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「ファンも愛犬もグッタリ」ワールドシリーズ史上最長試合で全米が寝不足に

 

「ファンも愛犬もグッタリ」ワールドシリーズ史上最長試合で全米が寝不足に
(c)Getty Images

ロサンゼルス・ドジャース対ボストン・レッドソックスのワールドシリーズ第3戦は互いに譲らず、延長18回まで続く7時間20分の史上最長ゲームになった。

最後はマックス・マンシー選手の劇的なサヨナラホームランにより、ホームのドジャースが勝利したものの、深夜まで応援していたファンは疲労困憊。

試合終了後にはSNSに「やっと寝られる」というつぶやきが溢れた。

守護神ジャンセン投入も同点弾を浴びて延長へ

敵地で2連敗したドジャースにとって、本拠地ロサンゼルスに戻ってきた試合は絶対に負けられない一戦。

必勝の願いを込めたジョク・ペダーソン選手の打球がスタンドまで届き、まずはドジャースが1点先制した。

その後は両チーム点が入らず1-0のまま試合が進む。そして、8回にドジャースはクローザーのケンリー・ジャンセン投手をマウンドへ。

ジャンセン投手は簡単に2アウト取って三者凡退に終わらせるかに見えたが、ジャッキー・ブラッドリー・ジュニア選手にソロホームランを許し土壇場で追いつかれてしまう。

このまま試合は長い延長戦に突入した。

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ファンに忍び寄る睡魔の影

延長では互いにチャンスこそ作るも点が入らず、一進一退の攻防が続く。

米国東部時間で20時過ぎに始まった試合も気づけば日付をまたいでいた。ファンからも「野球は好きだけど、さすがに眠い」の声が漏れる。

「誰か眠らせてくれ」

そのなかで先に勝機を掴んだのは13回表のレッドソックスだった。走者を2塁に置いてエデュアルド・ヌネス選手の当たりは内野ゴロ。

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しかし、ドジャースの守備が乱れる間に勝ち越しの走者がホームを踏んだ。

両軍ギリギリのところで戦ってきた接戦。均衡が破られたことで戦況はレッドソックス有利に傾く。

だが13回の裏、ドジャースの攻撃でヤシエル・プイグ選手の放った2塁への当たりが内野安打になり、さらに送球が逸れて2塁走者が一気に生還する。

同点に追いついたことで試合は14回の表が始まる。

ファンの愛犬も長い夜にグッタリ

このころになると眠いのは人間だけではない。彼らに付き合っていたペットたちも眠気の限界を迎え始めた。

SNSにはワールドシリーズを見ながら眠りに就いた犬の写真が上げられている。

お気に入りの人形と一緒に寝床で就寝。

 

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Max gave up. 15 freakin innings!!!!! Come on Dodgers. We need our beauty sleep lol. #dodgers #dodgerstadium #worldseries2018 #corgi #corgisofinstagram

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「ご主人、もう寝ましょうよ」の図。

 

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My dog is like… I want to go to sleep ???? Top of the 17th #letsgododgers #dodgers #boston #labrador #labradorretriever #dodgerstadium #worldseries #blue #ladetermined

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17回まで頑張って起きたけど目が開かない。

前田健太が5者連続三振の快投

勝って優勝に王手をかけたいレッドソックスと、本拠地に戻っての3連敗は絶対に避けたいドジャース。

それぞれ負けられない試合はブルペンの投手を総動員する総力戦になる。この展開でドジャースは15回のマウンドに前田健太投手を送った。

前田投手は先頭のヌネス選手に内野安打を許し、続くブラッドリー選手を四球で歩かせノーアウト1、2塁のピンチを招いた。だが、送りバントを素速く処理して3塁でアウトにすると、この守備からリズムを掴む。

ここから前田投手は圧巻の5者連続三振で2イニングを無失点に抑えた。

9イニング完投した場合の平均奪三振数を示す指標で今季の前田投手は、先発投手中チームトップの11個をマーク。高い奪三振率を期待されてポストシーズンはリリーフに回っている。

その起用に応える快投で味方打線を鼓舞した。

午前0時の「ドジャースタジアムなう」

その後も決定打を欠く両チーム。スコアボードは再び0が並び続ける。

やがて東部時間では午前3時を回り、ロサンゼルスが位置する米国西部の時計でも午前0時を迎えた。

ドジャースタジアムの電光掲示板に大きく12:00が表示されると、スタンドの観客は一斉にスマートフォンを取り出し撮影。

SNSには「ドジャースタジアムなう」の投稿が寄せられる。

 

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Midnight! Top of the 17th inning. Now it’s a sport for the spectators- We’re digging in! #worldseries #recordsetting #baseball #mlb #dodgerstadium

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Stay till we win ! #game3 #worldseries #bleeddodgerblue #ilovela #dodgers #thinkblue #dodgerstadium

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17th inning… we’ve been here since yesterday. Longest World Series game in history of professional baseball. #dodgers #history #worldseries #dodgerstadium

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ファンはドジャースの勝利を信じて応援し続ける。

サヨナラホームランで死闘に幕

いつまでも続くかに思われた試合も終わるときがやってくる。

18回裏にドジャースの先頭打者はマンシー選手。フルカウントから外角の変化球を捉えた打球は高く上がり、追いかける外野手の頭を越えて左中間最前列にスタンドイン。

激闘に終止符を打つサヨナラホームランだった。

マンシー選手の打球がフェンスの向こうに消えた瞬間、ドジャースの選手たちはベンチを飛び出し、ホームでヒーローを待ち構える。

劇的な終わり方に湧き上がるスタンド。深夜にも関わらず多くのファンが残って応援していたが、彼らもホッと胸を撫で下ろした。

「さあ家に帰ろう」

これぞ野球の醍醐味

SNSでもワールドシリーズ史上最長の試合に多くの反応が寄せられている。

「やっと眠れる」

「16回で寝落ちしてしまった」

「偉大なゲーム。こうした楽しみを提供できる唯一のスポーツが野球だ。私はシカゴ・カブスのファンだけど、素晴らしい試合をありがとう」

死力を尽くした直後の第4戦が大事

死闘と呼ぶにふさわしい試合を制し、シリーズ全体の流れも変えてしまいそうな雰囲気があるドジャース。

対してレッドソックスは、一気に王手をかけるつもりで第4戦に先発予定だった投手までリリーフ登板させてしまい、心身ともに痛い敗戦となった。

ここからドジャースが巻き返すのか、レッドソックスが流れを止めるか。

第4戦が非常に大事な試合となってくる。

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