【ヴィクトリアマイル/血統ペース理論】「バリバリの米国型」で左回りに適正あり 雨予報も追い風の注目馬

 

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【ヴィクトリアマイル/血統ペース理論】「バリバリの米国型」で左回りに適正あり 雨予報も追い風の注目馬

第20回ヴィクトリアマイル(18日/GI、東京芝1600m)には、国内では連対率100%を誇るGI馬アスコリピチェーノ、大阪杯からの巻き返しを狙うステレンボッシュ、金鯱賞勝ち馬クイーンズウォークらが出走予定。

ここでは血統+ペースによる「独自の血統ペース理論」から注目馬を導き出す。

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■レースを支配するのはアリスヴェリテ

NHKマイルCは波乱の決着となったが、先週のこのコラムの内容を覚えている方はどれだけいるだろうか。先週のこのコラムにおいて、「このレースは、父ダイワメジャー産駒もしくは父キンカメ系産駒、少なくともどちらかは毎年3着以内に好走することで知られているが、今年のメンバーは、父ダイワメジャー産駒は不在、そして父キンカメ系産駒も2頭しかおらず、新しい血の台頭があるのかも気になるところである」と指摘している。

そしてレースの結果は、低評価を覆して勝利した9番人気パンジャタワーは、現3歳世代が初年度産駒となる父タワーオブロンドンということで、新しい血の台頭であり、3着には12番人気の低評価ながら激走したチェルビアットが入り、こちらは2頭しか出走していなかった父キンカメ系のロードカナロア産駒であった。

このコラムで指摘した内容が有意義だったレース結果となったが、今後もレースの答えに少しでも近づけるような内容を展開していきたい。

血統ペース適合馬:アリスヴェリテ

今年のメンバーの出走可能圏内を診ると、直近の走りで逃げて好走している馬は不在であり、想定逃げ馬を設定するのが難しいが、重賞勝利を逃げ切りで収めているアリスヴェリテが逃げると診る。

父:キズナ
母父:Cozzene
形相遺伝対象:Weekend Surprise(母母父の母)
同馬が逃げて作り出す血統ペース:
形相遺伝対象から米国型Nasrullah系統のペース
   
アリスヴェリテの前走福島牝馬Sは、逃げずに好位からの運びとなり、最後は前に迫る走りで4着だったが、レース後の陣営コメントから、ストレスを避ける意味でそもそも今回は控える作戦だったことが判明、その意図から診ると、4着ではあるが内容が有った走りと解釈できる。

レースを支配する血統ペースを求めたところで、普段であれば、ここで血統ペースの観点から現時点の注目馬を一頭取り上げるところだが、今回はその逃げるアリスヴェリテを少々考察してみたい。

本馬の形相遺伝対象のWeekend Surpriseは、米国で31戦7勝を挙げ、GIレースでは2~3着が5回もあるマイル~中距離路線の活躍馬だが、ベルモントSとBCクラシックの勝馬であるA.P.Indyの母と云えばピンとくる方も多いだろう。
本馬はこのような遺伝背景を持つことから、父キズナではあるが、母方そのものが出ているバリバリの米国型であり、マイル~中距離に対応可能なタイプである。

本馬のこれまでの戦績を診ると、これまでの23戦から左回り戦だけを抽出すると、8戦して2着3回・3着2回・4着2回と7戦は4着以内であり、この中には海外遠征のBCディスタフ4着も含まれ、1着は無いが好成績で安定していることがわかる。

血統背景を読み解けば、本来はもっと左回りを使われるべき存在であり、昨年の海外遠征BCディスタフも逃げられずに中団からの運びとなったが、最後の直線では前に迫る追い上げを見せ、あと少しで3着という内容が有る走りを披露しており、やはり遺伝背景どおりに米国型の血が騒いだものと診る。

その点で云えば、今回は左回りが舞台ということで血統背景どおりに適性を示す舞台であり、実際に東京コースでは3戦して2着1回・3着2回と安定している。

このレースは、毎年父ディープ系の血が活躍することで知られるが、本馬は父キズナということで該当しており、どうやら週末は降雨の予報があるようだが、雨中の走りは4度経験して2着2回と苦にせず、気温が上昇してくる季節に好走する傾向があることを踏まえて、適性の高い舞台で逃げ粘りに期待したい。

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著者プロフィール

MASA
平成の初め、中島国治氏の血統理論と出会い、大いに感銘し影響を受ける。この中島理論をレース予想にどのように結びつけるかを研究し続けた末に、逃げ馬が自身の血統構成から作り出す「血統的なペース・流れ」がレースを支配するという「血統ペース理論」を開発、現在競馬予想家として、中島理論の継承努力を続けている。

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