気性」を持っていないトーセンスーリヤが、若い馬の勢いを止めることは不可能に近いだろう。秋には21年のダービー馬シャフリヤールやエフフォーリア、オーソクレース、ステラヴェローチェら強力3歳勢が古馬撃破に向けて始動する為、サマー2000シリーズ最終戦となるここが「メイチの仕上げ」となってくるだろうが、3歳馬の勢いに飲まれあっさり惨敗することも頭に入れておきたいところだ。

■馬券の妙味を考えると最終結論は「消し」

ここまでトーセンスーリヤに関する不安要素を紹介したが、まずはサマー2000シリーズ制覇に向けて出走してくれたことに敬意を表したい。

ただ、馬券の妙味を考えると、ここは「消し」の評価。

本命は3歳牡馬ラーゴム。皐月賞、ダービーに参戦したものの結果は惨敗。しかし2走以外は一度も馬券を外したことがなく、得意の左回りに戻り3走前のきさらぎ賞のような「気持ちを前面に出したような末脚」を繰り出して古馬を一蹴して欲しいところだ。対抗はラインベック。久々に芝に戻った前走の江の島Sでは逃げの手を打ち、上がり33秒0の脚でまとめ快勝した。中京2歳S以来の芝での勝利となったが、もともと芝で出世を期待されていた良血馬で見限るには早計だ。前走をフロック視してはいけないだろう。

以下、押さえでザダルパルティアーモショウナンバルディとする。パルティアーモは8月以降の野芝が生育されきった当地の成績が【2-0-1-0】と馬券を一度も外したことがなく、この時期の新潟を最も得意としている。この馬が波乱を巻き起こす可能性が高いため、「ヒモ荒れ」にも期待したいところだ。

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文・西舘洸希(SPREAD編集部)


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