ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平が8日(日本時間9日)、本拠地でのサンフランシスコ・ジャイアンツ戦に「2番DH」で先発出場。第1打席で先制の中前適時打を放つなど4打数1安打で、打率は.307となった。
チームは7―5で競り勝ち、8月に入って初勝利。今季ワースト記録だった連敗も「7」で止めた。
◆“窮地を救った”大谷翔平、貴重な先制打が決勝点 崖っぷちエ軍7連敗でストップ
■8月初勝利でプレーオフへ7差
1回無死二塁のチャンスで打席に立った大谷。カウント3―1から左腕スコット・アレクサンダーが投じた内角ツーシームを中前に運んだ。この一打で二塁走者ルイス・レンヒーフォが本塁へ帰還。連敗中のチームに貴重な先制点をもたらした。
大谷はその後、3番ブランドン・ドゥルーリーの左前打で二塁に進塁。さらに5番マイク・ムスタカスの右前打で2点目のホームを踏んだ。第2打席は中飛、第3打席は右直、第4打席は遊ゴロに倒れた大谷。2点をリードして迎えた8回2死三塁の好機では申告敬遠で出塁。スタジアムに詰め掛けたファンからはブーイングが飛んだが、大谷が直後に今季16個目の盗塁となる二盗を決めると、一転して歓声に代わった。
試合はジャイアンツの猛追を振り切ったエンゼルスが7―5で競り勝ち。8月初勝利を飾るとともに、連敗を「7」でストップ。借金を1に減らし、ワイルドカードでのプレーオフ進出へ7ゲーム差とした。
■指揮官安堵「良いプレーをした」
長いトンネルを抜けたエンゼルス。フィル・ネビン監督は試合後、会見場の席につくなり「フーッ」と盛大にタメ息。報道陣の笑いを誘うと、安堵の表情を浮かべて「選手は良いプレーをしてくれたと思う。(先発の)ルーカス・ジオリトは素晴らしかったし、ブルペン陣も頑張った」と振り返った。
6回3安打3失点で今季8勝目を挙げ、エンゼルス移籍後の初勝利を手にしたジオリトは「連敗していたことを考えると少し安堵している。私はここに来てから間もないが、このチームは勢いに乗ることができると思う。うまくやれる可能性がある。これから先は何が起こるか分からない。大事なのは信じることと、全員が同じ方向を向いて努力することだ」と巻き返しを誓っていた。
ジオリトと同じく今夏チームに加わり、この日8、9回に登板したドミニク・リオーネは「(加入してからチームが勝っていないので)もしかしたら、私が悪いジンクスなんじゃないかとチームメートに相談していたんだ」とロッカールームでの会話を明かし、笑顔を見せた。その上で「このチームは私が今まで見てきたどのチームよりも一生懸命に戦い、ひたむきに努力している。ようやく山を越えたのは良かった。今日の勝利を今後の勝利につなげられることを願っている」と話し、前を向いた。
連敗を止めたとはいえ、ポストシーズン進出へ黄色信号が灯っていることに変わりはない。大谷が望む「ヒリヒリした9月」を迎えることができるのか。エンゼルスの戦いに注目が集まっている。
◆「大谷翔平に殺されかけた」ジャイアンツ右腕が語る恐怖体験 高速打球が顔面付近を通過「見えなかった」
◆大谷翔平は「史上最高のシーズンを送るかもしれない」 識者が50本塁打200KでのMVPに太鼓判「圧倒的なお気に入り」
◆「試合中継は大谷翔平ばかり」の指摘に… 千賀滉大「仕方ない。彼はそれぐらいのスター」子供がメッツ戦を見られない現状に見解
文●SPREAD編集部