【MLB】大谷翔平から主役強奪 ルーキー右腕が160キロ連発・がんを克服した守護神復帰登板の一戦 

 

【MLB】大谷翔平から主役強奪 ルーキー右腕が160キロ連発・がんを克服した守護神復帰登板の一戦 
エンゼルス・大谷翔平(C)Getty Images

ロサンゼルス・エンゼルス大谷翔平は29日(日本時間30日)、敵地でのシカゴ・ホワイトソックス戦に「3番・DH」で先発出場し、4打数無安打。2試合ぶりノーヒットに終わったが、チームは6-4で勝利し、連敗を3で止めた。なお、昨年7月のMLBドラフトでエンゼルスから3巡目指名を受けたベン・ジョイスがメジャー初登板。100マイル超えを連発し、1回を無失点に抑えた。また、ホワイトソックスの守護神リアム・ヘンドリックスが、がん闘病を経て復帰登板を果たした。

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■ひざ下付近に死球も大事には至らず

大谷の第1打席は右ひざ付近への死球。94.6マイル(約152キロ)の直球がもろに当たり、苦痛にあえいだが、その後も何とかプレーを続行。第2打席以降は三邪飛、空振り三振、空振り三振、遊ゴロに終わり、結局2試合ぶりのノーヒット。打率は.263に下降し、直近7試合に限れば27打数3安打11三振で、打率.111と不振に陥っている。

フィル・ネビン監督は大谷の死球について「ひざ下付近だが、本人は大丈夫だと言っている」と明かし、大事には至らないとコメントしたという。

快音が聞かれなかった大谷に代わって、この日スポットライトを浴びたのは投手2人。エンゼルスのルーキー右腕ジョイスと、がん(悪性リンパ腫の一種である非ホジキンリンパ腫)闘病を経て、復帰登板を果たしたホワイトソックスのヘンドリックスが輝いた。

まず、1点リードの7回から登板したジョイスは100マイル(約160キロ)超えを連発。1安打を許したものの、現地メディアによると、投じた12球のうち11球が100マイル超えのシンカーで、これを下回ったのは89.3マイル(約144キロ)のカッター1球だけだったという。

■ルーキー堂々「快適に投げられた」

22歳のジョイスは2022年、テネシー大在学中に105.5マイル(約169.8キロ)の剛球を投げて話題になった。そして、その年のドラフト3巡目(全体89位)でエンゼルスに入団。今季は2Aで14試合に投げ0勝1敗4セーブ、防御率4.60をマーク。3Aでのプレーを経験せず、26日(同27日)の夜に飛び級でのメジャー昇格を告げられたばかりだった。

試合後、取材に応じたジョイスは「自分が想像していたよりも快適に投げられた。思っていたよりもずっと良かった。私は、ただ自分の力を信じてストライクを投げた。そうしたら、うまくいった。素晴らしい気分だ」と初登板の感想を語った。

一方、スタジアムを感動の渦に巻き込んだのが、8回に4番手で登板したヘンドリックス。1回を3安打2失点と苦しい復帰マウンドとなったが、それでも大谷を遊ゴロに抑えるなど堂々たる投球を披露。ステージ4のがんから帰還した34歳の守護神に対して、自軍ベンチ、そしてエンゼルスベンチからも拍手が贈られ、スタンドのファンはスタンディングオベーションで迎えた。

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ヘンドリックスは試合後、「またグラウンドに戻ることができてうれしい。再び戻って来て、スパイクを履き、走り回る、全てをやったし、良い感じだった。とても落ち着いたと思う」と復帰戦を振り返った。

大谷の見せ場は少なく、ルーキーのデビューとベテランの復帰がドラマティックに重なった試合に、大谷は主役の座を追われたかたちだが、ファンの脳裏に深く刻まれたはずだ。

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文●SPREAD編集部