北京五輪は12日、スキージャンプ男子個人ラージヒル決勝が行われ、小林陵侑が銀メダルを獲得した。小林は個人ノーマルヒルでも金メダルに輝いており、スキージャンプ個人種目で2つのメダル獲得は1998年長野五輪での船木和喜以来、日本人2人目の偉業となった。
そんななか、ポーランドのスポーツメディア「Sportowe Fakty」は12日、その船木による長野五輪での活躍に再注目。個人ラージヒルでの完璧なジャンプを「夢のような飛翔」と評し、その凄さに改めてスポットライトを当てている。
◆【実際の映像】ジャッジ全員が「20点満点」をつけた伝説のジャンプ 船木和喜が日本中に感動を呼んだ長野五輪での完璧なパフォーマンス
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■審判全員が「20点満点」
世界中の選手が手本にするとも形容される小林の美しいジャンプだが、彼の活躍を通じて多くのスキーファンが船木の姿を今また思い浮かべているはずだ。長野五輪での船木は個人ノーマルヒルで「銀」、個人ラージヒルと団体ラージヒルで「金」と大活躍。日の丸飛行隊の顔役として、日本中に興奮と感動を呼んだ。
中でも観衆の度肝を抜いたのが個人ラージヒルの2本目。金メダルにつながったこの132.5メートルのジャンプは、五輪史上初めて審判全員が飛型点20点満点をつけた“完璧”なパフォーマンスだった。
「Sportowe Fakty」の記事では「日本は数多くの素晴らしいジャンパー達を輩出してきたが、彼らが全員五輪で活躍できたわけではない」とこれまでの日本勢を振り返りながら、「カズヨシ・フナキが希望の光となった」と長野での活躍を高く評価。個人ラージヒル2本目のジャンプについて「フナキは空中で微動だにせず、着地も完璧に決めてみせた」と回顧した。
1回目で4位だった船木はこのジャンプで一気に逆転。飛距離では原田雅彦の136メートルに及ばなかったが、総合的に判断すれば文句なしの結果であった。「Sportowe Fakty」も「完璧なジャンプだった。ジャッジも彼の芸術性に最大限の敬意を払い、夢の得点、5人全員が20点満点をつけた」とつづった。
今五輪での小林の活躍は、当時の船木を想起させると言っても過言ではないだろう。小林は1大会3個目のメダルを狙い、14日の男子団体ラージヒルに臨む。
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文・SPREAD編集部