【NHKマイルC】その存在意義と2011年の大激震から見えた、クラシック路線から転戦のダークホース2騎

【NHKマイルC】その存在意義と2011年の大激震から見えた、クラシック路線から転戦のダークホース2騎

NHKマイルCがクラシックに出走できない3歳外国産馬にも開放するカタチで誕生したのは誰もが知るところ。案の定、新設当初のNHKマイルC出走馬は外国産馬で占められ、まさに「マル外ダービー」そのものだった。しかし第1の変化はすぐに起きる。トニービン、ブライアンズタイム、サンデーサイレンスの輸入による内国産馬の強化である。これにより外国産馬の輸入は徐々に減り、NHKマイルCは3歳のマイルチャンピオンを決めるレースへと変貌。

そして外国産馬にもクラシックが解放された現代「マイル戦なら2歳G1で十分ではないか? 春にやる意味はあるのか?」と、その価値に疑問を持つ者は少なくない。競馬は人と時代によって、その意義を変える。それゆえに「第2の変化がひそかに余儀なくされた?」と筆者は想像している。

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■2011年に競馬界を揺るがした激震

「一口馬主は馬主ではない」。2011年に金融庁からこういった指摘・指導が入り一口クラブに激震が走る。この指導により、出資馬の2歳時での死亡・競走能力喪失、また未勝利で引退した時などに適用されていた補償制度(出資額に対する一定割合額を次回の出資時に充当する制度)がなくなった。「一口馬への出資は投資で、補償制度は損失補填にあたる」というのが金融庁の見解。

「それがNHKマイルCと、どう関係があるの?」と思われるだろうが、もう少しだけお付き合い頂きたい。

補償制度がなくなることは大きなインパクト。1頭40口のクラブ会員の場合「一口あたり数十万~100万円を超える出資金が全くのゼロ」になってしまう。クラブ側からしたら「どんなに不景気でも馬を買ってくれる」クラブ会員が減ってしまうかもしれない。一口馬主のシステムに訪れた最大の危機。実際にこれを機にクラブを去った知り合いは少なくはない。

■NHKマイルCに起きた第2の変化とは?

さて長々と一口馬主のシステムについて書いたが、ここからNHKマイルC第2の変化について言及しよう。

ある日の飲み会で、一口クラブ仲間の一人が「最近のNHKマイルCってクラブの馬がやたらと勝ってない?」と切り出した。そこにいた全員が疑いつつ調べてみると確かに……

NHKマイルC上位馬主成績

NHKマイルC上位馬主成績

2005年~14年の10年と、2015年~24年の10年を比較すると、その差は歴然。

桜花賞の一口クラブ馬の成績は2005年~14年が【4.7.5.38】で2015年~24年のここ10年が【5.4.2.31】と大きな変化は見られない。これに対しNHKマイルCは2005年~14年が【1.3.4.26】だったのが、近10年は【5.7.3.35】と5勝し、2着も7回に急増。この事実は見過ごせない。

そしてこれが2011年のクラブ募集馬あたりを境にしているように見えるのが、先に書いた「第2の変化が余儀なくされた?」という筆者の想像につながる。2011年の一口馬主システム変更を緩和させるためにNHKマイルC一口クラブとクラブ会員の救済レースに変化させたのではと。「本当にそんな思惑がレースに影響を与えることがあるのか?」という疑問は残るが、実際に一口クラブの馬の勝ち鞍が急増したレースは他にも存在する。中には勝率が7割近くまで増加したものもあるので、当コラムで機会があれば書こうと思う。

「マル外ダービー」として誕生した後、「内国産馬の強化」によって3歳のマイルチャンピオン決定戦へと変わったのが第1の変化、さらに「一口クラブとクラブ会員の救済レース」への変貌が第2の変化。これが現在のNHKマイルCでは……と思えてならない。

■すっかり様変わりした前走傾向

常識的にハナからNHKマイルCを目標にする馬よりも、無理をしてでも桜花賞・皐月賞を目指した馬の方が陣営の期待も競走能力も高いと言えよう。確かにニュージーランドT・アーリントンC(現チャーチルダウンズC)組からも勝ち馬は出ているが、その確率は比べものにならない。

NHKマイルC好走の前哨戦一覧

NHKマイルC好走の前哨戦一覧

データを信じ、馬券の軸は桜花賞・皐月賞の上位組や「オークス・ダービーでは距離が長い」けどココなら勝てると判断された馬を選びたい。

■3歳での2kg差は牝馬有利の見方もできる

3歳春の斤量2kg差は牡馬・牝馬の差を埋めて余るものがある。2015年~24年の勝率こそ牡馬が僅かにリードしているが、連対率・複勝率は牝馬が圧倒。2005年~14年に至っては牝馬有利が明確。

2015年~24年
牝馬【2.6.1.30】勝率5.1%/連対率20.5%/複勝率23.1%
牡馬【8.4.9.119】勝率5.7%/連対率8.6%/複勝率15.0%

2005年~14年
牝馬【2.1.1.14】勝率11.1%/連対率16.7%/複勝率22.2%
牡馬【8.9.9.136】勝率4.9%/連対率10.5%/複勝率16.0%

牡馬には「あわよくば、ここで結果を出してダービーへ」という誘惑もあり、仕上げに余裕を持たせていることも考えられる。逆に牝馬がNHKマイルCから中1週でオークスへ向かうことは非現実的で、メイチに仕上げてレース後は放牧というのが既定路線。この差も大きいはずだ。

■データからNHKマイルCで狙いたい馬はコレ

大荒れもあるNHKマイルC。人気に惑わされず、勝ち鞍増加中の一口クラブ馬を中心に軸を選びたい。

1頭目はチェルビアット/馬主シルクレーシング

白老ファームの根幹牝系ともいえる通称サッシュ系でG1・2勝のショウナンパンドラの半妹。昨年の勝ち馬ジャンタルマンタルと同じ高野友和厩舎。

フィリーズRで、いきなり後方一気を決めての2着。「覚醒した」と送り出された桜花賞では3コーナーでのロスが大きく、直線鋭く伸びるも6着の勿体ない競馬。牝馬2kgの恩恵もあり狙ってみたい一頭。

2頭目はマジックサンズ/馬主サンデーレーシング

2番人気も16着と大敗だったホープフルSから歯車が狂ったが、前走・皐月賞(6着)で33秒8の最速の上りを披露。普通ならダービー直行だろうが陣営はNHKマイルCを選んだ。これにどんな意図があるのか分かりかねるが、母親が短距離の差し馬だったことから実を取りに来たと思われる。

■「人気薄の激走馬」をも見抜く「ホンモノの情報」がここにある!

「人気薄の激走には理由がある」これがいかに重要か馬券ファンなら誰しもが知るところ。その重要性を理解し、データや情報に裏付けされたレースを見極めなければプラスにはならない。

しかし、これがいかに難しいことか……。

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※本稿はプロモーションを含みます。

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