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【Bリーグ】河村勇輝がスキルズ・チャレンジで史上最速を記録し優勝 オールスターDAY1

【Bリーグ】河村勇輝がスキルズ・チャレンジで史上最速を記録し優勝 オールスターDAY1
驚異的なタイムを叩き出し、満面の笑みを浮かべる河村勇輝 撮影:SPREAD編集部

Bリーグのオールスター「ドットエスティ B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2023 IN MITO」DAY1が13日、茨城ロボッツのホームアリーナであるアダストリアみとアリーナで開催された。この日行われたのは、スキルズチャレンジ、スリーポイントコンテスト、ダンクコンテスト、B.LEAGUE RISING STARSの1戦。

まず、アルバルク東京のAIバスケットボール・ロボットの第6世代「CUE6」がコートに登場し、スキルズ・チャレンジに挑戦した。ドリブルで多少ミスはあったものの、スムーズなスラロームとパスセンスを披露。最後には見事スリーポイントシュートを決め、早速会場を沸かせた。

見事にパスとシュートを決めるAIロボ 撮影:SPREAD編集部

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■Bリーグ記録の20.9秒

スキルズ・チャレンジには、茨城ロボッツから多嶋朝飛(PG)、平尾充庸(PG)、千葉ジェッツの富樫勇樹(PG)、川崎ブレイブサンダース藤井祐眞(PG/SG)、横浜ビー・コルセアーズの河村勇輝(PG)、滋賀レイクスのキーファー・ラベナ(PG/SG)、そして琉球ゴールデンキングスU18から須藤春輝(PG)もB1リーグの選手と肩を並べて出場した。

現在、Bリーグの平均アシストランキングで、試合平均9.6本と1位につけている河村がファンからの投票による優勝予想では37.6%ともっとも支持を集め、富樫が30.0%と予想2位だった。

競技前、茨城の平尾は「まさかここまで変わっているなんて」とアリーナの雰囲気についてコメント。ディフェンディング・チャンピオンの多嶋とともに地元ファンを盛り上げた。また、琉球の小さな巨人と呼ばれた須藤も「緊張している」と言いながらもスリーポイント・シュート以外はノーミスで終え、観衆にインパクトを与えた。

中でも川崎の藤井に「勝てないんじゃないか」と言わしめるほど、20.9秒という圧巻の記録をマークしたのは、やはり期待度No.1の河村だった。過去のスキルズ・チャレンジの中でもっとも速い記録となり、「スピードでやってやりたい」との言葉通り、群を抜いてのスピードを披露、1位に輝いた。ファンの予想2位の富樫はスリーポイント・シュートで外してしまい惜しくも2位。最後を決めていれば19秒台が期待されただけに、スピードスターの面目躍如と言ったところか。競技後、富樫は「裏で(河村の)ノーミスのプレーを見せられて、何かしらミスをしたら終わりだと思っていた。逆に楽になったけど、ノーミスはなかなか勝てない」と語り、後輩を讃えた。

オールスターならではのこんなワンシーンも 河村とサイズ 撮影:SPREAD編集部

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また河村は、優勝直後に「すごく気持ちいい」と笑顔を見せ、ノーミスでのプレーに「自分が一番びっくりしている」と語った。自身の後に競技した富樫のスリーポイントシュートの際には「優勝したかったので外れろと思っていた」と笑わせてくれた。今回のオールスター、最多となる17万7084票を獲得し出場。期待以上のパフォーマンスを披露。自身初のオールスター出場に「リーグ戦や日本代表戦とは違う雰囲気でバスケットボールができてすごく楽しい」と充実した様子だった。明日のALL-STAR GAMEにはB.BLACKの選手として出場、さらにキャプテンもつとめる予定だ。

■スリーポイント・コンテストは齋藤拓実が優勝

続くスリーポイントコンテストには、レバンガ北海道の橋本竜馬(PG)、秋田ノーザンハピネッツの古川孝敏(SG/SF)、宇都宮ブレックスの比江島慎(SG)、千葉のクリストファー・スミス(SG/SF)、三遠ネオフェニックスの金丸晃輔(SF)、名古屋ダイヤモンドドルフィンズから齋藤拓実(PG)、そして唯一B2リーグの長崎ヴェルカからジョーダン・ヘディング(SG)が出場した。

19本を決め、八村阿蓮(左)とハイファイブで喜ぶ齋藤拓実 撮影:SPREAD編集部

5箇所のラックに5個のボールが用意され、1分間での得点を競う。挑戦前、三遠の金丸から「最初のラックが大事」とアドバイスを受けたことを明かした北海道の橋本は18ポイントを記録。「やれることをやるだけ」とベテランらしいコメントをした秋田の古川は11本しか決めることができず膝をついて落ち込み、意外にもこの種目初出場となった宇都宮の比江島も10ポイントという結果に苦笑いするなど、出場選手それぞれが会場を大いに沸かせた。

名古屋DDの齋藤は安定さを披露し19ポイントと会場だけでなく出場選手までもが盛り上がりを見せた。橋本への事前のアドバイスは「うそだった」と会場を大笑いさせた三遠の金丸は、直前の齋藤の記録に「緊張する」と語り、記録は15ポイントと齋藤の記録には及ばず。競技後に齋藤は「自信がなかった。シュートタッチを掴むことに苦労したが、最後に連続で入ってよかった」と笑顔を見せた。

そしてダンクコンテストには、アルバルク東京のセバスチャン・サイズ(PF/C)、琉球ゴールデンキングスのコー・フリッピン(PG/SG)、B2から青森ワッツのマックス・ヒサタケ(PF)の3選手が登場した。この競技のみ、コート上でくじ引きをし、競技順を決定。くじ引きの結果、琉球のフリッピン、元チャンピオンのA東京のサイズ、最後に青森のヒサタケが予選を戦った。

■優勝を逃すも会場を沸かせたセバスチャン・サイズ

河村越しに豪快なダンクを決め会場を沸かしたセバスチャン・サイズ 撮影:SPREAD編集部

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審査員には、Bリーグ島田慎二チェアマンやFIBA バスケットボールワールドカップ2023のマスコットキャラクター「JIP」らが参加。子供用の車に乗りながら姿を現したサイズが、リング下で、その車に横浜BCの河村を乗せると、河村からトスを受け、見事リングにボールを叩き込み会場を盛り上げた。人生初のダンクコンテストというヒサタケはバックボードから走り込み、千葉Jの富樫からのアシストを豪快に叩き込んだ。決勝には、フリッピンとヒサタケが進み、チームメートである琉球の今村をアシスタントに、ボードのエッジを使ったアリウープを披露したフリッピンが見事優勝した。

B.LEAGUE RISING STARSは、A東京の吉井裕鷹(SF)やシーホース三河の西田優大(SG)らが滋賀レイクスのキーファー・ラベナや名古屋DDのレイ・パークスジュニアらASIA ALL STARSのメンバーと戦った。西田が連続でスリーポイントシュートを決めるなど華麗なプレーを披露しファンの心を掴むなどDAY1に花を添えた。試合は118-114でASIA ALL STARSが勝利している。試合を終え、宇都宮のヤン・ジェミン(SF)は、「今夜の雰囲気がとてもよかった。他の国の選手とプレーすることを楽しんだ」と感想を述べた。中でも、同じ韓国出身の福島ファイヤーボンズのチョン・ギボム(PG)とともに出場したことについて、「以前は韓国出身選手が自分しかいなかったので、特別なことだった」と笑顔を見せた。オールスターという祭典を楽しんだヤンは最後にファンへ向け、「いつも応援ありがとう。もっと努力するのでこれからも応援してほしい」と語った。

コメントするヤン・ジェミン 撮影:SPREAD編集部

秋田の古川は、DAY1を振り返り、「演出に胃が飛び出しそうなほど緊張した」と語った。スリーポイント・コンテストの自身の結果についても「非常に残念。シュートを打った後、余韻に浸りすぎてリズムが悪かった。猛反省」と苦笑い。コロナ禍、3年ぶりの開催となったオールスター、そんな選手の姿すらもファンには喜ばしいものだった。「ちゃんと打ちきれなかったが、ファンの皆さんが面白いと思ってくれたのならそれでいい」と語り、「明日の本戦では普段やらないことをやりたい」と気合を入れ直した。DAY2、古川はB.WHITEのメンバーとして出場、公約にはダンクを掲げている。「できるかはわからないがガツガツ狙いに行きたい。ダンクとディフェンスをがんばります」と笑顔で語った。

思うようなパフォーマンスを発揮できず、がっくりと膝をつく古川孝敏(右端) 撮影:SPREAD編集部

14日は、U18 ALL-STAR GAMEが16:30から、ALL-STAR GAMEは19:15から行われる。

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■著者プロフィール

木村英里(きむら・えり)
●フリーアナウンサー、バスケットボール専門のWEBマガジン『balltrip MAGAZINE』副編集長

テレビ静岡・WOWOWを経てフリーアナウンサーに。現在は、ラジオDJ、司会、ナレーション、ライターとしても活動中。WOWOWアナウンサー時代、2014年には錦織圭選手全米オープン準優勝を現地から生中継。他NBA、リーガエスパニョーラ、EURO2012、全英オープンテニス、全米オープンテニスなどを担当。