【青葉賞】驚愕データが導いた勝ち馬は人気薄 東京発・ダービー最終便に待つ「波乱の結末」とは?

【青葉賞】驚愕データが導いた勝ち馬は人気薄 東京発・ダービー最終便に待つ「波乱の結末」とは?

京都発ダービー最終便は京都新聞杯。そして東京発ダービー最終便が青葉賞
古くは藤沢和雄・元調教師が「ここを勝ってダービーで勝つ」ことにこだわっていたが、1995年のダービートライアル指定後も未だにダービー馬は出ていない。そんな藤沢氏が「青葉賞のジンクスは近い将来破られる」と雑誌・優駿で語るほど、ダービーとの間隔が中4週に広がった番組変更は大きい。今後のダービーにどんな影響をあたえるかを占う上でも今年の青葉賞は大注目だ。

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■社台グループに勝ち馬が集中する青葉賞、だからこそ見えた馬主への忖度?

2005~24年の過去20年が【12.9.10.110】、2015~24年の10年が【7.5.7.57】。出走頭数が多いとはいえノーザンファームと社台ファームを合わせた社台グループ生産馬の勝率は過去20年で6割、10年だと7割。社台グループのワンツーが本気で「全てのホースマンの夢」ダービー出走を叶えるため、その最後の権利を獲得するために心血を注いでいるのだから、この数字に大きな驚きはない。

しかしながら社台グループ2大巨頭の生産馬で勝ち、ダービーへと駒を進めた馬主に目を向けると様相は一変する。

2015~24年青葉賞 社台グループ産勝ち馬

2015~24年青葉賞 社台グループ産勝ち馬

なんと、ここ10年間7勝もしているのに馬主の重複がない。
過去20年まで遡れば2006年と08年に近藤利一氏が、2009年にサンデーレーシングがノーザンF生産馬で重複するが、2010年ペルーサ(山本英俊)社台F産、2011年 ウインバリアシオン(ウインレーシングクラブ)ノーザンF産と、大口馬主や一口クラブなど多彩なのは驚きだ。

関東馬にとっては、ほぼ「ダービー出走の夢」を叶える最後のチャンス。社台グループが青葉賞を利用し「より多くの馬主をダービーへ」と忖度している、と思ってしまっても不思議ではない。
なぜなら、京都発ダービー最終便の京都新聞杯では前田晋二氏が3勝、社台レースホースが3勝、里見治氏が2勝で重複しているのだから。

古馬のレースなら同じ競走馬による馬主重複はおかしくないが、これは3歳限定しかもダービートライアル。皆さんにもこのデータの重要性と異常性がご理解頂けるだろう。

■実績よりも経験がモノを言うように変わった理由とは?

前走の傾向としてよく取り上げられているのが、1勝クラスの特別レースが有利なこと。これはここ10年で顕著になったデータ。以前は重賞路線が中心であった。

その要因の1つは皐月賞のトライアルに使えた馬と、デビューが遅れてトライアルに出られなかった馬との差が縮まったためと思われる。この変化は牧場の育成技術や外厩の調整ノウハウが大きいところ。その最たるものが社台グループなのだが……。

青葉賞出走馬の主な前走成績

青葉賞出走馬の主な前走成績

2つ目が距離経験。1勝クラスの特別レースなら何でもいいという訳ではない。
3歳の重賞には青葉賞を迎えるまで芝2200m以上のレースがない。そこで1勝クラスを使った馬が距離経験を武器に、皐月賞トライアル組を負かすようになったのが青葉賞

私事だが芝1800mばかり使われて未勝利を勝ち上がれない出資馬がいた。父ダンシングブレーヴで母父ニホンピロウイナーというバリバリの短距離血統の牝馬だ。6戦目にやっと芝1200mを使って圧勝。レース後に調教師は「1200mならすぐに勝てることは分かっていたが、先々を考えて長目でも走れるようにしたかった」とコメント。クラシックを狙える器と見てくれてのことだった。師いわく「頭のいい馬に経験はとても大事」とのこと。

事実、競馬予想をする上で距離やコース経験を必ず見るのだから「実績という壁」だけで、それを排除してしまうのは勿体ないことである。

■今も変わらぬ西高東低、貪欲な栗東調教師にも注意せよ

2015~24年 青葉賞 東西厩舎比較
美浦【3.4.6.66】勝率3.8%/連対率8.9%
栗東【7.6.4.62】勝率8.9%/連対率16.5%

これが青葉賞の東西別成績。栗東所属馬が圧倒的に強い。
比較対象として京都新聞杯を見てみると…

2015~24年 京都新聞杯 東西厩舎比較
美浦【0.0.0.6】勝率0%/連対率0%
栗東【10.10.10.100】勝率7.70%/連対率15.4%

「京都新聞杯で勝っても疲労でダービーには使えない」という美浦調教師の意見は分からなくもないが、栗東側からすれば「青葉賞で輸送、ダービーでまた輸送」というリスクがある。なぜここまでの差が出るのか?
「広い人脈、豊富な知識量、卓越した思考力」がなければ説明できまい。ただ悩んだら関西馬を選ぶことだけは覚えておきたい。

■人気薄でも激走? 狙いは青葉賞未勝利馬主の社台グループ産駒

堅く収まる傾向の青葉賞だがデータからは波乱も予感させる。

データから狙ってみたい1頭目は栗東・矢作芳人厩舎のホウオウアートマン
ノーザンF生産馬で馬主は小笹芳央氏。
母のスウィートリーズンはG1・3勝の実績馬。引退後ケンタッキー州のファシグティプトン・ノヴェンバーセールにおいて、ノーザンFが270万ドル(当時のレートで約3億2000万円)で落札。矢作調教師がデビュー戦に白梅賞(1勝クラス)を選択しており、期待はかなり大きい。1勝馬で抽選による除外の可能性があるが、それでも出走できれば人気はないはず。ぜひ狙ってみたい。

もう1頭はアマキヒで美浦・国枝栄厩舎。
ノーザンF生産馬。馬主は金子真人ホールディングス。
関東馬だが、ゆりかもめ賞(1勝クラス)で東京・芝2400mを経験済み。前走1勝クラスはスタートが決まらず途中から仕掛ける難しい展開もゴール前でキッチリ捉えて勝利。「中山より東京」という国枝調教師のコメントも心強い。

各陣営とも並々ならぬ意欲で挑むこととなる東京発ダービー最終便の青葉賞『どの陣営の思いが強いのか』ファンにとっては目の離せない一戦だ。

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