米メディア『yahoo sports』は2日、「大谷翔平投手との契約による波及効果:ドジャースはMLB最大のスターからどのような利益を得られるのか、それとも得られないのか」と題して、記事を公開した。思ったほど球団の収入増につながらないケースもあり、注目を集めている。
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■日本企業多数がスタジアムの広告に関心か
記事を担当したジャック・ベアー氏よると「オオタニはスポーツ界で最も貴重な人材の1人だが、彼をラインナップに入れたドジャースは恩恵を受けられない場合がある」という。その上で、利益を得られる部門と利益にならない部門を分けて掲載した。
「得られる利益」として同氏が真っ先に取り上げたのは、「スポンサーロゴの掲出」。大谷がプレーしていたエンゼルスタジアムでは日本企業の広告看板が目立ったが、今後はドジャースタジアムに広告を出したいという日本のクライアントが殺到するだろうと予想した。
さらに、ヤンキースがユニフォームの袖口にスポンサーロゴ(スター保険)を付けているが、ドジャースもこれを解禁した場合、多くの申し込みがあるはずで、新たな収入源が生まれるとした。また、以前頓挫したドジャースタジアムの命名権売却が実現すれば、球団に莫大な利益がもたらされると説明。これらが大谷の加入によって再検討され、動き出すかもしれないと指摘した。
そのほか、「補強資金に余裕が生まれた(大谷に支払われる10年俸総額7億ドルのうち約97%が契約期間終了後の後払いとなったため)」や「チケット販売の促進(ただ、これまでもセールスは好調なので、伸びは少ない)」などが、大谷獲得によって球団にもたらされる恩恵とした。
そして、同氏は「利益になるかもしれないこと」として、「佐々木朗希投手(千葉ロッテマリーンズ)を引き寄せる」と記した。今季終了後にもメジャー挑戦が噂される右腕は、米国でも注目の的。同氏は仮定の話と前置きした上で、もしドジャースが獲得を目指した場合、大谷と山本由伸投手を擁していることが有利に働くかもしれないとし、WBCで佐々木と共闘した2人の存在に期待した。
■ドジャース戦の放送が増えてもうま味なし
一方、「利益にならないこと」として、「日本からの放映権料」を挙げた。ドジャースは米国内での放映権管理は許されており、独自に収益を得ることができる。ただ、国際放映権はMLBが一括管理しており、その収益はメジャー30球団に均等に分配される。つまり、日本でドジャース戦の放送が増えても、球団の収入が飛躍的に増えるわけではない。
また、同様のことがユニフォーム販売にも当てはまり、同氏はこれも「利益にならないこと」に含めた。MLBはファナティクス社やナイキなどのメーカーとライセンス契約を結んでおり、ユニフォーム販売に関しても一括管理。売り上げは、各球団に分配することになっている。そのため、日本でドジャースのユニフォームが驚異的な販売数を記録しても、それがドジャースの収益に直接はつながらないようだ。
大谷獲得によってドジャースにもたらされる一番の利益は、戦力アップにほかならないが、ビジネス面でもどんな展開が待っているのか、注目だ。
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文●SPREAD編集部