K-1初の女子大会『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN ~RING OF VENUS~』が25日、国立代々木競技場 第二体育館で開催され、メインイベントでK-1 WORLD GP女子フライ級王者・KANAが、フランスの強豪・スーリ・マンフレディを劇的KO。自身が持つ王座の初防衛に成功した。
◆【実際の映像】KANA、鮮烈な左ハイキックでマンフレディをリングに沈めるKOシーン
■最後は技ありの左ハイキックで劇的KO
KANAは、K-1で初めて女子の試合を行った第一人者。19年12月に王座を獲得して以来、今回が初防衛戦。相手のマンフレディは、43戦33勝(20KO)9敗1分の戦績で、20KO勝利と規格外の決定力を持つファイター。
KANAは、第1ラウンドから覚悟のアグレッシブファイトを見せる。両者ロー、ミドルキックを出し合った後、いきなり剛腕右フックをアゴにクリーンヒットさせてダウン奪取。さらに、パンチ連打でスタンディングダウンを追加して早くも攻勢に。しかし、さすがは強豪外国人選手だ。打たれ強く、簡単には倒れてくれない。第1ラウンド終盤、細かいパンチを被弾し、足がふらついてしまうKANA。
第2ラウンド、KANAは冷静に右カーフキックを散らしつつ、ハイキックと様々な攻撃を出す。徐々にマンフレディのふくらはぎは腫れ、足が流れるなどダメージを感じさせる。マンフレディの鋭いパンチを、KANAはダッキングで交わす。
第3ラウンド、KANAは右のカーフキックを数発強打。マンフレディは、足に力が入っていないようで、明らかにダメージを感じさせる。すると、ガードが下がったところに、KANAが鮮烈な左ハイキック。これでダウンしたマンフレディを見たレフェリーが試合を止めた。
■「K-1チャンピオンはKOじゃないとダメ」
KANAは、K-1女子のエースとして、メインイベントを圧巻KOで締め、涙ながらに勝利を喜んだ。「女子はKOが少ない」と言われる中、倒す試合をすることがKANAの理想像。K-1王者とは、孤高の存在なのだ。
KANAはマイクを持つと「女子大会が決まってから正直不安の方が大きくて……」と心境を告白。K-1を盛り上げてきた武尊などトップ選手は、普段からKOでメインイベントを締める。それだけに、大会全体を背負うプレッシャーもあったのだろう。
最後に「これがK-1女子のスタートで、もっと沢山の人がK-1女子を目指して来てほしいと思います。まだ自分も強くなっている実感があるので、日本中の女子格闘技をしっかり背負っていきたい。K-1チャンピオンはKOじゃないとダメでしょ。K-1最高!」とアピール。ONEで活躍中のアニッサ・メクセンの名を挙げていたように、KANAはこれからK-1最強を証明するための戦いに打って出る。
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文・吉田崇雄