オリックス・バファローズからポスティングシステムでメジャー移籍を目指している山本由伸投手。すでに複数球団と面談を実施しているが、最終候補に名前があがっているレッドソックスは形勢不利の様子。かつてのチームメート、吉田正尚外野手との再共闘は幻に終わるのだろうか。アレックス・コーラ監督も山本との交渉について言及した。
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■東海岸遠征でヤンキース、メッツと交渉
山本を巡っては争奪戦が繰り広げられており、米メディアが伝えるところによると、最終候補として7球団(ヤンキース、メッツ、ドジャース、ジャイアンツ、フィリーズ、レッドソックス、ブルージェイズ)の名前があがっている。
下馬評ではヤンキース、ドジャースがリードし、メッツが続いており、オリックスでともに戦った吉田が所属するレッドソックスは苦戦しているようだ。
山本は現在、代理人事務所が拠点を置くロサンゼルスで主に交渉を行っているが、東海岸にも遠征しており、16日(日本時間17日)にはメッツのスティーブ・コーエン・オーナーの自宅で夕食をともにし、翌17日(同18日)にはヤンキースのスタインブレナー・オーナーらと面談を行った。
しかし、わざわざ東海岸を訪問しながらもレッドソックスと接触する機会はなかったようで、米紙『ボストン・グローブ』のアレックス・スピア記者は「ヤマモトは週末、ニューヨークでメッツとヤンキースの両幹部と会った。球界関係者によれば、今回の東海岸訪問では、メッツとヤンキース以外の球団とは会っていない」とし、ボストンには立ち寄らなかったことを示唆した。
また、同記者は「業界関係者の多くはニューヨークの2球団を有力候補と考えており、レッドソックスはダークホースと見ている」と報じ、苦戦ぶりを伝えた。
■オリ同僚ゴンザレスのアシストにも期待か
一方、ポッドキャスト番組『Baseball Isn’t Boring』に出演したレッドソックスのアレックス・コーラ監督は今オフの移籍市場について「オオタニとヤマモトが支配している。オオタニは(ドジャース入団が決まるまで)冬のミーティング全体を支配していたし、現在はヤマモトが同じことになっている。ヤマモトの場合、プレーする可能性のあるチームについて本当に興味を持って考えているので、決断により長く時間がかかっているのだと思う」と分析。
さらに「これは大きな取り引き。1年契約でもなければ、オプトアウトが付く2年契約でもない。これは周囲の状況を一変させる取り引きだ。彼や彼のエージェントだけでなく、球団にとっても大きなことだ」と訴え、時間がかかることに理解を求めた。
レッドソックスはロサンゼルスで山本と1度面談したと伝えられているが、彼自身が本拠地フェンウェイ・パークを訪れたかどうかについては、同監督は言葉を濁した。
ただ、オリックスの同僚マーウィン・ゴンザレス内野手もレッドソックスでプレーした経験があるため、同監督は「(山本は)ヨシダからだけではなく、ゴンザレスにも話を聞くこともできる」とし、「スタジアム訪問がすべてではない」と言い切った。
熟慮の末、山本はどんな決断を下すのか。それを受けて、渋滞気味の移籍市場も一気に動き出す情勢となっている。
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文●SPREAD編集部