今年カタールで開催されるワールドカップで、スペイン代表が日本代表と戦うこともあり、最近はスペインのメディアでも日本代表選手の詳しい情報が取り上げられるようになった。話題の中心となるのはやはりマジョルカでプレーする久保建英だ。
スペインのスポーツ紙『as』は過日、日本で開催されたワールドカップアジア最終予選対ベトナム戦について、「日本代表が久保建英への信仰を失った(Japón le pierde la fe a Kubo)」と報道。この試合では久保よりも南野拓実(リバプール)や伊東純也(KRCヘンク)の働きが日本代表の攻撃において効果的であったとし、「日本代表における久保の重要度が低下している」とし、代表におけるエースの将来を憂いた。
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■「久保は岐路に立たされている」
同紙は日本1対ベトナム1の同点で終わったこの日の試合について、前半はベトナムがリードしていたことに加え、久保が2度ゴールを決めるチャンスがあったにも関わらず結果的に無得点に終わったことを指摘。同時に、久保はこの日のゲーム中に46回のボールタッチがあったにも関わらず、14回もボールを失ったことも伝えている。
またベトナム戦の前に行われ、ワールドカップ本戦出場のための重要なゲームとなったサウジアラビア戦とオーストラリア戦に久保が出場しなかったことにも触れた。その中で、現在の日本代表では南野や伊東の他にも三笘薫(ユニオンSG)や、今回招集されなかった堂安律(PSV)といった選手が台頭してきていると説明。久保が今までのようにいつでも日本代表の試合に出場できるわけではなくなってきているとしている。そして「今、久保は岐路に立たされている」との一文で、この記事を締めくくっている。
かつてスペイン・メディアが日本代表の試合が取り上げられる際は、リーガ・エスパニョーラでプレーする日本人選手が中心と決まっていた。しかし、最近は日本代表全体を見た上で、多くの選手について触れた記事が多くなっている。久保に関心が集まるその一方で、W杯イヤーであるがゆえ、他のヨーロッパリーグでプレ―している南野や堂安の名前が上がることは、もはや珍しくない。
『as』は別の記事で「日本は久保以外にも、注目すべき選手がいる(Japón: mucho más que Kubo)として、吉田麻也(サンブドリア)、酒井宏樹(浦和)、遠藤航(シュツットガルト)の3人のベテランのディフェンスが、日本代表がプレーするときの安心材料になっていると分析。
しかし『La Provincias』は「日本代表の弱点は久保や堂安と同じくらいのレベルのトップチームでプレーしている選手が少ないこと、そして、強いチームと戦いに対応できるゴールキーパーやフォワードがいないことにある」と手厳しく評価した。
W杯で日本代表と相対することが決まって以来、スペイン国内でも日本選手に対する注目度が上がっている。スペインから観た日本選手情報を今後も適宜お届けしたい。
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文・對馬由佳理(スペイン在住)